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にょろ村の秘密(二分で読める小説)➕追伸

あるジャーナリストが、取材した記事を持って、
編集長である僕の前に現れた。

それは、誰も知らない謎の村「にょろ村」
の事であった。
古代からの謎の村、「にょろ村」

彼はその村の村長から「にょろ村」に、
まつわる話を聴くことが、出来たのだ。
日本で初めて、いや世界で初めて解き明かされる事実に
僕の胸は踊った。
その模様は、この録音機に録音されていた。
おもむろに、スイッチを入れる彼。
何故かその表情は暗く厳しい顔だった。
少し涙ぐんでいる様にも見える。

録音された声は萎びた声。
老人であると直ぐに判った。
それは年老いた村長。
静かな口調で語り出す。

[それは、遠い遠い昔の話じゃにょろ。
まだ、人間がお猿さんの様な姿の頃じゃにょろ。
この場所に一匹の蛇がおったんじゃにょろ。
その蛇は野心家で「自分はいつか龍に成る」と、
決意していたんじゃにょろ。

だが、所詮蛇は蛇じゃにょろ。
龍に成る事が出来ない蛇は悩んだ挙句に、
魂を悪魔に売って、願いを叶える事にしたんじゃにょろ。
その条件とは、この場所に住む住人は、
言葉尻に『にょろ』を付けて話すことを
義務付けられたんじゃにょろ

言葉の話せない蛇には、言葉尻に
「にょろ」を付けようが、付けまいが関係無い。
悪魔の提案を受けいれたんじゃにょろ。

龍に変身した蛇は、
この場所の長になったんじゃにょろ。
そしていつしか、龍神になったんじゃにょろ。

猿から進化した人間達が世の中を占めてきて
此処で暮らし始めたんじゃにょろ。
此処で暮らす時は言葉尻に
「にょろ」を付ける事を龍神様から、
人間は告げられたんじゃにょろ。
その龍神は、タンバリン湿原の沼の中に
暮らしておるんじゃにょろ。

この村には恐ろしき約束事があるんじゃにょろ。
それは、言葉尻に「にょろ」を付けない時は、
龍神様の生贄となって、
タンバリン湿原の沼に沈められるんじゃにょろ。

これがにょろ村の古くから伝わる、
伝説じゃジョロ。・・・・・・・・・やめろ・・・
何をするんだ・・・・騒音]


と、ここまで録音されていた。
「最後に村長さん『にょろ』と言わずに
『ジョロ』と言いませんでしたか?」
と、僕は疑問を感じたままの事を
彼に尋ねた。
「・・・・・」
彼は無言でうつむいている。
「どうしたのですか?それに『やめろ』と
言う声が録音されていましたが、・・・・」

「もうこれ以上を聞かないで欲しいにょろ。
あの様な事をするから、
若者があの村から出て行ってしまうのだにょろ。
過疎化する原因だにょろ」

おそらく、あの村長は言い間違いで処刑されたのだろう。
もう、これ以上の事は僕は聞かなかった。

これが、悪魔に魂を売った報い。
蛇には何も影響しないが、この村に住む住民は、
言葉尻に「にょろ」付けない時は、処刑される。
まさに、悪魔の呪いである。

その時は何も被害がなくても、
将来どの様な被害に遭うか判らない。
悪魔の狙いはそこにあった。
ここの住民を苦しめる。
恐ろしき狙いである。

目先のことだけで、決定してはいけない。
近い将来にどの様に影響するか?
その事を考えなければ、人類の未来は無い。

原子力発電も、そうだったかも知れない。

追伸
ある女性のリクエストにお応えし
「にょろ村」の起源について小説を書きました。

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