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マイアミまでの道のりは遠かった/初日ドタバタ劇【カリブ海クルーズ2】

翌朝デトロイト空港に向かった。

いつもなら、旅の荷物は最小限を心がけているが今回ばかりはドレスコードに合わせての“衣装 ”があるため、中型スーツケースそれぞれ一つずつの預け荷物があった。

早朝だというのに空港はごった返していた。

クリスマス休暇を終えて移動する人々がまだまだ多いのだろう。

チェックインは済ませていたものの、預け荷物がある場合はバゲージタグをプリントしたものを預け荷物に付けて航空会社のドロップ専用カウンターに引き渡さなければならない。

まずはプリントする機会が長蛇の列。

やっと番がきたと思ったらエラーとなり、航空会社カウンターで手続きをせよと機会は言う。航空会社の受付カウンターもまたまた長い列だ。

長期休暇の帰省客が多いためか、列の正体はワンコ連れの人々だ。ペットを連れて乗り込む人々が、規定のドキュメントワークの承認を得るためカウンターに長い列を成していた。ここ数年ペット連れで飛行機に乗る人がほんとうに増えている。

2001年に米国に移住して以来、デトロイト空港には数え切れないほどお世話になっており、勝手知ったる空港。だからこそ今回油断した。

これほどの混雑は過去に経験がない。

よくよく考えてみればこんな時期にわざわざ空港を利用したことはなかったのでわたしが甘かった。フライトの時間はどんどん迫ってきた。テリー夫妻は、わたしたちよりもさらに早くに到着しゲートで、ちっとも現れないわたしたちを案じていた。

テリーから、「早くしろ」とテキストメッセージが届くが、こればかりはどうにもならないのだ。結局、乗るはずのマイアミ行き直行便が飛んでしまったあとになっても、わたしたちは長蛇の列の中にいて、完全にフライトをミスってしまった。

できることは、カウンターで今日中にマイアミに着けるフライトの手配すること。だがこの時期のマイアミ行きが満席なことは知っていたので心配になってきた。列に並びながら、手にしていたスマホのアプリで、同日のマイアミ行きで空いているフライトをサーチしてみてもみつからない。😱

クルーズの出港は明日の夕方なので、最悪、明日の午前中までに着ければクルーズには間に合うが、なにしろマイアミから同じクルーズに明日乗船する人は何千人もいる。マズイ状況だ。

いつも落ち着いていて楽観的なQPさんは、なんとかなるだろとこんなときにもあわてない。もっともなるようにしかならない状況でジタバタしても仕方ないともいえる。

やっとわたしたちの順番が来た。

航空会社の黒人女性スタッフに、「予約していたフライトに乗り遅れました。乗り継ぎで、どこ経由でもいいので最短でマイアミに着けるフライトの手配をお願いします」と伝えると「お待ち下さい」といいながら、コンピューターの画面とにらめっこ。

タイプしまくってはそのたびに、首をキュっと横に傾げるので、あれもダメ、これもダメというダメ感が伝わってくる。

粘ったあとで、最終の直行便で可能性があるとのこと。この時点では席の確定はできずスタンバイとして抑えてもらった。

午前中にはマイアミに着き、マイアミビーチを前にゆっくりくつろぐつもりでホテルを手配していたのに、最終便まで13時間もデトロイトの空港で過ごす羽目になった。

セキュリティーを通過し、ゲートでひたすら時間を潰していたらQPさんが

「しまった!サングラスをトラックに忘れた」と呟いた。

「またかいな!」とわたし。

前回の旅のときにも車にサングラス忘れ、空港で買ったことがあったのだ。

家を出て彼の車に乗り込んだとき、

「パスポート、財布、スマホ、サングラスは持った?」と確認した。

QPさんは「あっパスポート忘れた」と家の中に駆け込んで行ったのだった。

「サングラス持ったってあのとき言ったよね」

「あの時点では車にあったけど、それをカバンに入れるの忘れた」という。😅😆彼と結ばれる前、バハマ行きのときのことが蘇った。🤣


「わかった。まだ十時間以上もあるのだから、駐車場まで取りに行こう。もう一度、セキュリティを通り直せばいいだけのことだから。ちょうどいい暇つぶしじゃん」

ということで、二人でシャトルバスに乗り込み、空港近くの駐車場に彼のサングラスを取りに行った。

「まったくもう!」なことが起こっても、わたしたちは苛立ったり険悪になることはない。全て二人三脚でその時々を楽しく過ごせる。こんなとき夫だったら不機嫌を露わにしただろうから、QPさんと一緒に行動することの心地よさに心の中で感謝。

満席ながらもスタンバイリストに入れてもらえたのは幸運だった。満席でも乗り遅れる人は常に一定数いると航空会社は見込んでいるため、席が取れない状況下でも見込みで手配してくれたのだと思う。

ただカウンターの女性に追加料金がかなりかかる可能性もあると言われたのでゲートで求められるのか?と覚悟していていたがそれもなく無事に乗り込めた。

機体がマイアミ空港に着陸した時点で夜の11時を回っていた。

あらかじめ予約していたタクシードライバーから着陸時に連絡下さいと言われていたので、メッセージを送った。預けた荷物を受け取りタクシー乗り場に行けば、タクシーと出会えるはずだった。

だがしかし😱ここでまたハプニング。

着陸した機体のドアからターミナルを繋ぐ通路の接続に不具合が出て、「今修復を試みているのでしばらく機内でお待ち下さい」とのアナウンス。😱

乗客はみなキャリーオンのスーツケースを手に、通路に並んでいるのに30分経っても機内に閉じ込められたままだ。深夜で疲れた赤ちゃんはぎゃーぎゃー泣いているし、どの乗客もぐったりの様子。

タクシードライバーに機内に閉じ込められている事情を伝えるも、待てるのは1時間が限界なのでもう無理だとの返事。😅

そりゃそうだろう。😫

結局、手配してあったタクシーには乗れなかった。😱

なんとか開放されて、荷物を受け取ったときには深夜1時ぐらいになっており、乗ったタクシーが超高級車のぼったくりタクシーだったがくたくただったので目をつぶった。

マイアミビーチでくつろぐことはできなかったけど、なんとかマイアミに到着できたのは不幸中の幸いということで、気を取り直して明日はポートに向かう。

続く


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yahoi /ライフエディター・エッセイスト
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