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ヒューマノイドを通じて「人間とは何か?」を描くカズオ・イシグロ『クララとお日さま』に感動しました。
きっかけは、茂木健一郎さんのYouTubeでの紹介でした。告白すると、カズオ・イシグロの作品をちゃんと読んだことがありませんでした。ノーベル文学賞受賞日系人だからという訳ではありませんが、この機会にと読み始め、引き込まれて一気に読んでしまいました。そして深く感動しています。みなさんにオススメしたいです。是非読んでほしいので、いわゆるネタバレ的なことは最小限にして記しますね。
ロボットや人工知能について考察すると「人間とは何か?」「知性とは何か?」「感情とは?」「生命とは?」「宗教とは?」などを考えさせられることになります。以前、「JAPAN HOUSE」のCo-Founderとして、SXSWに石黒浩さんをお連れした際に、石黒さんを始め、研究室の皆さんと交流させていただき、まさに哲学的な思索に富む内容になり、その思いを強くした記憶があります。
『クララとおひさま』は、高度な人工知能をもったヒューマノイド、クララと、知能向上の遺伝子操作手術を受けた少女ジョジーとの交流を軸に物語が展開します。クララが感じ、考えたことと、登場人物の会話のみで進行され、社会状況などの環境説明は一切ありません。AFについても説明はないのですが、おそらくArtificial Friend(人工友達)の略で、子供の友達となって世話をし、情操教育を行うヒューマノイドが普及しているという設定のようです。物語が進むとともに、ディストピア的な社会になっている様子が窺えます。(AIと人間社会の関係に興味がある僕としては、どういう世の中で、どんな法律があるのかなどを知りたいのですが、会話の内容から推測するしかありません。)
ジェシーと周辺の人々との交流で成長していくクララの心象風景が美しく、読み進むと共に感動が湧き上がりました。感動というのは言葉で説明しにくいものですが、まさになんとも形容し難い衝動が心のなかで起きているのを感じました。感動冷めやらぬ中でこのnoteを書いているので、支離滅裂になっていたらごめんなさい。
引用は控えますが、ラストシーンでのクララの述懐は「人間とは何か?」に対する、一つの素晴らしい回答に感じて、涙が出そうになりました。
文学作品の力と価値を思い知る作品でした。今、読むべき本だと、強くお薦めします。
僕の語学力だと高いハードルですが、茂木さんが薦める英語原文も読んでみようと思っています。
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