3行短文 書き換え短歌
俵万智「サラダ記念日」より
本歌 : この味がいいねと君が言ったから七月六日はサラダ記念日
この味 いいねと あなたが 言うから
七月 六日は サラダの 記念日
明日も 言ったら 明日も 記念日
本歌 : 寄せ返す波のしぐさの優しさにいつ言われてもいいさようなら
寄せ返 す波の しぐさの 優しさ
いつでも 言われる 覚悟は できてる
さよなら 今日で 終わりに しようと
与謝野晶子「みだれ髪」より
本歌 : やわ肌の熱き血汐にふれもみでさびしからずや道を説く君
やわ肌 流れる 熱い血 血汐に
ふれても みないで さびしく ないのお
不倫は だめとか 口では 言うけど
本歌 : なにとなく君に待たるる心地して出でし花野の夕月夜かな
なんでか あなたが 待ってる 気がして
出てきた 花野の 夕月 の夜かな
静かな 夕べに あなたに 会いたい
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短歌の形式が「3行短文」だったとしたらという仮定での、型の転換です。「本歌取り」や「パロディ」では意味合いが違うので、なんと呼んでいいのかわからず、「書き換え」としました。
尊敬する歌人らの短歌で、そういう気持ちで書き換えました。本人らが、3行短文で本当に書いたら、また違ったものになるのだろうと思います。もし、短歌が「定型3行短文」だったら、そもそも、二人のこれらの歌は、生まれてなかったかもしれません。
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3行短文についてはこちらを。提唱者のzep0814 i理昭さんの記事です。
3行短文で書いてみる「やってみよう」企画についてはこちらを。発起人の、しめじさんの記事です。