追いかける(300字の小説)
俺の前にいる奴は、目障りだ。
俺の行くてを阻む奴は、許してはおけない。
俺はいつも、そう想っている。
だが、今の俺はその正体を明かす事すら出来ない。
一発の銃声が人を目覚めさす。
軍団が一斉に動き出す。
我先にと動く群衆の中に、俺の背中を狙われた。
「誰だ俺の背中を押す奴は?許せん」
群衆に身を置きながらも、俺は前を目指した。
時が経つにつれ人の群れも、やがて散り散りになって行く
それは、弱肉強食の獣の世界に似て多くの人間が落後して行く
そんな人間を尻目に、俺は絶えず前を目指す。
前には10人の群団が仲良さそうに列をなす。
「許せん、俺に背中を向けるとは!」
俺はその背中を追いかける。
そう、私は一般参加のマラソンランナー