かずひろ

病院勤務の作業療法士から、保険外診療のリハビリサービスを開業しました。写真、キャンプの…

かずひろ

病院勤務の作業療法士から、保険外診療のリハビリサービスを開業しました。写真、キャンプの道具集め、ラジコングライダーなどが好きです。

マガジン

  • アフターコロナの月の輪まつり

    安来市の伝統的なお祭り、「月の輪まつり」。 その伝統が新型コロナ感染症の流行をを切っ掛けに失われつつある様です。 それについて、個人的に調べたり市の職員とメールでやり取りしたことについて書いたシリーズです。

最近の記事

脳血流の実験?

非常に単純化した実験です。(^_^;) もともと、頚部の姿勢が悪くて血管が折れ曲がったような場合、脳血流にも影響があるのでは無いかと言う仮説を持っていたのですね。で、水道とホースを使えば実験できるのでは無いかと思ったのです。ついでだから、アテローム変性などによる血管内径の変化や梗塞などによる影響を可視化できるかも知れないからそういった事も実験してみようと考えた次第です。 しかし、実際にはウイリス動脈輪というセキュリティとも言える構造も在りますし、ホースより血管の粘弾性は高いで

    • 空間認知障害と空間での身体の配置

      未だに、昔書いた「ベッドに斜めに寝ている人の空間認知」という記事がよく読まれているようです。 「空間認知機能が障害されているから、空間で適切な位置に身体を持っていくことが出来ない」 こういう評価は一見正しそうにも見えますが、私は誤りだと考えています。 その理由を以下に書いていきますね。 こういうA→Bと云った推論を立てるためには、空間認知情報が、運動機能〜空間での身体位置関係をとる運動情報と別々のものでなければなりません。 ここで、脳がどのように姿勢/運動制御をおこなっ

      • バランスボード

        「セラピースペースながしま」をご利用中の頭部外傷の少年。 頭部外傷でよくみられるのは、損傷が強い側の片麻痺症状と、失調症状の組み合わせです。 そのほか沢山の症状が出るのですが、こういった症状が重なるのは、びまん性軸索損傷の影響も強いと考えられています。 神経細胞をつなげる神経繊維の問題ですね。 事故などの高エネルギー外傷では、このびまん性軸索損傷は脳の全体に起こるのですが、特に質量が異なる部位が、質量が異なるので頭蓋骨が揺れた際に異なる位相で揺れてしまうために起きやすいのでは

        • まじない

          「呪い」には二通りの読み方があります。「まじない」と「のろい」ですね。 これから各文章は「呪い」で統一して書きますので、どうぞ文脈を読みながら「まじない」「のろい」というふたつの言葉を適当に当てはめて読んでください。 私中学生の時、体育の授業で非常に興味深い体験をしたのです。 体育の授業で行っていたのは、前方倒立回転飛び。跳び箱に手をついて倒立して回転し、着地するという課題です。 その時の体育は女子と男子が別々で、体育館の真ん中に網でパーテーションを作ってやってました。

        脳血流の実験?

        マガジン

        • アフターコロナの月の輪まつり
          4本

        記事

          動物の進化と脳機能

          系統発生をみてみると、すべての移動する動物には脳幹−脊髄が存在しています。 ○脳幹−脊髄:ヤツメウナギみたいな生物ですね。 ○脳幹−脊髄−基底核:ワニみたいな両生類四肢を使ってます。体幹の動きはヤツメウナギにつながるものがありますね。 ○脳幹−脊髄−基底核−辺縁系:猫とかです。体幹の動きは多彩になり重心も高い。 ○脳幹−脊髄−基底核−辺縁系−皮質:猿とかになります。かなり重心は高くなります。重心は高いのですが、体幹の動きは側屈回旋が乏しい印象もありますね。 ○脳幹−脊髄−基底

          動物の進化と脳機能

          意識が運動を制御しているという幻想

          脳梗塞とか脳出血、頭部外傷のリハビリテーションを行うとき、意識で運動を制御しようとする方がおられるのですね。 これは、意識が運動を制御していると勘違いをされているのだと思うのです。 で、過剰に意識して運動を起こそうとするので、結構難しい感じになりやすいといった事が起きている様に感じる事が少なくないのです。 「意識」というものを科学的に捉えようとする試みは古くからありますが、現在の科学を持ってしても意識というものが脳のどの様な情報処理で生成されているのかと云うことはわかってい

          意識が運動を制御しているという幻想

          ベッドに斜めに寝ている人の空間認知

          ベッドに斜めに寝ている患者さん、多いですよね。 こういう人を見て、 「空間認知がおかしい」という評価をする場合があります。これは果たして正しいのでしょうか。 空間認知がおかしくて、ベッド上での姿勢制御がベッドという環境に対して正しくは無いという考え方に、もし空間認知が運動制御と姿勢制御を混乱させていて結果ベッドに斜めに寝ているというという意味であれば多分その評価は、間違いもしくは足りないと思うのです。 この考え方は、空間認知がトップダウン的に姿勢と運動を制御しているという考

          ベッドに斜めに寝ている人の空間認知

          シナカルな思考

          科学的に物事を考えるという事はどういうことなのかという話題です。 いま、いんすぴゼミで『天才科学者はこう考える――読むだけで頭がよくなる151の視点』と云う本を読んでいるのです。その中に、「相関関係は因果関係ではない」という章があります。ちょっと紹介しますね。(^^)/ Correlation Is Not A Cause〜相関関係(一方が変化すれば他方も変化する関係)は根拠ではない〜の頭文字をとったシナクという略語があって、これは科学者の間でよく使われるフレーズだそうで

          シナカルな思考

          脳損傷と身体図式の障害

          脳梗塞/脳出血/頭部外傷などの脳損傷疾患、あるいは、パーキンソン病などの神経変性疾患の障害というと、運動機能異常が目につきますし、話題としても、運動機能障害がよく取り上げられますよね。当事者である患者さん達も、「麻痺をどうにかして欲しい」とか、「動きやすくなりたい」と希望を持たれておられるケースが殆どです。 じゃぁ、麻痺をどうやって改善(回復)させていくのかとか、どうしたら動きやすくなるのかと考えて行くと、身体図式の障害が結構重要な要素として取り上げられてくるのだと思います。

          脳損傷と身体図式の障害

          最悪の平和とまだマシな戦争

          岡田斗司夫さんが、中学校で行った講演の動画をYouTubeで見つけてみていたのですね。 これが実に興味深いのです。 「最悪の平和」〜年間2万人の自殺者が出るような社会だけど、戦争を起こさずに過ごすことが出来る平和 「まだマシな戦争」〜開始時には1万人程度の死者が予測されるが、その後は年間1000人程度の自殺者ですみ、その後、国が豊かになる可能性が在る戦争 と云う定義ですね。 ひとつの思考実験なのです。 思考実験ですので、正解というものは在りません。そして、導き出した答

          最悪の平和とまだマシな戦争

          リハビリテーション医学を学ぶ前に

          私、いつの間にか還暦です。 驚きますよね。 リハビリテーションの仕事を始めて、既に40年近くたっているんです。 仕事はじめた時は、自分がベテランと言われる年齢領域になることなんて考えられませんでした。 いまでも、ベテランと言われると、ちょっと違和感があります。まだまだやっていることとか、考えていることは不十分な若造なので、ベテランと言われるとちょっと馬鹿にされているのではないかという気さえしてきます。(^_^;) ただ、不十分ではありますが、私がかつてやっていたことよりは、

          リハビリテーション医学を学ぶ前に

          脳移植

          脳移植のお話を少し聞いたのですね。いずれ科学の進歩で可能にはなるだろうというお話でした。 再生医療では無くて脳移植。 これは2つのパターンがあると思うのです。 一つは、何らかの脳以外の損傷が起きた場合~例えば頸椎損傷とかALSとかで、脳という臓器が保たれているけど、四肢の動きが出ないという場合に、その脳を、脳死と云われる状況の身体に移植するようなケースですね。確か、以前、中国で患者を募集していたような記憶があります。とおもったら、2017年に頭部移植、されておられたようで

          伝達による情報の変容

          2024/07/23のいんすぴゼミで、情報のお話が出ていたのです。 いんすぴゼミは、脳科学者である毛内拡先生が本を読みながら様々なお話をされる企画で、現在は、”天才科学者はこう考える"と云う本を読んでいます。 先日の章は非常に興味深かったのですね。 色々興味深い章があったのですが、ここで取り上げるのは「情報はただ伝達するだけで必ず歪む」というお話。ジャロン・ラニアーというコンピューターサイエンティストが書かれています。 伝言ゲームを例示してお話を展開されているのですね。 他

          伝達による情報の変容

          足根管

          先日、いきいきクリニックで透析中の方を診させていただいたのです。足底の痺れに悩まされておられて、私は、その痺れの原因を突き止め切れていなかったのですが、整形外科で足根管症候群だと言われたと。 あ、チネルサインみてなかった…(^_^;) と云うわけで、足部の状態を確認しながら屈筋支帯を緩めるようにしていったのですが、多少痺れが良くなる様子でした。 そしてちょっと考えたのです。脳卒中でも、足底の感覚をきちんと中枢神経系に届けるためには、ここの状態ってどうなんだろうって。

          ベッドに斜めに寝ている人の空間認知

          ベッドに斜めに寝ている患者さん、多いですよね。 こういう人を見て、 「空間認知がおかしい」という評価をする場合があります。これは果たして正しいのでしょうか。 空間認知がおかしくて、ベッド上での姿勢制御がベッドという環境に対して正しくは無いという考え方に、もし空間認知が運動制御と姿勢制御を混乱させていて結果ベッドに斜めに寝ているというという意味であれば多分その評価は、間違いもしくは足りないと思うのです。 この考え方は、空間認知がトップダウン的に姿勢と運動を制御しているという考

          ベッドに斜めに寝ている人の空間認知

          東京都知事選に見る民主主義

          終わっちゃいましたね。7月7日投票日の東京都知事選。 私は、桜井誠さんを応援していたので、とても残念です。(^_^;) まぁ、勝てるとは思っていませんでしたが、彼の主張は良いと思うのですよ。 さて、今回の選挙、それぞれの立候補者がどの程度票を獲得したのかを調べようと思ったのですが、7月8日時点で、私が見つけたのは朝日新聞DIGITALだけでした。小池百合子さんは291万票超ぐらいで当選されたとのことらしいです。 で、組織票がどの程度あったのかなぁと調べていたのですが、これも

          東京都知事選に見る民主主義