三つ子の魂百までも(番外編)11 4 ボーン 2023年6月5日 17:58 11大島晃子さんの部屋を一度見学に行く日が来た。場所は個人情報保護の為、書く事はできないのだが、着いたマンションは立派な建物で、豪華さを醸し出している。………僕のアパートと全然違う……と公一は羨ましく思っていたが、………私もいつかこの様なマンションに住む………と、裕美は決意していた。大島晃子に案内され、入った部屋にも、またもや驚かされた。一人で住むには充分な広さで、3LDKで家具も高そうである。相当なお金持ちだ!と感じさせてくれた。……裕美さんがこの案件を引き受けた理由が飲み込めた。これは、相当な報酬が期待出来る。頑張るぞ、名探偵の名に掛けて!……と、思っている公一であった。「ここにどうぞお座りください」と、綺麗な澄んだ声が聞こえてくる。大島晃子さんの声だ。きっと大金持ちのお嬢様なのだろう。「今、お茶を淹れますね。紅茶はお好きですか?」と、優しく聞いて頂いた。僕は嬉しくなって、「なんでも好きです」と答えたが、裕美さんを観ると、部屋を観察している。鋭い眼光で悪霊を探すみたいな表情がとても怖い。腰を掛けたソファーも座り心地が最高である。以前、修の家にあった椅子と座り心地が似ている。事務所のソファーとは大違いだ。僕が、ソファーの観察をしてる間も裕美さんは、怖い目で当たりを見回している。大島さんが、紅茶を運んで来てくれた。クッキーも小皿に乗っている。……やはり、紅茶にはクッキーだ!饅頭は合わない……と、思っている間にも、裕美さんの目は怖い。テーブルに紅茶が三つ並びクッキーの小皿が並んだ。大島さんはテーブルを挟み僕の前に座ってくれた。大島さんは非常に美人である。何処となく美乃に似ている。(美乃とは、私達三つ子の片割れで私の二卵性三つ子の一人です。何故か私の姉に認定されてしまった。詳しく 前著 三つ子の魂百までも にあります。)「初めまして、大島晃子と申します。貴方がお噂の日本ポアロですね。飯島さんがおっしゃる通り、イケメンですね」と、物凄く褒めてもらった。特にイケメンは頷ける言葉であるが、美人の女性に言われると、照れてしまう。だがここで、可笑しな事を言うと、イメージを壊してしまう。公一は言葉を選んで話そうとした時、隣から口を挟まれた。言わず知れた裕美である。「日本のポアロは、言い過ぎですよ。どちらかと言うと日本のピエロです。」紅茶を口に運びながら、裕美は真顔で答えた。………上手い、座布団一枚……と言って見たかったが、……美人の前で恥をかかさなくても良いでしょ……との想いが先に立った。「今、私この部屋を観察したのですが、変な霊は取り憑いていないみたいです。」と、断定するかの様に、裕美は自信を持って答えた。「そうですか?」と、不安気に聞く美人。「いつ頃から、奇妙な音が聞こえるようになりましたか?」と聞く 女霊能者。話がどの様な展開になるのかと、僕は期待しながら聞いていた。https://note.com/yagami12345/n/n3fcf4493a20f ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #創作大賞2023 #連載 #部屋 #観察 #美人 #売れないKindle作家 #心霊現象 #ミステリー部門 #為にならない話 #裕美 4