八犬伝
久しぶりの役所広司さん主演映画。
役所さんが八犬伝の著者である曲亭馬琴を演じ、内野聖陽さんが演じる葛飾北斎は馬琴の作る「八犬伝」の挿絵の下絵を描く。
馬琴はその下絵が欲しいが、北斎はその都度、それは本当の作品として書いていないからと破く。
本作の原作は、曲亭馬琴の小説作品である「八犬伝」から、作者の馬琴とその友人としての北斎との交流を交えて、「実の世界」と「虚の世界」を描いた山田風太郎原作の「八犬傳」。
怨霊や爆発のVFXは、まあこんなものかといった印象。なんで邦画のCGってテクスチャが軽い感じになっちゃうんだろう、重みが足りないというか、存在感がなくてフワフワしてる。その代わりメイクや衣装はとても良い。
虚の世界の八犬士違いの演技がやや棒読みっぽいというか、安っぽいのは、八犬伝の小説内の記述に合わせている感じなのだろうか。謎だ。
ただ、この方が虚と実の世界の切り替わりが分かりやすくていいという面もある。
馬琴といい、北斎といい、どちらも長寿であり晩年に良作を多く残した作家である。その二人が膝を合わせて交流を重ね、八犬伝が作られ、富嶽八景が出来上がっていく。