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パラレルワールド#ボケ学会(1分で読める小説)

ある日、見知らぬ男が私の部屋に迷い込んできた。
見知らぬ男と言っても、
私には馴染みのある顔。
睨み合う二人。
見つめ合う二人。
私は勇気を振り絞って言う
「お前は誰だ!?」
と、まるで鏡に写った私に言う様に。
「お前こそ誰だ!?」
と、怒鳴られる。
「・・・・。」
私は、沈黙してしまった。
…いったい私は誰?…
いや、そんな事を考えている時では無い。
「どっから、お前は来たんだ⁉️」
と、怒鳴り付けてやった。
自分と同じ顔を持つ者に向かって。
「お前こそ、何故俺の部屋にいるんだ⁉️」
と、また怒鳴ってくる。
…俺の部屋に何故いるのか?だと。
馬鹿かこいつは!…
と、思いつつ、もしかすると
この人と私は双生児か?との、
疑念が湧いてきた。
だが、その様な事を親から聞いていない。
私は怒りを覚えつつ
「ここは私の部屋だ。
お前こそ何故無断で入って来た!」

「違う、此処は俺の部屋だ、
それにお前は何故同じ顔をしているんだ?」
「そんな事こっちの聞きたい台詞だ」
「そんな馬鹿な事はない」
「お前こそ馬鹿な事を言うな!」

と、同じ質問を繰り返し
二人は並行線のまま一夜を
共に過ごしたのだった。

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