変身スーツのその後(4)(1分で読める小説)


私が入った部屋は、狭い部屋だった。
5畳ぐらいは有るのだろうか?
汚い煎餅布団がひいてある。
男の部屋丸出しの暗い感じで臭い部屋だ。
だが、この私もこれとそれ程変わりは無い。
男はウエットスーツの様な物を出し
私に見せてきた。
「これです。このスーツを着ると貴方の思っていた姿に変身出来ますが、
ただし、まだ一度しか使っていないので、どの様に成るのかは、明確には言えません。
貴方の頭の中になりたい姿を想い浮かべてください。
貴方の想い通りなら、このままレンタル開始です。
違っていた場合は、そのスーツを脱いで下さい。
このスーツは一人に一度しか使えないので、
残念ですが終わりとなります。」

「何でも成れると言うのは、嘘ですか?
自分が思っている物には成れないのですか?」
と、不満を込めて私は言った。
「まだ、私しか来たことがないので、
はっきりと解らないのです。
でも、これをくれたウ・・、人はその様に言っていました。」
「これをくれた人って誰ですか?」
「それは、秘密です。まずは着てみましょう。
貴方の希望をする美女に成れるかどうか?
試してみましょ」
と、言い残して男は部屋を出て行った。
スーツと言ってもウエットスーツみたいで、頭からかぶる。
寝袋みたいな物だった。
私は騙されているかも知れないと思いつつも、
スーツを私の身体全体に被ってみた。
…何も変わりはしない…
と、思いいつ、私は不満と疑いをもって
汚い部屋から店に出て行った。
私の姿をじっと見つめるチビ男。
そこには、驚いた顔の男が待っていた。

次に続く

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