【詩】退化
あたしにとって
最低限の機能だけ残して
あとはもう 削いでいいよ
それを退化というのだろう
進化のらせんから逃れたら
ふっと、こころが軽くなった
一日あたりのつくれる鉄の量が
少なくなっていく 斜陽の鉄工所
融解して どろどろになっていく
あたしにとって
最低限の昨日だけ残して
あとはもう 全部いいよ
それを退化というのだろう
淘汰された側から眺めたら
ふっと、こころが軽くなった
時がきたら
きみのとなりに埋めてくれ
花束はいらない だけど会いにきて
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