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(再掲載)私は誰⁉️パラレル版4(妹の態度)(4分で読める小説)
教授達は大学に向かうタクシーに乗って帰っていった。
私は妹と一緒に警察署を出て、私の住むマンションに向かった。
私は、刑事から貸してもらった携帯電話を持っているので、
これからは、妹にバレる事無く他の人と連絡が取れる。
タクシーの車内にいる時、妹は何も話さなかった。
普段お喋りな妹にしては態度が不自然であった。
私はマンションに着いた後、妹のアパートの住所を運転手に伝えた。
妹は黙ったままである。
部屋に戻った後、私は一人で今までの事を思い出し推理してみた。
犯人達の目的は何か?
小山内教授の研究の結果を得たいと思っていたならば、
小山内教授を殺してしまっては、研究の結果を得る事は出来ない。
犯人にとって、小山内教授を殺す事は得策では無いはずだ。
殺すつもりは無かったが、誤って殺したかも知れない。
それとも、小山内教授の研究の結果を既に手に入れ
目的を達成したから、殺したとも考えられる。
目的を達成していたならば、私を必要とはしない筈だ。
小山内教授の研究がどの様なものだったのか、所轄さんに聞かなければ、話が進まない。
刑事から貰ったメモには、所轄さんの電話番号と、住所が書いて有る。
住所を調べて見ると、意外に近い場所である。
歩いてでも行ける距離だ。
私はさっそく、所轄さんに電話をした。
果たして出てくれるだろうか?と言う不安はあったが、、、、。
「はい、お電話ありがとうございます。◯◯商事の所轄です。」
と簡単に出てくれた。
仕事中みたいだった。
私は初対面の人に電話に、言葉がすぐに出てこない。
「あのー〜私、、、。水原と申します。所轄さんでしょうか?」
「はい、所轄です。ご用件はなんでしょうか?」
と、所轄さんの返答はハツラツしている。
営業マンみたいな感じだ。
「あのー〜要件は、、、小山内教授の事をお聞きしたいのですが?」
「警察の方ですか?それなら、明日お会いすると約束したのですが?今日は出張で帰りが遅くなるのですが?」
「私、警察の者では無いです。以前、小山内教授と一緒に研究していた者です。でも、、、、。」
私は記憶を失った事について知らせた方がいいかどうかを迷った。
「何故、小山内教授と一緒に研究していた人が、私に小山内さんの事を聞くのですか?おかしく無いですか?」
「実は、私ある事で、記憶を無くしたのです。」
「今、仕事中なので、明日刑事の人に話しますので、申し訳ないのですが、電話切りますね。では」
私は、所轄さんに警戒されたみたいだった。
当然と言えば当然。
小山内教授は殺されたのだ。
所轄さんも警戒するであろう。
明日刑事さんと一緒に、所轄さんに会いにいこう。
私は、警察署に電話かけ、竹中刑事にその旨を伝えた。
次に考えたのは妹と家族の事だった。
刑事に家族の事を調べて貰っているが、もし偽の家族であったら、
本当の家族は何処にいるのか?
不安と恐怖に襲われた。
もし、偽の家族であり悪の組織の人達ならば、私を襲い、拉致しにくるかも知れない。
小山内教授の遺体が発見されたのは、悪の組織にとって誤算の筈だ。
私をこの部屋で監視する意味は無くなったのでは無いだろうか?
何故、悪の組織は私をこの部屋で私を監視したのだろう?
私が他の研究員と接触すると思っていたのだろうか?
という事は他にも研究員はいると言う事であろうか?
では何故、他の研究員は、私と小山内教授の捜索願いを出さないのだ?
疑問は深まっていくばかりだった。
ここの部屋にいては、危険だ。!
もう一度警察署に行くことを決めた。
警察署に着くと田中刑事が出迎えてくれた。
千秋さんと話しが出来たみたいだった。
千秋さんは快く話をしてくれたらしい。
連絡先も教えてくれたと言っていた。
ただ、小山内教授の事は余り知らないみたいであった。
千秋さんが語ったのは、
以前、私が千秋さんに話した事で、千秋さんはそれを刑事に伝えていた。
「千秋さんに電話をしたいのですが、いいでしょうか?」
と私は聞いてみた。時刻は17時を過ぎていた。
「では、私が電話してみます。」
田中刑事は電話をした。
直ぐに千秋さんに電話が繋がり、私は田中刑事に代わって話しをした。
「千秋さん、今日はご苦労様でした。もう一度、私から聞いた小山内教授の事教えていただきたいのですが、、、、」
「学君から聞いたのは、ある女性と小山内教授は関係が深いのでは無いか?と言っていたよ。
それと、夢の研究をしていて、その夢を実際に見せる事に成功したとも言っていた。
それと、役者を使って劇の練習もしたと言っていた。
夢を見させてあげた人からお礼として
5000万貰ったって言っていた。
研究所は前の場所から変わったとも言っていた。
それと、そのお金で皆んなで旅行したとも言っていた。
学君は行かなかったですね。」
「お礼に5000万もくれたのですか?
それほど凄い事をしたのですか?
信じられない、、、」
と、私は絶句した。
それほど凄い物であったならば、悪の組織が狙う筈である。
ところで、劇の練習って何?(この部分は拙出の小説「騙された女」にあります)
その時、竹中刑事が帰ってきた。
私の両親の事がわかったのだろうか?