50年漬けた古漬!!おばあちゃんの陳年老菜脯
50年ものの陳年老菜脯。「菜脯」とは干し大根の漬物のこと。「陳年」は古いもの、長い年月を経たものということ。
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この写真の陳年菜脯は漬けてから50年も経った大根の古漬になります。
フェイのおばあちゃんから頂きました。
この貴重さはどこで探そうと、お金で買えるものではありません。客家の家で受け継がれる家宝そのもの。
客家民族では古漬が好まれると以前話しましたが、これは次元が違います。フェイのおばあちゃんが大きな甕で50年もの間大切に管理して、ほんの少しづつ食べている保存食。おばあちゃんの家の中で最も古い漬物です。
沖縄より南、あんなにも高温多湿の台湾で半世紀も食を保存することが出来る客家の伝統技術は本当にすごいことだと思います。
少し取り出しただけでも、部屋に広がる濃厚な古漬の香り。50年という長期発酵によって、大根の細胞は極限にまで分解されているのでしょう、口に入れた瞬間にじわ~っと溶けていくようなほどでした。味わいの濃密さ濃厚さは言葉に出来ないほどで、複雑で厚みがあって、はじめての感動で言葉を失いました。
塩漬け発酵と天日干しという工程そのものはシンプル。何も特別なことはしてないようにみえて、きっと細部に手間暇が宿っているのでしょう。
陳年菜脯は何の料理に使うかと言うと、
客家の家庭では主にスープに利用します(陳年菜脯とお湯のみでお茶の様に飲むこともあります)。一番定番の料理は"陳年菜脯雞湯"という鶏のスープ。この食材のことは、もはや薬としてというか、家族は口を揃えて漢方だといいます。体に良いものだと誰もが実感としてあるからだと思います。
スープに入れると長期発酵による重層的な風味と旨味が広がり、微かに醤油や味噌のような発酵調味料らしさ、そして酢のような酸も伴うので、他の味を足す必要が全く無く、そのままで良いと、簡素で純朴な引き算の料理になります。しかしながらどこまでも滋味深く、ほっとする味。
丸く優しい味わいは、
家族の為に愛情をかけて漬けた年月そのもの。
今日飲んだスープに、
「あぁ、これこそがまさに客家料理だね」
と二人で同意見。
おばあちゃんのお宝、
大切なものをありがとう!
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