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クマーナと夢想花がいつもセット/エレクトーンの思い出

せっかく、ステージアELC-02来たのでエレクトーンにまつわる思い出を振り返ってみることにします。

わたしがエレクトーンを習い始めたのは小学校5年生でした。4つ年下の妹もいっしょにはじめました。音楽好きだった父はそれ以前にカワイの電子オルガンをわが家のおもちゃとして与えてくれていたので、それで練習していました。

ご存知のとおり、エレクトーンはヤマハの登録商標ですから、他社の電子オルガンにその名は使えません。習いはじめてしばらくすると操作があきらかに違うために、エレクトーンがほしくなりD3Rという機種に買い替えました。(ヤマハのサイト70年代の全モデル)

あまり練習熱心な生徒ではありませんでしたが、週に一回のグループレッスンはいつも楽しみで、練習をあまりしていなくても休むことなく通いました。

今振り返ると、エレクトーンを習っていたからこそ、子どものころからいろんな音楽に触れられた気がしています。あきらかに今ほどグローバルではなかった時代ですが、中学生ぐらいから、あらゆるジャンルの音楽を聴いてきたのは演奏したい音楽を常に物色していたからだと思います。

当時の中学生でラテン、ロック、ジャズ、クラッシックとジャンルを問わずに音楽を聴いていた友達はあまりいませんでした。多くはキャンディーズやピンク・レディーを歌って踊り、秀樹、ひろみ、五郎にきゃーきゃー言っていた時代です。

エレクトーンはイメージに合う音色を使って自分流に好きに表現できる楽器なので、基本的な演奏技術を身につけたあとは、楽譜通りに弾くことから開放されればいいとわたしは勝手に思っています。

当時でも、望めばエレクトーン用にいろんな楽譜が手に入りましたから、好きな曲があると次から次へと楽譜を買っては練習していました。エレクトーンはこれまで米国の家にはありませんでしたが、楽譜だけはちゃんと手元に置いています。何十冊もありますがわたしのものはすべて昭和のものなので、レジストレーションは最新機種には使い物になりません。😅

楽譜はなぜか捨てられないのです

昔からラテンナンバーが好きで今でもたいせつにしている楽譜はこれです。今発行日を確認したらなんと50年前のものでした。😂

50年前の楽譜だったとは!!

先生の勧めでヤマハのポピュラー・ソングコンテストに応募したり、エレクトーンのオリジナルコンクールにも挑戦してエレクトーンライフを楽しんでいました。そのあたりで父がE20という当時でも100万円以上するフルベースの機種を買ってくれました。ほかに贅沢をした覚えはありませんが、音楽には理解のある父でした。

子どものころのわたしはとにかくおとなしくて目立たないタイプで何につけても「普通が得意」「オール3」みたいな生徒でした。高校は女子校に通っていましたが、あるとき音楽の授業のテストとして自由課題が課されたことがありました。

「太鼓、タンバリン、トライアングル、ピアノ、バイオリン、リコーダー、ハーモニカ、ピアニカ、カスタネット……どんな楽器でも歌でもかまいませんからあなたの好きな“音楽”を演奏して下さい」というものでした。

みんなの発表する音楽はそれはそれは個性的でおもしろかったことを記憶しているのですが、何より今もしっかり覚えているのに、円広志の『夢想花』を身振り手振りで独唱、熱唱した子がいて爆笑の中で喝采を浴びていました。

わたしは、学校で発表するのに適しているのかと躊躇しつつも、当時ちょうど発表会用に練習していた曲『クマーナ』を学校にあった電子オルガンで演奏しました。グレード4級の曲で結構難易度の高いラテンの曲です。

さて、わたしの番がきてクマーナを演奏しましたが、ほとんどの高校生にとって馴染みのある曲ではありません。サンバのリズムでなかなか演奏映えする曲だったので、弾き終わったときに多少の拍手があるかと思ったら「シーン・・・」としてしまいました。

先生が場を取り成すように

「あなたにこんな特技があるとは知りませんでした」

みたいなことを言われたことを強く覚えています。

たしかにわたしは目立たない人でした。「能ある鷹は爪を隠す」という言葉があるように「できることをひけらかしてはいけない」と教わっていた時代でしたから、聞かれない、問われない限りはエレクトーンを演奏することを人に話したこともなかったのでただただ意外だったのでしょう。

おもしろいことに、それ以来わたしの音楽の成績がぴょんと5になりました。特別にペーパーテストで好成績を残したわけではありませんでしたが、音楽の成績なんて意外とイメージなんだなぁと悟りました。もし、あのときに『クマーナ』をみんなの前で演奏していなければ3 のままだったことは容易に想像できます。

『クマーナ』を演奏するたびに、わたしはあのときの「シーン・・・」という得体の知れない沈黙を思い出してしまいます。

それと、『夢想花』の独唱

「とんで、とんで、とんで、とんで、とんで、とんで、とんで、とんで、まわってまわってまわってまわるぅぅぅぅ」も!!😆

高校生活のことなんてほとんど記憶にないのですが、なぜかそこだけ強烈!

さて、この『クマーナ』を新しいステージアで演奏すると、昔の機種に比べるとラテンのリズムがとてもリアルなのでそれはそれはステキ。

『Cumana クマーナ』を知らない方のために。Yutubeでこんなのみつけました。

↓この方のアレンジ、わたしの使っている楽譜にそっくり。



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yahoi /ライフエディター・エッセイスト
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