【SDGs】ヤングケアラー知っていますか?企業として、個人として私たちが学んだこと
ヤングケアラーという言葉を聞いたことがありますか?
ここ最近、随分とニュースなどでも取り上げられるようになったヤングケアラーと呼ばれる子どもたちや若者たち。
ヤングケアラーとは、慢性的な病気や障害、精神的問題などを抱える家族の世話や家事をしている18歳未満の子どもや若者のことです。
普通のお手伝いと何が違うのでしょうか?
それは、本来大人がすると推定されているような家事や家族の世話などを日常的に18歳未満の子どもたちや若者たちが担っているという事です。その責任や負担の大きさが、学業や友人関係、進学や就職などに大きく影響してしまう事が問題になっているのです。
ヤングケアラー講演会
常に、ニュースや新聞記事などをシェアしている、社会問題に敏感な弊社のSDGs推進チームのメンバーたち。「ヤングケアラーについて、もっと勉強したい!」そんな思いが、今年に入ってSDGs推進チームからも湧き上がってきました。ヤングケアラーと関わりの深いSDGsの目標は、目標3番と目標4番です。
そして、7月某日、SDGs推進チームの主催で、日本でヤングケアラーの啓発や支援体制の構築に奔走されてきた第一人者である社会学者の澁谷智子先生を薬糧開発本社にお招きし、講演をしていただけることになりました。
現在、成蹊大学文学部現代社会学科教授である澁谷先生は、日本におけるヤングケアラーの研究、 行政・自治体の調査や支援の枠組みをつくって来られたパイオニア的存在です。南魚沼市の調査に代表される自治体との連携やフィールドワークに基づくお仕事などが、多くのメディアでも度々取り上げられ、ヤングケアラー関連の著作も多数。
当日は、そんな多忙な澁谷先生を弊社にお迎えする事が叶い、全国の営業所のメンバーもzoomで参加しての熱血講演が実現しました。
澁谷先生は、私たち企業の人間にもわかりやすく、人口問題や相対的貧困などのヤングケアラーの増加の社会的背景について丁寧に解説して下さりました。
在宅福祉が奨励され、ケアを必要とする人が増えているのに、大人は外で働かなければならない状況のしわ寄せが子どもたちに行ってしまう背景もあることを理解した上で、ヤングケアラーの方達の実情を知ることは、この問題を私たち一人一人が自分ごとに引き寄せる最高の機会になりました。
元ヤングケアラーの社員の体験談などもシェアされ、当日に業務上参加できなかったメンバーも後から録画を視聴し、講演後に行われたアンケートでは大きな反響がありました。
私たちにできること
講演前は、きちんと理解したいけれど、食品会社である私たちが企業として直接出来ることは、限られているのでは、とも感じていました。
フードバンクへの寄付やフードドライブの推進(10月は特に神奈川県SDGsパートナーとして、食品ロス削減月間のフードドライブ活動の強化に取り組んでおります、そのお話はまた後ほど)など、間接的なものかもしれない…しかし、今回の講演を通してご教示いただいた「現代社会で家族のケアをする人をどう支えるかという仕組み」を作る事は、一つ一つの企業が取り組める事です。
そして、ヤングケアラーの問題を私たち一人一人が知ることで、本当に助けを必要としている若い人や子どもたちに気がついて、支援につなげてあげる事が出来るかもしれません。
「誰一人取り残さない社会を目指して」
SDGsの取り組みを通じての私たちの学びは続きます。
澁谷先生、素晴らしい講演を本当にありがとうございました!
澁谷先生から一言
「ケアする人をどう支えるか、という話を真剣に聞いて頂き、とても嬉しく思いました。
以前に比べて、一世帯あたりの人数が減り、共働きが増え、大人が家庭に使える時間も人手も減って「家族」が弱ってきている中で、子どもがそうした家族を支えようと頑張っていることもあります。
「働く人」は「家族をケアする人」でもあるという視点を持ち、ケアをしている人も働きやすい職場環境を作ることは、結果として、ケアを担う子どもや若者にとっての希望にもなっていくと思います。」
最後に
厚生労働省は2022年1月31日、ヤングケアラーに関するホームページ「ヤングケアラーって?子どもが子どもでいられる街に。」を開設しています。ヤングケアラーの現状や、相談窓口等を数多く掲載しているので、ヤングケアラー本人を支援につなげてあげる事ができます。
https://www.mhlw.go.jp/stf/young-carer.html
記事作成/薬糧note編集部 マンガノ
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