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ポンコツ免疫の戦い

気温が下がり、空が高く見えるようになった。
どこか懐かしくなる涼しい風と止まらないクシャミに秋が来たのだなあと実感する。
一番好きな季節だ。次に好きなのは春。

そして、辛いのも春と秋。
毎日花粉に苦しめられるからだ。

秋の花粉のブタクサ、ヨモギ、イネ。
春の花粉のスギ、ヒノキ。
こやつらに私の免疫は過剰反応を始める。クシャミ、鼻水、目の痒み……。花見も紅葉も手放しで楽しめない。

さらには、大好きなネコにカフェインまでアレルギー反応が起きる。
こうなると一年の半分くらい体調が万全じゃないかもしれない。もはや免疫とは。

カフェインに至っては「子どもだね」とか「飲み慣れてないからでしょ」と笑われることがよくある。
コーヒーゼリーを食べただけで腹痛に見舞われ、指先の感覚がおかしくなり、夜は明け方近くまで眠れなくなるなんて、誰が想像できるだろう。
コーヒーの香りもカフェラテの牛乳に溶けた苦味も大好きなのに、体が拒絶するのだ。

ここまでくると私の免疫がポンコツすぎる気がしてくる。私の体なのに私のことわかってなさすぎじゃない? 私の大好きなものを堪能する時間、奪いすぎじゃない?

あぁ、春のやわらかい日差しで干した布団に包まりたい。色づく木々を眺めながら登山がしたい。ショートケーキと一緒にコーヒーを味わいたい。

でも、ポンコツ免疫に負けなかったものもある。

私の猫愛だ。

日向ぼっこをしながらすやすやと寝息を立てる実家の猫。光に照らされてキラキラと輝く体に吸い寄せられるように顔をうずめると、毛がふわふわと私の頬を撫でる。
少しうっとおしそうに目を開ける猫に気づかないふりをして、頭を撫でてやると、気持ち良さからか諦めからかまた目を細めて眠りにつこうとする。

この時間だけは私のポンコツ免疫には奪えない。

たとえ一時間後に顔面が大惨事になるとわかっていても。

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