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(再掲載)私は誰⁉️両親との会話(4)(2分で読める小説)
(4)
両親は、僕の子供の頃の話しを聞かせてくれた。
両親の話によると、僕は子供の頃から、成績が良く中学生の時、
生徒会長もしていたという事であった。
高校は有名進学校に行き、大学は●●大学に入った。
現在は、ある研究所の一員となり、
「これが成功すれば、世界的にも凄いマシンができる 」
と、僕が両親に話していたそうである。
だが、両親はその研究が何かを知らない。
僕が、話さなかったという事だ。
どうやら、僕は秘密の研究をしていたらしい。
…この人達、本当に僕の両親だろうか?。
信じていいのか?…
「僕は、気が付いた時、病院にいたんだけど、何が原因で怪我したんだろう?
誰かに何か聞いてますか?」
と、三人に聞いてみた。
父が言うには、
「警察からは、『交通事故と聞いている。轢き逃げだと。犯人はまだ捕まって無い』と聞いているが・・・」
僕は交通事故では無く、暴行された様に聞いていた。
誰に聞いたのか、覚えていないが、医師か看護婦?どちらかだろう。
でも、警察ではその様に言っているのか?
交通事故と暴行では全く違う。
事故は偶然だが、暴行には意図もしくは意志がある。
「道路上に倒れているのを発見され、
病院に搬送された。」と
さらに父は言う。
「僕の子供の頃の写真ありますか?」
と、母に尋ねてみた。
母は、「此処には無いけど、家にある」と言うが、
その母の態度に、何処と無く違和感がある。
妹が、「お腹空いていない?」と聞いてきた。
少し空いてはいるが、もっと自分の事を知りたい。
妹の言葉を無視した。
「僕の誕生日はいつ?一体僕は何歳?」
「平成6年8月8日よ。幾つになるの?」と逆に、
母から聞かれる。
僕は28歳。
「僕は、結婚してるの?彼女はいるの?」
「結婚はしてない。していたら、連れてくる。それより彼女もいないのか?」
と、逆に、父から聞かれる。
だんだんと、自分が見えてくる。
「ねえ、お腹空かない」と、しつこい妹。
そんな言葉は無視。
「僕の住んでいた所は何処?研究所って何処にあるの?」
両親は顔を見合わせ、父が言う
「研究所は何処かは、知らない。
だけどマナブのアパートなら知っている。」
「何処なの?そこは。住所は?」
「正式な住所は覚えていないが、場所は知っている。
明日、マナブの部屋に行こう。
何か思い出すかも知れない。」
「お父さんは、僕の所に行った事があるの?」
と聞いたら。
「一度だけ行った」と言われた。
母も一度だけだった。妹も同じだ。
その言葉に僕は違和感を感じた。
それは妹にだ。僕は、妹の所には時々行くが、
妹は一度だけだった。
普通の兄妹はそうなものだろうか?
そもそも、僕に妹がいたのか?
いったい、僕は誰⁉️。
独身、彼女無しまでは、信用できるとしても、、。