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エシカル評価の時代へ|エシカル消費と認証マークの説明

謝辞
文中や図画へ貼られているURLは、勉強するために拝読した記事です。本内容は、それらの記事を引用しながら加筆修正しまとめたものです。筆者の皆様には感謝申し上げます。

エシカル消費とは

エシカル(倫理的・道徳的)消費とは、地域の活性化や雇用などを含む、人・社会・地域・環境に配慮した消費行動のことです。
私たち一人一人が、社会的な課題に気付き、日々のお買物を通して、その課題の解決のために、自分は何ができるのかを考えてみること、商品やサービスの裏に隠されたストーリーに思いを巡らせてみること、人・社会に配慮された商品を見つけて、選んで購入することで、より多くの人が持続可能な生活を送れるようになります。これがエシカル消費です。

エシカル消費でどんなことが応援できるのでしょうか

商品・サービスを選択するときその商品は、誰がどこで作り、お店までどのように運ばれてきたのでしょうか。地球環境に優しいか、人の暮らしを守って作られているかなど、調べてから選びましょう。また、買わないという選択もエシカル消費です。

買い物をするとき
必要な人が他にもいることを想像して、必要な分だけを買うようにしましょう。お店の人に商品のことなどを聞くときは、相手の状況を考えて気持ちの良い態度で接しましょう。

買ったものを使う・処分するとき
世界では、人口の増加や気候変動の影響で、資源の枯渇が心配されています。一度使用した後もシェアやリサイクルなどをして、資源を大切に長く使いましょう。

シーン別エシカル消費とは

働く人たちの生活や環境を守る
身近な商品の中にも、海外の児童労働によって生産されているものがあります。児童労働とは、子どもの教育や健康的な成長を妨げる、法律で禁止されている子どもの労働をいいます。児童労働は低所得国に多く見られます。児童労働が行われると、学校に行って教育を受けることが出来ません。

く国際フェアトレード認証ラベル>
適正価格の保証により、生産者や労働者の生活改善や自立につながる商吊に与えられる認証マークです 。途上国で作られた商品を適正な金額で買うことにより、罠園などで働く人たちの生活の支援につながります。

森と森に住む動物を守る
ノートやティッシュなどの紙製品は木から作られています。必要だからといっ てどんどん切ってしまうと森林が減少し、動物たちが住めなくなってしまいます。森を守ることは動物や人間の命を守ることになります。森林にはCO2 熱を吸収したり水を循環させる役割があります。また洪水や土砂崩れを防ぐ役割もあります。

<FSC®マ ーク>
きちんとした森の管理につながる木や紙の製品につけられるマークです 。
このマークがついている商品を質うことで森林を守ることにつながります。

熱帯雨林とそこに生きる動物を守る
熱帯地方に育つアブラヤシは、食品や化粧吊、洗剤など世界で一番多く使われている植物油です。パーム農園を作るために野生動物の生きる揚所を奪っています。伐採による熱帯林の減少は希少野生動物の生息域を奪うことになり、生物多様性にも影響があります。

<RS PO 認証マーク>
長く続けられる方法で育てられたアブラヤシから作られたパーム油の製吊につけられるマークです 。

水産資源や環境を守る
今、世界の海の魚の34%が獲りすぎ、60%がもうすぐ限界と言われ、獲っても大丈夫な魚は 6%しかいません。また、世界の魚の量は1970年頃から、ほぼ半分になってしまったというレポートもあります。このままでは、将来魚が食べられなくなってしまうかもしれません。魚を獲りすぎると海の生態系を壊すことにもつながります。陸と同じように海の生き物や環境にも配慮する必要があります。

<MSC「海のエコラベル」>
魚を獲りすぎないようにルールを守っている商品に付けられるマークです。このマークの付いた商品を買うことで海の環境や魚を守ることにつながります。

大量生産、大量消費、大量廃棄の生活を見直す
私たちの暮らしから出たプラスチックなどのこみは、適切に処理されないとやがて海に流れ込み汚染します。それは時間が経つにつれ割れたり裂けたりして魚が飲み込む可能性がありま す。食物連鎖により人間の身体にも悪影響が出るかもしれません。豊かな暮らしと言われてきた大量生産、大量消費、大量廃棄の生活は海洋プラスチックの問題など環境に悪影響を与えました。私たちが買物の仕方を考えることで環境に与える影響を少なくすることができます。

くプラスチックこみを削減するために>
日本では 1 年間に 9.4 百万トンのプラスチック廃棄物が生じていますが、約 57% を焼却により熱回収し、リサイクル率は24.8%となっています。
各省庁、業界団体、企業、自治体、NGO、など幅広い主体の積極的な取組を情報発信し、更なる促進を目指すことを目的としてプラスチックスマートキャンペーンを行っています。 “プラスチックとの賢い付き合い方”を共有することで、使い捨てプラスチック の削減につながることが期待されます。

地球の資源、環境を守る
地球の資源には限りがあります 。私たちは商品を買って使う時から捨てる時まで考える必要があります。例えばエコマークの付いたボールペンはリサイクルによって作られています。このような商吊を選ぶことは、こみを減らし資源を節約することにつながります。

くエコマーク>
商品を作るときや使うとき、使った後も環境のことを考えて作られた商品に付けられるマークです。エコマークの周りに文字でどのように環境に配慮しているかを表示している商品もあります。

2015年9月に国連で採択された持続可能な開発目標(SDGs)の17のゴールのうち、特にゴール12に関連する取組です。

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エシカル消費普及・啓発活動|消費者庁
一般社団法人エシカル協会
一般社団法人日本エシカル推進協議会
一般社団法人日本サステナブル・ラベル協会
食品ロスポータルサイト|環境省
プラスチック・スマート|環境省
あふの環2030プロジェクト|農林水産省
食品ロス削減|消費者庁

「エシカル消費ってなぁに?」[PDF:2.7MB]|消費者庁
「みんなの未来にエシカル消費」[PDF:3.4MB]|消費者庁

「地元生産加工商品」や「就労支援商品」はなぜエシカルになるのか

【わかる、えらぶ、エシカル#7】地域経済や働き手を応援できる。 「地元生産加工」「就労支援」商品を買おう

1. 地域経済を活性化できる
地域内で生産加工を行えば地元で循環するお金を増やすことができ、地域経済の活性化につながります。

2. 地域の雇用を創出できる
地域で生産や加工を行えば、その地域に仕事が生まれ、雇用の創出にもつながります。地域での雇用創出は人口減少緩和や、都市一極集中を回避するために必要な課題であり、地元生産加工品を選ぶことはこうした地域の問題解決の糸口にもなります。

3. 温室効果ガスを削減できる
一定の地域内で生産や加工を行う場合、モノの移動距離が短くなるため、輸送や保冷などにかかるエネルギー量が減り、地球温暖化の要因になる温室効果ガスの発生を減らすことができます。日本全体のCO2排出量のうち、自動車などの運輸部門によるCO2排出量が約17%を占めまるため、決してあなどれる数字ではありません。
インターネットを通じて購入する際も、販売場所が遠い場合は手元に届くまでに温室効果ガスが発生してしまうこともあります。遠い地域の商品を選ぶ際は故郷や被災した地域などとともに、輸送時の温室効果ガス排出も考慮して応援したい地域のものを選ぶと、よりエシカルな選択ができそうです。

4. 障がい者などの雇用機会を創出できる
就労支援商品を選ぶことは、病気や障がい、いじめ、不登校などによって社会生活を営むのが難しくなった人たちが、社会復帰をはかり、収入を得たり、社会に参画したりする機会の創出につながります。
障がい者の場合、2018年に事業主に対して障害者の雇用を義務づける「障害者雇用促進法」が改正され、身体障害や知的障害に加えて、発達障害などを持つ精神障害者も対象になったものの、雇用機会は少なく、パートタイムなど非正規雇用が多い上、賃金も低いのが現状です。就労支援商品の購入はこうした問題解決の大きな力になります。

日本の代表的な認証マーク

有機JAS認証|オーガニック

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生産者が有機の基準に基づいて生産したものであることを、第三者機関が証明する。これが有機認証です。
 日本では平成11年にJAS法に基づき、有機食品の検査認証制度(有機JAS制度)が創設され、統一の基準が決められました。国際基準に合わせて始まったこのシステムですが、有機(オーガニック)に対するニーズの高まりから、現在は食品以外の分野にも広がってきています。オーガニック認証センター(OCC)では、ニーズに対応し、オーガニックなライフスタイルを提唱するために、有機JAS制度以外の分野についても独自のOCC認証として、有機認証を行っています。
NPO法人有機農業認証協会
有機JAS認証事業者一覧|農林水産省

有機農産物と有機加工食品の生産方法の基準
有機農産物

・堆肥などで土作りを行っている
・水耕栽培やロックウール栽培ではなく、土壌を用いた農業生産を基本とする
・環境への負荷をできる限り低減した生産方法
・種まき、または植え付けの前2年(多年生の場合は3年)以上、禁止された農薬や化学肥料を使用していない
・遺伝子組換え技術を使用しない

使用可能資材については、有機JAS資材評価協議会の資材リストを参考にしてください。リスト以外の資材については、有機登録認証機関にお問い合わせください。

有機加工食品
・物理的または生物の機能を利用した加工方法を用いる
・化学的に合成された食品添加物および薬剤の使用を避ける
・原材料は、水と食塩を除いて、95%以上が有機農産物・有機畜産物・有機加工食品であること
・遺伝子組換え技術を使用しない

輸入有機食品の表示
有機JAS制度は、輸入食品も対象

・輸入された有機農産物および有機加工食品を日本国内で「有機」として取り扱うには、有機JASマークが必要(他国の有機認証マークがあっても、有機JASマークは必要です)
・輸入業者の認証基準に適合し、認証された事業者だけが輸入食品に有機JASマークを付けることができる
・輸入業者には、受入保管施設(有機JASマークを貼付する施設)が必要

伝統工芸品

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「伝統的工芸品」とは、地域の気候や風土の恵みを生かしながら、長い間育まれた技術を使って伝承されてきたものです。
・主として日常生活の用に供されるもの
・その製造過程の主要部分が手工業的
・伝統的な技術又は技法により製造されるもの
・伝統的に使用されてきた原材料が主たる原材料として用いられ、製造されるもの
・一定の地域において少なくない数の者がその製造を行い、又はその製造に従事しているもの
上記5つの項目を全て満たし、伝統的工芸品産業の振興に関する法律(昭和49年法律第57号、以下「伝産法」という)に基づく経済産業大臣の指定を受けた工芸品のことをいいます。

『伝統工芸品』伝統マーク&指定の要件
【わかる、えらぶ、エシカル#13】昔ながらの知恵と技術が日常に溶け込む。「伝統工芸品」を買おう

伝統工芸品を選ぶことはなぜエシカルなのか
1. 天然の素材が原料となっている

昔は、プラスチックなどの人工的な化学物質はありませんでした。そのため、多くの伝統工芸品は竹や木、石、鉄、綿や絹などの天然素材からつくられています。例えば漆は、木、漆と土、そして織物は綿や麻、絹といった天然の繊維が原料となっており、いつかは「土に還る」ことができるものです。
2. 地域の資源を使いながら生態系のバランスを保つ
伝統工芸の原材料となる天然の素材は、収穫後に、再び育てるためにはある程度時間がかかります。そのため、近代の工業製品とは違い、伝統工芸品の生産スピードは、素材の再生スピードに合わせてつくられ、地域の資源を使いすぎないバランスを保っているのです。
また、環境を守りながら伝統を受け継ぐ取り組みがあります。たとえば、国指定の伝統工芸品である秋田の「大館曲げわっぱ」や長野の「南木曽ろくろ細工」は、それぞれ曲げわっぱの森、そして南木曽伝統工芸の森という森があり、植樹や森の整備など、原木の育成を進め、森林を守る取り組みがなされています。
3. つくる際に多くのエネルギー資源を使わない
一部の制作工程に機械を導入している場合もありますが、伝統工芸品の製造はほとんどが手作業のため、工業製品と比べ多くのエネルギーを使いません。エネルギーをつくるには発電をする必要があり、発電の段階では温室効果ガスが排出さます。つまり、多くのエネルギーを使わないということは、温室効果ガスの排出が少ない点も特徴の一つです。
4. 修理できるものが多い
伝統工芸の多くは修理を繰り返しながら長く使うことができます。例えば、桐箪笥(きりたんす)は頑丈につくられているため、古くなっても表面を削り直せば長く使い続けることができます。また、漆は剥げたり、欠けたりしても何度も修復できます。他にも、ひな人形などの伝統的な人形の修理や修復を受け付けている職人集団もいます(*4)。このように、修理しながら長く大切に使うことこそ、エシカル消費の原点と言えるのではないでしょうか。

エコマーク|環境保全

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エコマークは、様々な商品(製品およびサービス)の中で、「生産」から「廃棄」にわたるライフサイクル全体を通して環境への負荷が少なく、環境保全に役立つと認められた商品につけられる環境ラベルです。このマークを活用して、消費者のみなさんが環境を意識した商品選択を行ったり、関係企業の環境改善努力を進めていくことにより、持続可能な社会の形成をはかっていくことを目的としています。
<対象となる商品例>文具や家具、ファッション製品、日用品、家電、飲食店やホテルなどのサービスなど

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フェアトレード認証マーク

国際フェアトレード認証

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フェアトレードの明確な基準を設定し、それを守った製品にラベルを貼付して分かりやすく伝え、フェアトレードを広めていこう、として誕生したのが、フェアトレードのラベルのしくみです。
国際フェアトレード認証ラベルは、その原料が生産されてから、輸出入、加工、製造工程を経て「フェアトレード認証製品」として完成品となるまでの各工程で、国際フェアトレードラベル機構(Fairtrade International)が定めた国際フェアトレード基準が守られている事を証明しています。

フェアトレードとは・意味
【わかる、えらぶ、エシカル#4】生産者の暮らしを守る。「フェアトレード」商品を買おう
バナナ繊維の配合率とWFTO認証ラベル

英語で「公平貿易」「公正取引」といった意味のフェアトレード。「オルタナティブ・トレード」と呼ばれることもある。食品から手作りの服、アクセサリー、カバンまでさまざまな製品を、生産者の労働や生産に見合った価格で、対等に取引しつづけることで、とくに開発途上国の生産者の労働条件や生活の向上をはかるものです。
環境に優しく、生産者の暮らしの改善や自立を実現するために、生産者と購入者の間で商品が適正な価格で売買されること。途上国を中心に生産者が買いたたかれ、貧困に陥ってしまう問題があったことから、現在では、世界的な取組として広まってきています。

フェアトレード商品を選ぶことは、なぜエシカルになるか。
途上国の人に関わる部分として、以下のような点があげられます。
1. 途上国の人々の自立を促せる
取引の際の最低価格を保障しており、国際市場価格が暴落しても、生産者の生活を守ることができるという点が、一つ目のエシカルなポイントです。また商品代とは別にフェアトレード・プレミアムという費用が生産組合に支払われ、地域の保険医療や教育、インフラ整備に使われます。
2. 児童労働を減らすことができる
世界で約1億5000万件と推定される児童労働は、子どもたちの教育の機会を奪うだけでなく、健康被害にもつながっています。子どもたちは、カカオやコットンなど農産物の農場、鉱山、工場などで、ときには危険で有害な労働環境で働かされています(*3)。フェアトレードを選べば、子どもたちの未来を奪う児童労働の撲滅を応援することにもつながります。
3. 働く人の誇りを生み出す
緊急時であれば資金援助も重要ですが、ずっと援助されるだけの状態では自立につながらないばかりか、人は自信を失ってしまいます。その点、フェアトレードは、仕事を通して支援するため、生産者の自信や誇りを生み出していくことができます。

森を守る認証マーク

FSC認証

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FSC(Forest Stewardship Council®、森林管理協議会)は責任ある森林管理を世界に普及させることを目的とする、独立した非営利団体であり、国際的な森林認証制度を運営しています。環境保全の点から見ても適切で、社会的な利益にかない、経済的にも継続可能な森林管理を理念とし、森林が急速に破壊されている状況を背景に、1994年、環境団体、林業者、林産物取引企業、先住民団体などが中心となって設立されました。
責任ある森林管理から生産される木材とその製品を識別し、それを消費者に届けることで、責任ある森林管理を消費者が支える仕組みを作っています。FSC認証は、多くの消費者、環境団体、企業などから支持を集め、世界で最も信頼度の高い森林認証制度として国際的に知られています。
<対象となる商品例>家具などの木材製品やノートなどの紙製品

森を守るマーク 森林認証制度FSC®について

PEFC森林認証|SGEC認証
本部をスイス・ジュネーブに置く、世界最大の森林認証制度。厳格な国際基準に従って管理されていることを、独立した専門家によって検証された森林に由来する商品につけられる。
PEFC森林認証との相互認証のもと、日本の森林の自然的・社会的立地に即して、持続可能な森林経営を実現するための国際性を持った基準。

RSPO認証

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世界自然保護基金(WWF)を含む関係団体が中心となり、2004年に設立された国際NPOです。世界的に信頼される認証基準の策定と、ステークホルダー(利害関係者)の参加を通じ、持続可能なパーム油の生産と利用を促進することを目的としています。組織は、パーム油産業をめぐる7つのセクターの関係者(パーム油生産業、搾油・貿易業、消費者製品製造業、小売業、銀行・投資会社、環境NGO、社会・開発系NGO)の協力のもと運営されています。


レインフォレスト・アライアンス認証

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レインフォレスト・アライアンス認証は、厳しい環境・社会・経済の基準を満たした農園に与えられる認証です。認証マークが付与された製品は生産者が自然資源や環境を保護し、より持続可能で気候に配慮した農業慣行によって栽培されていることを意味します。

森林:樹木が生立する森林を保護し、森林内への耕作地の拡大を阻止し、樹木と土壌と水路の健全性を育み、自然林を保護するための、優れた慣行を推進します。
気候:温室効果ガスの排出を加速させる森林破壊を回避しつつ、炭素貯留を増加させる、責任ある土地管理方法を推進します。気候変動に対応した慣行は、干ばつや、洪水、侵食に対する生産者の回復力の形成に役立ちます。
人権:児童労働、強制労働、劣悪な労働環境、低賃金、ジェンダー不平等、および先住民族の土地権の侵害に対して、査定と対処を行います。
生活水準:生態系の健全性と農村コミュニティの経済的安定性は相互に依存し合っています。農村の人々を貧困から抜け出させるために、小規模生産者と森林コミュニティに対して持続可能な生計の機会を普及させることが大切です。

海を守る認証マーク

このマークがついた魚なら大丈夫!「MSC/ASC」を知り尽くす7つの視点
【わかる、えらぶ、エシカル#14】たくさんの恵みを与えてくれる母なる海。海を守る商品を買おう

MSC認証

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MSC(Marine Stewardship Council:海洋管理協議会)の厳格な規格に適合した漁業で獲られた持続可能な水産物にのみ認められる証、それがMSCラベル、通称「海のエコラベル」です。
<対象となる商品例>魚やカニ、エビ、貝類などの水産物

ASC認証

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水産養殖管理協議会(ASC)は、WWF(世界自然保護基金)とIDH (オランダの持続可能な貿易を推進する団体)の支援のもと、2010年に設立された、独立した国際的な非営利団体です。 ASCの責任ある養殖水産物のための認証とラベリングの制度が世界をリードするものになることを目指しています。養殖場設置の際の環境破壊、生態系の撹乱(かくらん)、餌や薬物投与による海洋汚染といった環境への負担を減らし、地域社会にも貢献する養殖業に与えられる認証。
<対象となる商品例>サケ、ブリ、カキ、タイ、海藻など12種類

オーガニックの認証マーク

オーガニック

【わかる、えらぶ、エシカル#5】人にも自然にも優しい。「オーガニック」商品を買おう

オーガニックは日本語で「有機の」という意味で、化学合成された農薬や殺虫剤、肥料や添加物などに頼らず、自然の力を大切にして生産されたもの、またそれらを使って加工されたものを意味します。
この他にも、遺伝子組み換えの不使用やアニマルウェルフェア(動物の福祉)、児童労働の禁止や経済格差の解消など「社会的公正」といった要素を含む場合もあります。対象となる商品の幅も広く、農産物や畜産物、それらの加工品、化粧品や養殖魚などにも使われています。

オーガニック商品を選ぶことはなぜエシカルなのか。
1. 食べる人、使う人、つくる人の健康を守る

はっきりとわかっていないことも多くありますが、化学物質が体内に蓄積した場合、人体に影響を及ぼす可能性があります。農薬や添加物など、化学物質の使用により、農作物の生産者の方が健康被害を受けてしまうだけでなく、化学物質を使用して育てられたものを食べるわたしたち自身の体にも影響が起こりかねません。オーガニック商品を選ぶことで、体内に入る化学物質の種類や量を減らすことができます。オーガニック商品は食べる人、使う人だけではなく、つくる人の健康を守ることにもつながるのです。
2. 健全な土を守る
土の中には、ミミズなどの生物、カビや細菌などの微生物が1gあたり100万~1000万もいると言われています(*3)。彼らは、落ち葉や動物の糞尿を分解し、植物に必要な栄養素をつくりだすなど重要な役割を担っています。しかし、化学合成された農薬が使われると、これらの生物は死んでしまいます。その結果、植物は必要な養分をとることができなくなり、病気に弱くなり、ますます農薬や肥料が必要な状態に陥ってしまいます。オーガニック商品を選べば、土の中にいる生物や、健全な土を守ることにつながります。


GOTS認証

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オーガニック繊維で作られた製品のための基準。
GOTSのラベルには、「Organic」=製品の95%以上が認証されたオーガニック繊維、「Made with Organic」=製品の70%以上が認証されたオーガニック繊維を使用したもの、の2種類がある。Organicでは5%未満、Made with Organic では30%未満で使用可能なオーガニック繊維以外の天然繊維と化学・合成繊維についても規定されている。対象となる繊維製品は糸や生地などの中間製品から、衣服、アクセサリー、ホーム・テキスタイル、ベッド用品、パーソナルケア製品までを含み、広い意味での繊維製品をカバーする。
GOTSは認証のための要件を明確に示した総合的な基準であり、「認証された原料とそのトレーサビリティー」「ケミカルの使用について禁止と制限の規定」「分離と識別」「環境管理」「残留物の限界」「社会的規範」などから構成されている。GOTSには有機農業の基準はなく、使用するオーガニック原料は、IFOAM(国際有機農業運動連盟)が認めた有機農業の基準で認証されている事が求められる。それは、EUや米国、インド、中国などの国定基準が該当する。また、認証されたオーガニック・イン・コンバージョン(有機転換期間中)の原料の使用も認めている。

NATRUE認証

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「NATRUE」は自然・オーガニック化粧品に関する厳格な基準の維持を目的として2007年に設立された、ベルギー・ブリュッセルにある国際的な非営利団体です。設立以来NATRUEは現在のヨーロッパの自然化粧品市場において大きな役割を果たし、約130ブランド、3000の製品が認証を取得しています。自然の美しさを守り、そこから生まれる高品質のスキンケア製品の認知を促進するという目標から、NATRUE認証は高い基準を持ち、NATRUEラベルは、自然化粧品市場における消費者からの信頼を得続けています。

ECO CERT認証

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「有機」や「オーガニック」と表示された商品が増えつつあります。化学合成農薬や化学物質に頼らずに、自然の力で生産された有機・オーガニックの品質を保証する有機認証機関です。フランスに本部を置き、認証取得件数は世界有数の実績を誇ります。米や野菜の農産物をはじめ、農産物加工食品、環境に優しい有機栽培製品、化粧品、コットンなど、幅広い有機認証を取り扱っています。あらゆるモノ・コトのグローバル化が進む今、有機認証も世界基準の安心と品質が求められています。日本国内だけでなく、世界でも通用する有機認証の提供で、皆様のワールドワイドな有機ビジネスをサポートいたします。

アニマルライツ認証マーク

Leaping Bunny

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欧米を中心に、関心が高まっているキーワード、クルエルティーフリー(Cruelty free)。残虐性を持たない、動物実験をしていないことを意味しています。化粧品などは化学物質を使っているため、動物実験がつきものですが、それをなくして動物の福祉や権利を重視する動きから、クルエルティフリーは注目を浴びています。

その他の認証マーク

ヴィーガン認証

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The Vegan Society(ヴィーガン協会)というイギリスで創設された団体が認証を行っているエシカルマークです。化粧品、お酒、大豆ミート、シャンプー、麺類など食に関わる商品、動物性の素材や成分を一切使わないあらゆる製品にヴィーガン認証は付与されています。

エシカルに関連する言葉

アップサイクル

アップサイクルとは・意味
わかる、えらぶ、エシカル#1】思わずストーリーを話したくなる。「アップサイクル」商品を買おう

本来であれば捨てられるはずの廃棄物に、デザインやアイデアといった新たな付加価値を持たせることで、別の新しい製品にアップグレードして生まれ変わらせること。捨てられる予定だった廃棄物を、デザインやアイデアによって、別の新しい製品に「アップグレード」して生まれ変わらせることです。「原料」に戻すのではなく、元の製品の「素材」をそのまま生かす点が、単純な「リサイクル」と異なります。Tシャツから雑巾を作ったり、ペットボトルからアスファルト舗装を作ったりといったリサイクルは、「ダウンサイクル」と呼ばれます。ダウンサイクルは元の製品よりも価値や質が下がり、いずれはゴミとなる継続性のないリサイクルです。これに対し、「アップサイクル」はデザインやアイデアを加えることで、元の製品の特徴を生かしつつ、より価値の高いものを生み出す点がポイントです。

アップサイクルはどのような点がエシカルなのか
1. 自然界から資源を新たに取らない

まずは、すでに人類が使用している資源を大切に使えるという点です。自然界にある資源を新たに取らないという点で、地球環境に対してとてもエシカルです。
2. 廃棄物削減につながる
本来であれば捨てられてしまうものを活用しているため、廃棄物削減につながるという点です。大量の廃棄物は人類の大きな問題です。アップサイクル商品を買うことで、廃棄物削減に貢献できます。
3. 素材に分解するエネルギーを必要としない
最後に、原料に戻したり素材に分解したりするエネルギーが使われていないという点です。素材をそのまま生かしてリサイクルされているため、とても環境に優しいのです。

リサイクル

【わかる、えらぶ、エシカル#2】生まれ変わりの可能性に驚く。「リサイクル」商品を買おう

「リサイクル」は、使い終わったものをもう一度資源に戻し、製品を作ることです。古紙やアルミ缶、ペットボトルなどのリサイクルが有名ですが、他にも消防ホースや宇宙ゴミのリサイクルなどもあります。あらゆるものがリサイクルの対象になっています。
リサイクルは一度資源に戻した上で新たな製品を作ります。その過程で、アップサイクルよりはエネルギーを使用してしまうという問題点はありますが、一度資源に戻す分、生まれ変わる物の可能性が広がります。アップサイクルやリユース(再利用)ができないものについては、リサイクルして新しい製品として活用することが有効といえます。

リサイクル商品を選んで使うことは、どのような点でエシカルなのか
1. 資源を無駄にしない

使える資源を無駄にしないということが、一つ目のエシカルなポイントです。すでに人類が使用している資源を再利用すれば、製品の原料として使われる新たな資源を節約することにつながります。
2. リサイクルの輪を強化することにつながる
古紙やプラゴミなど、さまざまなものが回収されリサイクルされるようになりましたが、リサイクル商品が実際に活用されなければ意味がありません。リサイクル商品を積極的に選ぶことで、今のリサイクルの流れをより強化させることができるのです。
3. エネルギー使用量を抑えられる
最後に、新たな資源から同等のものを作る場合と比べて、エネルギー使用量を抑えられるという点が挙げられます。また、ゴミをリサイクルせずに燃やしたり埋め立てたりする際にもエネルギーを使用し、温室効果ガスが発生します。これらのエネルギー消費を抑えられる点が、リサイクルのエシカルな点です。

脱プラスチック

【わかる、えらぶ、エシカル#3】環境にも体にも優しい選択肢。「脱プラスチック」商品を買おう

プラスチックの利用をやめることを意味します。プラスチック製品やビニール袋の使用をやめること、プラスチック製品を代替素材の製品に切り替えることが、脱プラスチックの行動として挙げられます。

プラスチックの利用を減らすことは、どのような点がエシカルなのか
1. 海洋プラスチックごみの問題解決に貢献

上でお伝えしたように、海洋プラスチックごみの問題が深刻ですが、プラスチックの利用を減らせば、こうした影響を軽減できます。
2. 温室効果ガスによる気候変動への影響を緩和
プラスチックの原料は石油です。プラスチック由来の温室効果ガス排出は、2014年の1%から2050年には最大で15%にまで増えると予測されています。プラスチックの利用を減らせば、温室効果ガスの削減にもつながります。
3. 生物に害のある化学物質の接触を減らす
プラスチックをつくる際には、用途に合わせてやわらかくしたり、硬くしたり、発泡させたりするため、生物に害があるとされるさまざまな化学物質が使われています。脱プラスチックは、こうした化学物質による健康への影響を減らせます。

ゴミ削減

【わかる、えらぶ、エシカル #10】捨てないことで未来の地球を守る。「ごみ削減」につながる商品

ごみとして捨てられるものの多くは、資源から作られているからです。ビニール袋であれば石油、服であれば綿や麻といった植物、紙であれば木材、缶であればアルミや鉄などの鉱物といったように、全てなにかしらの資源を使って作られています。ごみを捨てるということは貴重な資源を捨てているということになります。
資源の無駄づかいは、例えば森林の伐採が進むことで生物の多様性が破壊されたり、ごみを燃やすことで出る二酸化炭素が気候変動を促したりしてしまうなど、環境問題にもつながることを踏まえると、ごみ問題の影響は大きいといえます。
他にも最終処分場、つまりごみを燃やした後の埋立地の容量に関連した問題もあります。環境省によると最終処分場の残余年は約20年しかなく、このままごみを燃やし続けると、埋め立てる場所がなくなってしまいます。
今後はますますごみを減らしていくことが重要になっていきますが、特に、プラスチックごみは海に流れ込むと、小さく砕かれ、それを魚や鳥が食べてしまうことで、傷ついたり命を落としたりすることがあります。こうしたプラスチック(マイクロプラスチック)は、今や東京湾からも簡単に採取されるほどになっていて、プラスチック汚染は深刻な状況です。

なぜごみ削減につながる商品を選ぶことはエシカルなのか
1. 有限な資源を守る

ごみ削減につながる商品を選ぶことは、資源の使用量を減らすことを意味します。多くの資源は長い年月をかけて地球上で生まれますが、今のペースで使い続けてしまうといずれなくなってしまう有限なものです。手元にあるものを長く使うことや、必要な人に行き渡らせることで新たな製品を作る必要がなくなります。
2. 気候変動の抑制
多くのごみは、焼却炉に運ばれ、燃やされます。ごみを燃やす際には二酸化炭素が多く排出され、これらが今深刻化している地球温暖化や気候変動を引き起こす原因になっているため、ごみを減らすことができれば気候変動の抑制につながります。また、土地を切り開いて埋め立て処分場を増やす必要もなくなり、森林の保護や開発を減らすことができます。
3. 生物多様性の保護
先ほど紹介したように地球上にある資源の過剰利用やごみを焼却して排出される二酸化炭素、そしてごみの埋め立て地の問題など、ごみをめぐる問題は多岐にわたります。ごみを削減する意識を持つことで地球の資源を守り、環境破壊を防ぐことが可能になります。環境を守ることで、結果的に自然界に生息する動植物の多様性の保護に貢献することができるのです。

フードロス

【わかる、えらぶ、エシカル#12】楽しみながらムダをなくす。 「フードロス削減」につながる商品を買おう

事業者から出るフードロスには、規格外の品や返品された食材、売れ残り、商品の入れ替え、容器包装の破損などさまざまな要因があります。もう一方の家庭から出るフードロスは、野菜などの皮を分厚くむいて捨ててしまう「過剰除去」が55%、「食べ残し」が22%、そして賞味期限・消費期限切れによる「直接廃棄」が18%を占めています。
わたしたちは非常に多くの食料を廃棄していますが、日本国内で消費される食料のうち、国産のものが占める割合(食料自給率)はカロリーベースで約38%しかありません。

フードロス削減につながる商品を選ぶことがエシカルなのか
1. 資源を節約することができる

食べ物をつくり、運び、売るためには水やエネルギーなど多くの資源を使います。まだ食べることができる状態の食べ物を捨てるということは、生産や加工、運搬に使った貴重な資源を無駄にしていることを意味します。さらに、ごみになってしまった食べ物を処理する際にも、運んだり燃やしたりするためにエネルギーが必要なため、廃棄物を減らすことで資源の使用を抑えることができるのです。
2. 気候変動対策に貢献できる
フードロスのような資源の無駄遣いは、世界的に問題となっている気候変動ともつながっています。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)によると、二酸化炭素など地球を暖める働きを持つ「温室効果ガス」の排出量のうち、フードロスに由来するものは全体の10%にものぼるとされています。このように、フードロスを減らすことは資源の無駄を減らし、気候変動をはじめとする環境問題の深刻化を緩和することにつながります。
3. 家計や生活の手助けになり得る
多くの食品会社は、買われる量以上の食品をつくり、売れ残った分は捨てています。つまり、食品の価格には、売れ残って捨てられる食品の製造や廃棄コストも上乗せされているのです。フードロスを削減することで食品を生産する量が最適化されると、不要なコストを上乗せする必要がなくなるので、価格を安くすることが可能になります。

無添加

【わかる、えらぶ、エシカル#15】知っているようで知らない「無添加」。体や環境に優しい商品を買おう

「無添加」は、何らかの成分が使用されていないことを意味します。
食品の場合は、厚生労働省が認める保存料、甘味料、着色料、香料などの食品添加物が使われていない製品。洗剤の場合は、合成界面活性剤、蛍光材、香料、着色料などを使っていない製品。そして化粧品の場合は防腐剤、香料、合成色素、鉱物由来の成分、石油系界面活性剤を使用していない製品などに「無添加」という表示が使われています。
このように、製品によって使う添加物が異なるため、一概に「無添加」といってもそれぞれが意味するところは違います。
また、全く添加物を使わずにつくることは難しいことが多いため、多くは、特定の成分を指定して、たとえば「保存料無添加」「香料無添加」などと表示してあります。中には「無添加」しか書いていないものもありますが、加工段階で使用する調味料に含まれる添加物なども含めて一切使用していないことは難しく、また、香料は入っていなくても保存料は入っている、といった場合もあるので注意が必要です。

無添加を選ぶことはなぜエシカルなのか
1. 健康を守ることにつながる

添加物は私たちの生活に欠かせないものですが、その中には健康問題が生じる可能性が指摘されているものもあります。もちろん、現在使用されているものは国や国際機関の基準を守って使用されているため、食べたり肌に触れたりしてすぐに害が出るというものではありません。ただ、多様な添加物を長期間摂取した結果、私たちの体に何が起こるのかを明らかにすることは難しく、個人差もあるため実際のところはわからないことが多いのも事実です。
2. 動物への配慮(アニマルウェルフェア)
添加物の安全性を確かめるために、多くの場合は動物実験が行われています。短期間に多く食べさせたり、長期間にわたって食べさせたりすることによって、健康への影響を確かめています。私たちが添加物の入ったものを避ければ、こうした動物への負担も減らすことができます。

旬な素材

【わかる、えらぶ、エシカル#18】食を通して季節を味わう。「旬の食材」を買おう

本来食材には季節ごとの気候に合わせて育ち、収穫される「旬」がありますが、売り場で一年中見かける野菜や果物が多くなり、1970年代に比べ近年は一年中販売している食材が増加しています。日本では、季節のはじめに出てくるものを「はしり」、終わりに出てくるものを「なごり」、その間の出盛りのものを「旬」と呼び、食を通して季節を楽しんできました。こうした習慣はエシカルな視点からみても意義があります。

「旬の食材」の商品はなぜエシカルなのか
1. 環境負荷の削減

旬の食材を食べることは、環境負荷を下げることにつながります。たとえば、秋冬のきゅうりはハウスで温めながらつくられていますが、1キロのきゅうりを育てるためには約5,000kcalのエネルギーが必要になります。一方、屋外の畑で行われる露地栽培の場合に必要なエネルギーは1,000kcalほど。つまり、季節外れのきゅうり栽培は旬のものに比べ5倍ものエネルギーを消費することになります。
同じように、ピーマンを育てる際に必要なエネルギーはハウス栽培の場合は約1万kcal、露地栽培の場合は約1,000kcalと10倍もの違いがあります。
2. 栄養価が高く健康維持の手助けになる
旬の食材を選ぶことは健康維持にもつながります。たとえば、冬が旬のほうれん草は、冬と夏を比較するとビタミンCの含有量は(ゆでた場合)3倍もの違いがあります。
また、旬の食材にはそれぞれの季節に合わせて、体調を整える手助けをしてくれます。たとえば、春の山菜や菜の花が持つ苦みや香りが食欲を改善したり、トマトやきゅうりなどの夏野菜は豊富な水分によって体の熱を放出して体温を下げたりする役割があるといわれています。

天然素材

【わかる、えらぶ、エシカル#20】地球の恵みを生活に取り入れる。「天然素材」の商品を買おう

人工的につくられたプラスチックや鉄などと比べて、竹のカゴや木の机、綿や麻でつくられた衣服、石でつくられた雑貨などの天然素材に、温かみや優しさを感じる方も多いのではないでしょうか。
都市部に暮らしていて、自然とのつながりが希薄になりがちな人も、天然素材を使ってつくられたものには安らぎを感じるようです。
天然素材は明確な定義があるわけではありませんが、動植物や石など、生き物や自然の中で手に入る素材を意味します。最近ではサステナビリティへの関心の高まりとともに、天然素材の活用が改めて見直されています。

天然素材商品はなぜエシカルなのか
1. CO2排出量の削減

天然素材から作られた商品は、化学的に作られた商品に比べ、二酸化炭素の排出量が少ない傾向にあることが特徴です。その理由として、二酸化炭素を吸収する天然素材が存在することや、加工する場合にも素材本来の特性を生かすため、少ないエネルギーで加工するからです。
2. 廃棄物の削減
自然由来の素材で作られた商品の中には、生分解性があったり堆肥化できたりするものもあります。その場合、使用後は燃やして廃棄する必要がなく、そのまま土に還せるものもあります。堆肥化できるものは、廃棄する時に発生する二酸化炭素排出量の削減にも貢献できます。
3. 人の心やからだに優しい
人工的につくられた化学物質と違い、天然素材には素材本来の香りや肌ざわりがあります。有害物質の排出が少なく、素材の特徴が生かされたものを使用すれば、人の心やからだが感じる負担は少なくなるでしょう。

経済活動の中で使われる言葉

クリーンビューティ

美容業界に浸透する“クリーン・ビューティ”とは?

“クリーン・ビューティ”とは、一般的に自然環境や私たちの健康に影響を及ぼす可能性のある有害な成分を含まず、エシカルに調達された原料を用いた無毒なスキンケアやコスメと、その使用を意味する。他にも、肌に栄養を与えるオーガニック製品や、植物由来、クルエルティフリー(動物実験を行わない)など、いわゆる“ナチュラル”なパーソナルケアを指す。これまで、美容品の広告等に繰り返し表示されてきた、“ナチュラル”という表記の信頼性が薄れてきたため、ミレニアル・Z世代を中心に、透明性の高い“クリーン・ビューティ”を実践・求める消費者が増えている。
一方で、パーソナルケア業界で頻繁に使われている“クリーン・ビューティ”にも、正式な定義や規制がなく、法律が曖昧な状態が続いている。ヨーロッパ諸国では、美容品への使用が禁止されている成分が1,000種類以上あるにも関わらず、アメリカで禁止されているのはたった11種類。アメリカでの美容品規制には、連邦食品医薬品化粧品法が唯一の法律であり、1938年の成立以来、法律の修正がほとんどなされていないため、非常に緩い業界だといわれている。そのため、パッケージの前面に掲載するキャッチコピーは、成分表示ラベルと一致する必要がなく、コスメやスキンケアには発がん物質や有毒成分を含むものも多いという。

ゼロウェイスト

ゼロ・ウェイストとは?

ゼロ・ウェイストとは、無駄・ごみ・浪費 をなくすという意味。
出てきた廃棄物をどう処理するかではなく、そもそもごみを生み出さないようにしようという考え方です。「焼却・埋め立て・何でもリサイクル」がもたらしたのは、資源の無駄遣いと有害物質による健康被害と水質汚染など環境への悪影響でした。ゼロ・ウェイストは、そんな社会の仕組み自体を変えていこうとするものです。

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全てのものが「無駄にされず」、地球・自然から得たものがきちんと
「過不足なく循環」している「持続可能」な社会を目指しています。

想像できるゼロ・ウェイストな社会
01生産段階から永く使える・有害物質を出さずリサイクルできる設計で作られたものがお店に並ぶ
02デポジット制度* などが進み、製品の回収が当たり前。生産者にも消費者にもメリットがあるのでポイ捨ても無くなる
※使い捨ての飲料容器など環境に悪影響を与える製品の回収を促すため,製品の販売時に預り金 (デポジット) を価格に上乗せし、消費者が使用済製品を回収システムに返却する際に預り金を返還する制度。
03焼却炉と最終処分(埋め立て)場の必要がなくなり、段階的に閉鎖されることにより、ごみ処理で住民が負担する費用が減る
04リサイクルや資源回収の仕組みが当たり前になり効率化されるため、自治体ごとに回収方法が異なるストレスや、住民による分別や回収の負担も減る

サステナブル SDGs

サステナブル(Sustainable)、サステナビリティ(Sustainability)とは?

サステナブル(Sustainable)とは、本来は「維持できる」「耐えうる」「持ちこたえられる」を意味する形容詞です。ただし近年は、地球環境の持続可能性、人間社会の文明・経済システムの持続可能性の意味や概念として一般的に用いられるようになりました。

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ゼロカーボンニュートラル

何が違うの?カーボンニュートラルとカーボンゼロ、他カーボン用語を解説!

カーボンニュートラルは、二酸化炭素の排出を全体としてゼロにする、という意味です。「排出を全体としてゼロにする」というのは、CO₂の排出量から、森林などによる吸収量を差し引いたものをゼロにする、ということを意味します。また、企業や自治体などがカーボンニュートラルを目指す場合は、二酸化炭素をできるだけ削減する努力をし、その上でやむを得ず排出してしまった排出量を、排出権の購入などによって埋め合わせることが多いです。


矢印株式会社は好きなことを仕事にしています。企業紹介や事業内容、そして経営指標、統計オープンデータ、メンタルヘルス、マーケティングなどの経験も記事にしています。


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