2リットルのスポーツドリンク
ヒトとモノの彩り発見ライター矢島真沙子です。
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ぐびぐびぐびっ、ぷはああっ。今は飲む習慣がなくなった、甘くて、少ししょっぱい、懐かしのスポーツドリンク。
娘が部活の差し入れで、2リットルペットボトルのスポーツドリンクを持ち帰ってきました。2リットルペットボトルは誕生日パーティーや、私が中学時代の部活で活躍した、思い出のサイズです。特に、部活とスポーツドリンクはセットで記憶に残っています。
私は中学校時代、バレー部に所属していました。その頃は運動はそれほど好きではなかったのですが、部内の雰囲気と友達の誘いから、軽い気持ちで入部しました。
想像以上にきつかった部活
朝練、放課後練、土日練習や試合…。
中学時代が、部活一色の生活になりました。思った以上にトレーニングがきつくて、ついていくのに精いっぱいでした。どうして選んでしまったのかと、たびたび後悔していました。
真夏の炎天下や体育館での練習に、水分補給は欠かせません。当時部活内では、水分はお茶でなく、スポーツドリンクが主流でした。ただし、毎回ペットボトルを買うのは割高だったので、粉タイプのスポーツドリンクを利用していました。それを2リットルペットボトルに入れた水にとかし、凍らせて、部活に持っていきます。真夏の気温で少しとけた状態のものを少しずつ飲んでいたのです。
練習を抜けてこっそり飲む味
実は、真夏の過酷な過酷な練習に耐えきれず、「気分が悪い」と偽って抜け出したことがあります。いわゆる、仮病です。少し横になって休みたいと周りに伝えて休憩所に行きました。2リットルのスポーツドリンクボトルを抱えて。
休憩所に着いて、凍らせてシャーベット状になったドリンクを飲み、落ちつきます。そして、ふと我に返ると、やや後ろめたい気持ちになりました。なぜなら、「休みたいから」と偽って、部活を抜けているからです。「他のみんなは暑い中、今でもキツイ練習を続けている…」と考えて、罪の意識に苛まれました。
みんなどう思っているかな?仮病だってバレているかな…と思い始めると、気が気ではありません。スポーツドリンクの味がよく分からなくなってきました。
今でも2リットルのスポーツドリンクを見ると、中学時代の部活を思い出します。みんなについていけない、というコンプレックスを持って続けていた運動部、そこで隠れて飲んだ思い出の飲み物です。
練習でみんなについていけない運動オンチな私は、自分のポジションを頑張って見つけようとしていました。スポーツドリンクは、無理をして、部活という世界に自分を合わせていた、「苦い思い出の味」なのです。
思い出の味は、忘れない
スポーツドリンクはただの水にはない「甘味」「塩味」が含まれています。そして私には、ちょっとした苦味も感じられます。いろんな味を体験する多感な中学生時代だからこそ、複雑な味のスポーツドリンクが印象に残っているのかもしれません。
あの頃に食べた、飲んだあの味。味と思い出は、強く結びついているような気がします。
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