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むずむず脚症候群に漢方薬も選択肢に入れてみよう

何人かの受講生の方から、ご自身の家族やサロンのお客様に「むずむず脚症候群」の方がいると続けてご質問がありました。

むずむず脚症候群を中医学的にはどう考えるのかがわかると、その解決方法も分かります。

むずむず症候群とその人のもともとの体質や、なぜそうなったのかという原因の解決ができると漢方薬で対応できるかもしれません。

実は、私自身、幼稚園から小学校低学年くらいの時に一時期なったことがあります。

むずむず脚症候群になった理由が中医学を学んだ今、私自身の体質を考えると理解できます。

ここでは、むずむず脚症候群について中医学的な考え方について述べます。

むずむず脚症候群とは

むずむず脚症候群は、別名「レストレスレッグス症候群(Restless Legs Syndrome=RLS)と言われます。

ふくらはぎ周りに、むずむずと虫が這っているような感じがしたり、チクチク痛痒く、じっとしていられない不快感、火照りなどを感じます。
脚を動かせば緩和するので、寝るまでのじっとしている時や、飛行機などの長時間じっとしていなければならない時が辛いのです。

質問された方のお嬢さんは、学校の授業中にじっとしていなければならない時に起こることがあると言われています。

特に安静にしている時、夜間に多く現れるため、なかなか寝付けなかったり寝付いても脚が勝手に動いたり、一度目が覚めるとじっとしていられないむずむず感で、睡眠不足になる人が少なくありません。

私の例でいえば、あまり眠くない時に寝かせられ、目をつぶっているのにむずむずしてじっとしていられず、何度も脚を動かしてなかなか眠れなかったのを覚えています。

また、夏休みに従妹の家に泊りに行き、叔母と従妹の寝息が聞こえて来たのに、私だけ眠れずに「どうしよう。」と思っていると、だんだんむずむずして来て寝付けなくなると言うこともありました。

調べたところ、厚生労働省で脳神経内科の病気の一つと定義されています。

レストレスレッグス症候群(従来はむずむず脚症候群と呼ばれていました)は、夕方から深夜にかけて、下肢を中心として、「ムズムズする」「痛がゆい」「じっとしていると非常に不快」といった異常な感覚が出現してくる病気です。足を動かすとこの異常感覚はすぐに消えるのですが、じっとしていると再び出現してきます。
患者さんは布団の中でじっとしていることができず、眠くても眠りにつくことができません。何とか寝付けたとしても、睡眠が浅く、十分に眠れません。また、足が周期的にピクッピクッと勝手に動き続けていることが多く(周期性四肢運動障害)、これも睡眠を浅くします。このため、不眠だけでなく、日中の過眠も出現します。
厚生労働省e-ヘルスネットより抜粋

むずむず脚症候群の原因

原因は、いまだに十分わかっていないものの、ダイエットのやり過ぎ・心理的ストレス・落ち込んでいる時などの一次的なものの他、二次的にこのような条件で起こりやすいことがわかっています。

・脳の鉄欠乏
・ドパミン(神経伝達物質のひとつ)の機能障害
・葉酸不足
・パーキンソン病
・糖尿病
・関節リウマチ
・静脈瘤
・高コレステロール
・女性
・妊娠時

鉄はドパミンを作るために必要なミネラルですし、葉酸は「造血のビタミン」と言われる赤血球を作るのに必要なビタミンです。

つまり、原因の一つが鉄や葉酸不足からドパミンの機能に障害が起こり神経伝達に支障をきたしていると考えられないでしょうか。

中医学で考えるむずむず脚症候群

中医学で考える時、その症状を体の構成要素「気・血・津液」の過不足や流れの状態と照らし合わせます。

「気・血・津液」と関わりの深い五臓とも合わせて考えて行きます。

二次的な原因と照らし合わせて行くと、「血(けつ)」不足が考えられます。血不足になると、体の中の陰陽バランスが崩れます。

原因の一つは血(けつ)不足

血(けつ)は液体なので陰であり、血(けつ)の不足により相対的に陽が多くなってしまいます。

中医学ではこの差が激しいと、体の中に高気圧地帯と低気圧地帯ができると考えるのです。

気象でも低気圧が発生すると高気圧の側から低気圧に向かった空気の流れが起こります。風ですね。

実際に体内に風が吹くわけではありませんが、気象と同様に考えます。

風に関する症状の特徴は、出たり出なかったりと症状が継続しないことや症状の場所が変わる等の特徴があります。

食物アレルギーでない蕁麻疹もこの一つです。

二つ目に考えられるのは消化器系の弱りによるヘドロ

なぜ、血(けつ)不足になるのかを考える時、消化器系に当たる五臓の脾の状態を見ます。

脾が弱ると、食事から血(けつ)が作られにくくなり不足して行きますし、脾は弱ると水はけも悪くなり、要らない水分を溜めやすくなるのです。

もともと脾が弱い場合は、常に不要な水分が体に溜まり長時間体温やストレスで熱せられ続けドロドロのヘドロのような状態になります。

ドロドロになるとさらに流れが悪くなり、血(けつ)の流れも妨げるようになります。

私自身、幼少期は胃腸が弱い子どもでした。生後半年で消化不良から入院したことがあったほどです。

子供の頃から、よくお腹を壊し自律神経から来る自家中毒にもなっていました。

なので、体は痩せていて小さかったのです(思春期には逆に太りましたが笑、これも脾が弱いため。)

栄養が吸収されず、十分に成長できないしパワーとなる気が作られず栄養である血(けつ)も作られにくい子どもだったのです。

三つ目はどろどろ血(けつ)

脾が弱いので、要らない水分は常に溜めています。
よく頭が痛くなり、その後生あくびが出て気分が悪くなり嘔吐したり、車酔いもしていました。

こんなベースの体質があったので、子供の頃の私は、むずむず脚症候群にもなったのですね。

ドロドロの要らない水分が血(けつ)の巡りも妨げると言いましたが、血(けつ)と関わる五臓の心の経絡の流れを妨げるのです。

つまり血(けつ)の流れもドロドロになると言うこと。

中医学で考えるむずむず脚症候群の原因は体の中に起こる「風」胃腸の働きが悪いことで溜めるドロドロの要らない水分、ドロドロの血(けつ)、専門用語で言うと風・痰・瘀血となります。

一度、脳神経内科を受診し漢方薬で体質を変える

むずむず脚症候群をそのままにしておくと、睡眠不足や集中力欠如などのQOLの低下だけでなく、他の病気に気づけないかもしれません。

むずむず脚症候群かも?と思ったら一度脳神経内科を受診してみましょう。

むずむず症候群なのかどうか診断されると適切な治療で早く解決できるかもしれません。

そして、もともとの体質が脾が弱かったり、脾を弱める食生活だったりしたら、その見直しのために漢方薬や薬膳を取り入れてみるのも選択肢に入れてみてはどうでしょう。

また、ストレスは五臓の肝を弱らせます。肝に不調があると次に脾が弱る法則があるので、ストレスを解消することも考えます。

まとめ

むずむず脚症候群は原因が今のところ特定できない神経系の病気です。
一度専門医を受診することをおすすめします。

その上で、中医学で考える体質から、今後の予防のためにも漢方薬を使ったり薬膳を併用することも考えてみてはいかがでしょうか。

「むずむず脚症候群」については近いうちに公式ホームページのブログにも薬膳的なおすすめの食材をピックアップしますね。

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