三つ子の魂百までも 番外編(7)
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「それと・・・。どうなされたのですか?」
と、裕美は好奇心が強い女性である為、
相手の人が話してくれないと、気になって仕方が無い。
裕美は後の言葉を待っていた。
晃子は、宙を見上げ、上目使いで静かに言った。
「この頃は声だけでは無くて、物が動いている様な気がするのです。はっきりとは言えませんが、ガタガタとする感じで動いている様な・・・。」
「なるほど、ポルターガイストですか?」
と、言って裕美は奥歯を噛み締めた。
……もし本物のポルターガイストで有れば
最強の霊である。……
裕美には、強い霊感が有る。
霊能力者と言っても過言では無いほどの力である。この前の新美が殺された事件で、新美の霊を呼び出し、事件の深層を新美から聞き出したと言う実績があるのだが、姉には語ってはいない。
姉の直美には霊的な力は、全く無く裕美の言葉を信じようとはしないからである。
裕美は、杉田公一とその双子の兄である、
加藤修だけに、その話をしたのだった。
裕美は、晃子を気遣いながら言った。
「何故、物が動くのかは解りませんが、
これも調べる対象ですね。恐れることは無いですよ。私はこの様な事件は何度も解決に導きました。」
と、裕美は大見えを切った。
この様な案件は初めてであるが、嘘も方便である。先ず依頼者を安心させる事が先決だ。
「私と同じ事が良くあるのですか?」
と、晃子は不思議そうに聞いてきたが、
裕美はその言葉に答えずに、
「晃子さん、私を貴女の部屋に連れて行ってください。そしてその現象が起こる時刻まで、私を居させ欲しいです。
本物の霊ならば、私と会話ができるはずです。」
と、自信満々に裕美は言い放った。
「えっ!本当ですか?霊と会話できるのですか?」
と、晃子は驚きを隠せない。
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