錦鯉を釣る雲(雲の糸)
人間の横暴は、神を怒らせる。
「このままでは、地球は破滅する!
人間を海に住まわせ、魚達を陸に上がらせる。」
神は大英断を下す。
魚達は陸で暮らす事になる。
自由自在に空を泳ぐ魚達。
神達のレジャーは魚釣りだ。
空飛ぶ魚を釣り上げる。
特に人気の高いのは、錦鯉!
希少な錦鯉は、高額になる。
今日も雲の上に乗り神達は釣り糸を垂らしていた。
神達は呑気にお話しをしながら、お目当ての錦鯉を狙う
だが、錦鯉はお利口さん。
神の心など手に取る様に解っていた。
「最近、錦鯉釣れないね」
と、ある神がぼやく。
「餌が悪いのかな」
と、またぼやく。
すると、雲が言う。
「私が捕まえてみましょうか?」
「お前そんなことできるのか?」
と、不思議に聞く神。
「私は、雲の糸を持っています。
いっぺんに捕まえられます」
と言い、雲は大漁の錦鯉を捕まえる。
神は故郷に錦を飾る思いで帰宅する。
だが大漁の錦鯉は、希少価値が無くなり
錦鯉の値打ちは大幅に下落する。
[過ぎたるは及ばざるが如し]
410字
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