たまには立ち止まって(10)
桜も満開になり、すっかり春らしくなってきた。
「新生活」という言葉がしっくりくる季節でもあるので、何だか色々とチャレンジしたくなる気持ちになる。
実は私は今、絶賛断捨離にチャレンジ中である。
と、いうのも急遽引っ越しをすることになったのだ。
知人・友人の皆さんはよくご存知なのだが、私は結構な頻度で引越しをしている。
周りに引越しをすると伝えると、
「えぇ!?また〜!?好きね〜!」なんて言葉もしょっちゅうだ。
次はいつ引っ越すの?と、引っ越した直後に言われることもある。私も、同じ立場なら必ず聞くと思う。
はてさてどうしてそうなるかというと、プロデューサー(夫。以下P)が大いに関係している。
Pはミニマリストという言葉が流行る以前から生粋のミニマリストだ。
「なにもない部屋」をテーマに書いた記事。
Pのミニマリスト具合がわかる。
一緒に生活をしている今でも、あまりの少なさに愕然とすることもある。
加えて、彼は「引越しの度にスッキリする」ということが定番になっているのだ。引越しが多いのも納得いただけると思う…。
私はどちらかというとせっせと巣作りしてしまうタイプ。完全に真逆である。
最初のうちはこの感じに慣れず、修行僧になった気分で引越しを重ねてきたのだが、不思議なものでちょっとずつこの感覚に慣れてきている。慣れは怖い…。
最近では「賃貸の良さはこのフットワークの軽さにある!」と、それらしいことを言い聞かせてきているので厄介だ。
でも、引越しをすると「必要なもの、必要ではないもの」を改めて考え直すきっかけになることは確かなのだ。
自分が思っている以上に今の世の中は便利なもので溢れていて、必ず持っていないとどうにもならないということはとても少なかったりする。
今回の引越しでは「生活をしていく上で、本当に必要最低限のもので暮らす」というテーマも設けようという話になった。
だからといってギチギチに生活に縛りを作ると楽しくない。「スキ」という気持ちも忘れず、でもなんでもかんでもポイポイ家の中に入れないようにしようというわけだ。
ただ、これが中々難しい…。
理想はあるのだけれど、つい新しい物に目がいってしまい、ふらふらとたくさんの物に浮気しちゃいそうなのだ。
それでも、次に住む場所で新生活を送るイメージをするのは楽しい。
今ある物で必要な物、お別れする物、新生活で出会う物。
それを繰り返していくことで、最後はどんな場所でどんな物と過ごすことになるのだろう。
そう考えると、今は本当にその日の為の修行なのかもしれないな〜と思うのだった。
もちろん、後ろで監査員Pの目が光りながら…。