変身スーツのその後(2)(1分で読める小説)
私のそばにあるパンフレットを手に取り、
この店の商品の一覧を見ていた。
だが、この男の言う変身スーツという物の記載は無かった。
「ここには、載っていませんね。その様なスーツは・・・・?」
と、訝しがる目で男を見てやった。
だが、男は
「これは、最近入荷したので、そのパンフレットには記載されていないのです。
大きな声では言えませんが、私はそのスーツで変身して、
イケメンになってモテモテでした。使ってみる価値はありますよ。」
と、にこやかに言うが、全く信用できない。
だが、興味が湧いたので
「そのスーツ、試着できるのですか?本当に変身出来るのか試さないと
信用できない。どうなんですか?」
と、少し威圧的に言ってやった。
「試着ですか?出来ますよ。私の部屋ですが、そこですれば出来ます。
ただし、試着して変身したのを確認した時にレンタル開始となりますが、
よろしいですか?まず試着する時は、どの様な姿に変身したいのかを
決めてスーツを着てください。頭に思い浮かべてスーツを着るのです。
よろしいですね。」
男の顔には先程までの、にこやかさは無く
真剣な面持ちで言う。
私は覚悟を決めてスーツを着る事にした。
私のなりたい物は、夢だったあの姿を想像していた。
次に続く