(再掲載)私は誰⁉️ 街で出会った女(11)(2分で読める小説)
妹と連れ添い街を歩いた。
「街の風景を見ていたら、何か思い出すかも知れない。それと、お兄ちゃんを知っている人と出会うかも知れない。」と、
妹が言うのである。
…ここが、私が以前住んでいた街か…と、
何とか思い出そうとしていたが、思い出せない。
犬を散歩させている女性を見かけた。
何犬だろう?何故か女性に目がいかず、犬の方に目が行った。
女性が、太った不美人だから興味が無いのか、解らないが僕は犬の方に興味を持った。
「可愛い犬ですね。何という種類の犬ですか?」
と、太った女性に聞いてみた。
「私、散歩に頼まれただけなので、犬の種類まで知らないの。
でも、可愛いでしょ。彼が飼っているの。」
と犬を、抱き上げて僕に見せてくれた。
犬は、僕の事を、ジーーと見つめながら、何か言った。
甘えた様に、擦り付いてくる。何故?
「名前は何というのですか?」
「あのーー、私の名前でしょうか?それとも、此の犬の名前?」
…もちろん犬の名前を聞いたのだが、どうしよう。女性の名前聞かないと失礼になるのだろうか?…
と、思っていた時に助け船が出た。
「もちろん、此のワンちゃんの名前ですよ。」と、妹が言ってくれた。
「此の犬の、名前は、カルメンです。彼が名付けました。」
と、女は彼氏が居るのを、強調しているみたいだ。
カルメンは、僕を見ている。知っているかの様にジーーと見てる。
僕は犬好きだったのかも知れない。
犬に見つめらていても、苦にならない。
女性はカルメンを抱いたまま、去って行った。
僕は、カルメンと別れた印象が強く残った。不思議だと思った。
もしかすると、僕は犬を飼って居たのかも知れない。
だが、あの部屋には、犬を飼った痕跡が無い。
そんな事を考えながら、道を歩いて行くと、、、、。
突然、呼び止められる様に声をかけられた。
見ると、三十ぐらいの女性で、まあまあの美人さんである。
さっきの女性とは大違い。
「水原君じゃない?。お久しぶり。デート❤️してるの」
と、馴れ馴れしく聞いてくる。
…結構な知り合いだろうか?でも僕の彼女では無さそう。…
妹を知らないみたいだ。
ここはチャンスだ。僕の事が分かるかも知れない。
(妹が偽物か本物かどうかが判るかも知れない)と、瞬時に感じた。
「私、ケイコと言います。水原の妹です。彼女ではありません」
と、キッパリと否定ている姿に、妹の焦り僕は感じた。
「あら、水原君。可愛い妹さん居るのね。そんな事は聞いていなかったけど」
少し疑いながら、嫉妬深く言った。様に、僕には聞こえた。
すると妹が、
「兄は、事故に遭い記憶を無くしてしまったのです。
兄の事で知っている事が有れば、教えていただけませんか?
お願いします」
僕の事を思ってくれたのか?
本当の妹の様に彼女に尋ねている。
私は一体、誰⁉️ 妹の正体は?