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スーパーでの買い物はグルメチキンレース化するとめちゃくちゃ楽しい

私は家事が好きではない。

とりわけ、洗濯は「好きではない」を通り越して「苦手」なのだ。

脱水により絡まり合い、団子と化した洗濯物をそのままカゴへ突っ込み、毎回こぼれ落ちる靴下を拾う。
そして、その団子を上から順にほぐし、ピンチハンガーへ平行移動だけさせる時すらある。

だけどそれは、夫にバレている。

ある日、夫は私に2枚のタオルを差し出した。1枚はごわごわの固いタオル、もう1枚はふわっふわの、まるで新品のようなタオルだ。

ふわふわのタオルに感激する私に夫は、「これ、俺が干したタオル」とだけ言い残し、ニヤリと笑いながらすーっと姿を消した。

結婚当初から夫が洗濯物を1枚1枚丁寧に干す姿を何度も目にしてきた。夫に干される洗濯物たちは心なしか嬉しそうだ。

驚いたのは、洗濯機から取り出す時点で「バサッバサッ」とほぐし、ズボン、シャツ、小物類と分類した上でカゴの中に入れていることだ。

「え、分類するの面倒じゃない?」

「この方が何を干さなきゃいけないか分かるから後で干す場所が足りなくならないでしょ?」

確かに……!

干す場所が足りなくなって調整することが多い私

またある時は、裾がくしゃっとなったまま干されたズボンを、夫が生乾き臭から救う、という出来事があった。

そして一言、

「たまに裾がくしゃっとなってるから直してるよ、いちいち言うとやる気なくしちゃうでしょ?」


夫は私の性格を誰よりも理解している。


苦手なことは誰にでもある。そんなときは家族というチームメイトにサポートしてもらおうじゃないか。


そんな私でも集中力が一気に高まる家事がある、それは食材の買い物だ。

総務省の統計データによると2022年度の4人家族の1か月の食費の平均は84,143円です。

GoogleのAIより

我が家は4人家族。つまり、月10回買い物をするならば1回あたり8,400円、ましてや子どもが小さいので1回6,000~7000円には収めたい。

「絶対に、達成してやる…」

金額の上限が決まると、謎の闘争心がメラメラと燃え上がる。

買い物の前にまずは冷蔵庫の中身をチェック。
人参、玉ねぎ、牛乳、卵、納豆。これらは献立の汎用性を高めてくれる我が家の一軍食材だ。在庫が無くなる前にGooglekeepの買い物リストにメモする。

その他必要なものもGooglekeepに入力するが、この時点で献立は決めない。それが1回の買い物で予算をキープする秘訣だからだ。


ある時の買い物(済)リスト、漠然と書くのがコツ


マイバックならぬマイカゴを持参し、娘と車へ乗り込む。
with娘の買い物は時間との勝負、買ったものをバッグに詰める余裕はない。カゴだ!車があるならマイカゴ一択だ。

いざ、スーパーへ!

まずは野菜コーナー。「この食材を買おう!」と決めて行くときは、よっぽど献立が確定しているときのみ。
基本は葉物野菜、きのこ、トマト、人参、そして玉ねぎさえあればいい。その時々の旬と価格で選び、次のコーナーへ。

メインの肉や魚を選ぶ。
「広告の品」「本日のおすすめ」「98円均一」この言葉たちに吸い込まれ、3日分の食材をカゴに入れる。

牛乳は1度の買い物で2本。納豆、豆腐、その他Googlekeepにメモした食材をカゴに入れるたび、一つ一つリストから消して売り場をあとにする。


そしていよいよ会計の時。山盛りの買い物カゴからマイカゴへ、テトリスのように次から次へと積まれていく食材を眺めながら「今日は7000円だな」と、脳内で金額予想する。

すべての商品がマイカゴに収まった。


「7,354円」


画面に映し出される合計金額に一瞬ドキッとする。

あ、7,000円超えちゃった。


「5%引きしまして、6,986円です」


今日も、勝った…

予想金額内に収めたときの達成感たるや。


そう、私は子育て応援デーに買い物すると決めている。一瞬7,000円を超した合計金額も子育てパスポートがあれば5%引きになるのだ。イオン系列ならば「20日30日、5%OFFはつーかさんじゅーにっちごぱーせんとおっふ♪」を狙い撃ち。

毎回200~300円の値引きにこんなにも躍動し、1人ゴチになります状態で買い物している客はきっと私だけだろう。

設定金額内で買い物をするワクワクと結果発表(お会計)のドキドキは家事を家事と思わせぬエンターテイメント性があるのだ。

私の中で、買い物は家事ではなく、もはやグルメチキンレース。

苦手な家事もエンタメに変えてしまえば好きになるのかもしれない。

洗濯はやっぱり好きになれないけれど、「何回バサバサしたらふわっふわに仕上がるか検証するか」と、実験しながら向き合ってみたらほんの少し楽しくなるかもしれない。

いや、やっぱり嫌なものは嫌かもしれない。

こんなことを考えながら、家事する自分を少し上から見下ろして「くだらな!」と鼻で笑い、肩の力を抜くのがきっと家事が好きになる一番の秘訣なのだと思う。

(1991文字)


この記事は本田すのうさんの私設コンテスト「#私も家事が好きになる」の応募作です。

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やきいも
心が動いた瞬間をエッセイに。2024年11月に会社員生活を卒業した2児の母。プリキュアにハマるセーラームーン世代です。

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