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回石進

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詩、俳句、小説などはこちらに貯めていこうと思います。Twitterでも呟いてます。
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2022年3月の記事一覧

歩み

薄曇り、桜並木を行く君の
慣れない、黒い靴の音

駄 文

駄 文

掻きむしった傷跡は今はただ赤く熟れている

通り過ぎる風はそよそよとその傷口をくすぐる

揺れる産毛の感触に今は只その生を感じている

目の前で煌々と照る あの地平の向こうにある陽の光は眩しく

薄ら寒さの中にうっすらと温もりを覚える

ただこの空間に立ち尽くす我が姿をどこからともなく見ている私は孤独を観測していた

そして、そこには何の感情もない

たった数十年生きただけの私の時間は今、一瞬のよ

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