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映画を観て語り合う愛しい時間/"A Man called Otto" & "Past Lives"【🐽❤️】

日本から戻るフライトで2本の映画を観ました。

ひとつは2022年の作品で、トムハンクス主演“A Man Called Otto” 『オットーという男』もうひとつは2023年の作品、“Past Lives”『パスト・ライブス』です。

羽田空港で搭乗後も積荷トラブルだかなんだかで、ちっとも離陸しないフライトでしたから、“A Man Called Otto”を見終わってもまだ羽田空港にいました。😂

簡単なあらすじは、最愛の妻を失い世の中の不条理に絶望している自死願望のあるオットーが近所に越して来た天真爛漫なメキシコ人家族との出会いにより人生が変わっていく様子を描いた作品でした。

2時間もかかる映画を観終わったのにまだ羽田にいて、滑走路にもいないことにがっくりしながらもこれはQPさん(注参照)にも観せたいと思いました。

QPさんは長年、自死未遂で病院に運ばれて来る人の心のケアをしてきました。最近職を変わり、今はPTSDなどを抱える退役軍人のメンタルサポートをしています。彼にとっては怒りや絶望を抱えている人との関わりは日常的なことであり、内容的に身近なテーマだと思うのでいっしょに見れば話し合えると思ったのです。

見終わると、🐽❤️の作品だったね。とニッコリ。

身近にケアし合える人がいないことが孤独な人をより孤独にし、怒りの気持ちを抱えた人の怒りのスイッチをオンにします。“幸せ”を感じられるかどうか、孤独感から抜けられるか、人生が生きやすいかどうかは身近に愛があるかにかかっていることを伝える作品だと思いました。

もうひとつの作品、"Past Lives"は韓国人の二人の初恋をモチーフにしたちょっと異色な恋愛映画でしたが、わたし自身も移民として米国にいて、現在は米国人のQPさんと仲良くしていることもあり心に響くわたし好みの作品でした。

◆超ネタバレのレビューはここに

とても地味な映画ですが、わたしにとってはいろんな想いが交錯し感情を揺さぶられるタイプのストーリー。主人公のナヨン(移民後はノラ)の夫、アーサーの人がらにもぐっときます。

QPさんに、「飛行機のなかで観て最後の場面で泣いちゃったわ」と伝えると、それはいっしょに観たいと飛びつきました。

飛行機のなかで見つけた映画、どちらの映画も家に居ながらにしてアマゾンプライムで簡単に観える今はほんとうに便利です。

ツマミを準備して🍷を傾けながら二人でカウチに座って映画開始!


わたしの「乾杯!いただきます」に続いて、QPさんの口からは

「あなたといっしょにこんなふうに過ごす時間は今のぼくにとって最高に幸せな時間だよ。ありがとうプリンセス!😘」

いつものようにさらっと感謝の言葉が出てきます。

わたしは基本、高級レストランでグルメを楽しむ趣味はなく、外食すら好まないタイプなので、わたしにとってもこんなふうに過ごす時間がいちばん心地よくて楽しいと思えます。

仲良くなってからはまだ一年に満たないわたしたちですが、週末ごとにこれまでにたくさんの映画を二人で鑑賞してきました。わたしたちの好みはとても似ています。亡き夫よりもQPさんとのほうが合っているぐらいです。

"Past Lives"の最後のシーンで、アーサーが泣く妻をやさしく抱擁するところで思わずQPさんが" He is a good guy…"と言いながら涙目になっていました。(ここで感極まる感性はわたしの理想どおりの心を持っている証拠)と彼の涙に満足。

QPさんはアーサーに感情移入していた気がします。愛する妻の過去のせつない恋を捨てきれないままの複雑な感情を全て受け入れたうえでやさしく包み込む姿がせつなくも美しい映画でした。

QPさんには、夫との思い出も遠慮することなく話せます。それはわたしの一部でもあることを理解してくれていていつも笑顔で聞いてくれるからです。わたしの過去も含めて丸ごと包み込んでくれる姿がちょっぴりアーサーと被りました。

映画をいっしょに観て感想を話し合うことで、わたしたちの相互理解や絆がどんどん深まっいくことを感じています。それを知るたびにお互いの価値観や考え方がいかによく合っているかも確信できます。

43年間も仲良くしていた夫でさえ、「ここは嫌」と思うところはいくつもあったのに、QPさんには未だにそれがみつかりません。

ふたりのより良い関係を築いていくために、お互いをより知ろうと努力しているので、気になることがあれば問いたいし、逆に問われたいと思っているのですが、未だふたりともお互いの行動や考え方に気になる事案がみつからないのはひょっとするとミラクルなのかもしれません。

わたしが応援しているひめこさんの恋活。YHさんとはうまくいくかと思っていたのに、終わりの結末を迎えたようです。

この経緯を読み、ちょっぴり想像してみました。QPさんとわたしなら、お互いに確認し合うので、こんな行き違い自体が起こらないと思うのですが、もし行き違いになったとしてもたぶんお互いが謝って笑いとばすでしょう。

亡き夫だったら、YHさんにそっくりだったろうと想像できるので、やっぱ、これ昭和男の特性でしょうかね……。😂


(注)QPさんがわからない方

馴れ初め



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yahoi /ライフエディター・エッセイスト
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