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自由を求めて(5)
5
「俺たち今日も、ここで暮らしたな。
いつになったら、買ってもらえるんだ!」
「売れる訳無いでっしょ!ここに居たってお客様の目に止まらないよ。」
「でも、目に止まっても気持ち悪く思われるよ。
僕達、一生この倉庫暮らしだよ。腐るまでず〜と此処で暮らすんだよ。」
「本当に神様、居ないのかな?居なかったら、悪魔でも良いから、僕たちを動ける様にして欲しいな!
此処から出して欲しい。」
と、木彫り達の話し声が、ジョニーの耳に聴こえてきた。
「お〜い、君たち」
と、ジョニーは木彫りの人形達に聴こえるように大きな声で言った。
「おい、誰かいるぞ。こんな真夜中に誰かが倉庫に入ってきたのか?」
と、木彫りの熊が声をあげる。
「人では無いよ。俺だよ。君達が噂している悪魔だよ。
もっとも、俺は悪魔では無くて天使だが。」
と、ジョニーが自己紹介しながら木彫りの人形達に近いて行く
(読者の方の中で、悪魔は見えないと書いてあったのに木彫りの人形には見えるのか?と思われた方もいらっしゃると思います。
見えるのです。木彫りの人形は人間では無い為見えるのです)
「変な事言っているぞ。『悪魔では無くて天使だ』って
普通言うか?怪し奴だ。気をつけろよ、みんな。」
熊が注意をうながす。
「私の名前はジョニーだ。君達の願いを叶える為に、天界から降りてきた、悪魔では無く天使だ。よろしく。」
と、ジョニーは優しく言って木彫り人形達を見渡した。
木彫りの人形達は不審な目で観ている。
だが、一匹寝ている奴がいる。
ジョニーは、激怒した!
呼び出しておいて寝ている人形に、腹を立てた。
「この、寝そべり寝ている奴は誰だ!
誰か、その物を目覚めさせよ!」
と、命令口調だ。
「あの〜悪魔改めて天使様。そやつは、伏龍と言っていつも寝ているのです」
と、遠慮がちに招き猫が答える。
「そやつはいつも寝ているのか?
仕方が無い、そんな奴はほっておこう。
みんなの願いは、『動ける様になりたい』だったな。
だが動ける様になって、どの様な事をするのか?」
と、ジョニーは威張ってみんなに聞いた。
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