アフターコロナの海外ツアーに備えるために『海外攻略の全ノウハウ』を読もう!イベントもやります!!
日本の音楽家、業界関係者が考えるべきことは「デジタルとグローバル」以外は無いと言い続けて随分経ちました。残念ながらと言うべきかまだまだ不十分で、2021年8月現在「デジタルとグローバル以外にやることないでしょ?」という状況は変わっていません。海外コンサートツアーに関しては、Covid-19という障壁が立ちはだかっていますが、ワクチン接種というソリューションで出口が見えている今、改めてアジア市場を考えることは有意義でしょう。
本書は、数多くのアーティストのツアーに関わってきた著者が、俯瞰した総論を踏まえつつ、実施の時に必要な各論まで具体的にまとめた有益な本です。
僕が監修者なので、若干身びいきになりますが、脇田敬の『ミュージシャンが知っておくべきマネジメントの実務 答えはマネジメント現場にある!』
の海外ツアー版だなというのが読後感でした。「神は細部に宿る」と言います。細かな具体のノウハウの積み上げが実際に日本人音楽家が海外ツアーを行うために必要なことです。
関根さんは実際にコンサートツアーの現場経験をベースにしながら、日本人アーティストの置かれている状況を俯瞰した視点でも捉えています。療法を知っているからこそ、目先の商売を考えれば自分の手元に留めておきたいと考えてもおかしくないノウハウを惜しみなく公開しているのでしょう。
海外市場にアクセスを始めた時に「日本として括られたく無い」いうプロデューサーや音楽家を時折見かけますが、そういう発言を聞くと「まだ本気で戦ってないんだな」と感じます。何故なら、日本以外の国の人は、自分の民族の文化を背負い、政府の力も含めて使えるものは全部使って、結果を出そうとしているからです。奴らは団体戦で空母で攻めてくるのに、日本人が竹槍で戦っても勝てる訳ない。クリエイティブと幸運で一回勝っても、長期戦はでは勝ち目ないというのが、海外で多少なりとも戦ったり、カンファレンスイベントなどを回ってみたりした僕の結論です。最近では、K-Popというわかりやすい例がありますね。根っこのない文化はないし、少なくとも日本を出た瞬間からは、僕らは良くも悪くも「日本人プロデューサー」や「日本人音楽家」というキャラクターを背負いますし、どう活用するかが成功の肝になります。
同時に文化、音楽というフィールドでは「日本というブランド」は非常に高いのも日本を離れると実感します。商売ベタだったこともあって余計に日本人は好かれています。K-Popというお手本ができたことで(韓国人はえげつなさが敬遠されている側面も感じますので、チャンスですねww)日本の音楽界も本格的に海外市場に取り組むことができるのかもしれません。
丁寧にディテールを語る関根さんの本を読みながら、改めてそんなことを思いました。
コロナ禍で国を超えた往来が困難になっている今は、オンラインコンサートを活用して海外市場を耕す時期です。StudioENTREが産み出した新サービスFAVERはアジアを中心とした海外市場でのコンサートの配信を活用した開拓を進めています。代表の小島健太郎は、アメリカ留学を経て、SXSW日本事務局〜NoMaps立ち上げを行った国際感覚がある音楽業界人です。WESSでRISING SUNの配信などにも関わってきて、コンサート現場の汗と涙をしっている男です。一緒にコンサート配信という市場を盛り上げていきましょう!興味の有る方はご連絡下さい。
Covid-19によって、国境が閉ざされた今だからこそ、海外市場について本気で考えていきましょう。ウィズコロナはデジタルでした。アフターコロナはグローバルです。
ニューミドルマンコミュニティによる月例イベントMusicTech Radarでは関根直樹さんをお招きして、実践的な内容でトークイベント行います。『海外攻略のノウハウ』を読んで、質問をたくさん抱えて、ご参加下さい!
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