ついつい飲み食いが過ぎるこの季節、胃もたれ・消化不良にこの消化薬~薬剤師が本音でオススメする市販薬㉚
薬の専門家である薬剤師におススメの市販薬をセレクトしてもらうこのコーナー、今回は飲み過ぎ食べ過ぎによる原因もある胃もたれに効く「消化薬」です。
そういえばちょうど3年前のこの季節、このコーナーで同じように「胃腸薬」を取りあげましたが、あの当時はコロナ明けであまり忘年会・新年会を派手にやる空気じゃなかった気もしますが、今年はどうでしょうか?
世相も変わった感じもあります。
◎今回推薦してくれた5名の薬剤師(小豆田くら子/宇野さらら/日陰ましう/百里香ひかた/ゆきつばめ ※五十音順)
第一三共胃腸薬プラス細粒(第一三共ヘルスケア)
6種類の生薬と、炭水化物、脂肪を分解する酵素が配合されている。
メントールが配合されているので、スッと清涼感もある。どうしても粉薬が苦手という方には、錠剤も選べる。
(日陰ましう)
↓ 錠剤もあります
第一三共胃腸薬プラス(第一三共ヘルスケア)
脂肪を分解する「リパーゼAP12」と、タンパク質・糖質を分解する「タカヂアスターゼN1」の働きや漢方成分により食物の消化を助けます。胃粘膜修復機能、胃酸過多による胸やけ・げっぷなどの症状をおさえる効果もあります。また、乳酸菌を配合してるため、胃だけでなく腸の調子もととのえてくれます。
1回3錠1日3回服用
50錠 990円/ 180錠 1,980円/ 270錠 2,640円
(小豆田くら子)
パンシロン01錠(ロート製薬)
胃粘膜修復剤と消化酵素がバランスよく入っていること、ハッカ油やメントールが入っているので服用後のすっきり感があること。1日3回食後または食間、寝る前に3錠服用する錠剤が飲みやすい形状でること。45錠入り(5日分)770円という手に取りやすい金額。11歳から服薬可能です。
(宇野さらら)
新セルベール整胃プレミアム<錠><細粒>(エーザイ)
「新セルベール整胃プレミアム」は、胃粘液を増やし胃を守る成分「テプレノン」と、胃を動かす生薬「ソウジュツ」「コウボク」、消化酵素「リパーゼAP6」が、弱ってきた胃を守って元気な胃を取り戻します。錠剤と細粒があります。
従来より販売されていたセルベールの主成分「テプレノン」の増量に加え、消化酵素「リパーゼAP6」が加わっているためオススメ度up。
対象年齢15歳以上、1回1錠(1包)1日3回服用可。錠剤18錠入1,045円、36錠入1,980円、72錠入2,970円、細粒12包入1,100円、24包入2,145円(税込)。
(ゆきつばめ)
大正胃腸薬バランサー(大正製薬)
でんぷん、タンパク質、脂肪の消化を助ける3つの消化酵素、胃の働きを改善する5つの健胃生薬が配合され、消化不良や胃もたれを改善してくれます。清涼感のある、スーッとした服用感です。思うように食べられない感じやモヤモヤした消化不良のある方にオススメです。
12包 1,089円(税込)
(百里香ひかた)
胃もたれでつらい方へのアドバイス
胃もたれは、食生活の乱れや自律神経の乱れ、それ以外の原因など様々な要因によっておこります。
生活習慣を見直し、刺激物などを控えましょう。薬を1~2週間程度服用しても症状が改善しない場合や発熱や嘔吐・下痢を伴う、強い痛みがある場合、黒色便が出る場合などはすぐに病院を受診するようにしましょう。(小豆田くら子)
基本的に食べ過ぎや飲みすぎなどの暴飲暴食を控えることが大切です。年末年始などはどうしても会食の機会が増えてしまい、消化不良や胃もたれの症状に悩まされることもあります。おかゆなどを食べ、胃を休める日を持つことで解消されることもあります。
(宇野さらら)
消化不良の改善には、よく噛んでゆっくり食べる事、胃に食物が入っていない時間帯に適度な運動を行う事なども重要。
(ゆきつばめ)
胃は深夜から明け方にかけて日中に食べたものの残りや胃の老廃物を十二指腸へ送り出してメンテナンスをしているので、夕食に脂肪分の多いものをたくさん食べたり、寝る直前まで食べたりしていると胃のメンテナンスができないため、胃の不調が出てきてしまいます。なので、夕食は寝る3時間前までに終えておくことが良いとされています。
(百里香ひかた)
普段から腹八分目を心がける。
(日陰ましう)
監修者コメント
ちょっと前までは「忘年会で飲み過ぎて二日酔い」というお客様が多数来局されたイメージですが、最近はそこまで飲まないというか、忘年会自体も気の合った少人数でというような世相なんでしょうかね。でも、いつもよりは飲んだり食べたりする機会は増えていると思いますので、ほどほどにすること、消化酵素の配合された胃腸薬を利用することなどで忙しい時期を乗り切るといいですね。
昨年も「胸やけ」をテーマにしていました。(2023年12月公開)
3年前に公開したこちらの記事もどうぞ。(2021年12月公開)
<本稿の監修>
坂口眞弓
博士(薬学)。みどり薬局、みすじ薬局、ゆうま薬局代表(東京都台東区)著書に「ここが知りたかったOTC医薬品の選び方と勧め方(南江堂)」、「OTC医薬品の比較と使い分け(羊土社)」など多数。