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(新)ブラックドクター(5)(2分で読めます)


ブラックドクターの事務所は、
高級マンションの一室である。

(詳細は省略し、二人の会話中心に伝えていきます)

「見せてくれないか!その宇宙人のスーツという物を」

ブラックドクターは、ソファーに座るなり性急に聞いてくる。
彼は、地球に宇宙人が居るという事を
認めているのだろうか?

松原千恵子もおもむろにソファーに腰を掛け
黒のカバンをテーブルに乗せ、スーツを取り出して
見せ、機械音の様な無感情のトーンで言う

「このスーツを着ると何でも変身出来ます。
ある人が宇宙人から貰ったそうです。
その人がこのスーツを着て、物凄いイケメン男子になりました。実際の容姿はもちろんイケメンではありません」

「これを着て、イケメン男子になった?・・・
一見すると、このスーツはウエットスーツみたいだな。
頭から被るのか?  どの様にして着るのか?
チャックは何処だ?どの様にしたら開くんだ。」
と、子供がおもちゃで遊ぶ様に
スーツを触っている。
「なるほど、手触りは地球には無い生地みたいだな〜」
と、嬉しいそうな表情浮かべる。

「私も、このスーツの着方は最初解らなかったのです。
真ん中の所を縦に指でチャックを下ろすみたいにしてください。
そうすれば、開きますよ。」

「この様に、指で触るだけで良いだな」
と、言いながら彼は指を下に降ろした。
するとスーツは刃物で切られた様に開く。
「スゴイ」
と、小声ではあるが、ブラックドクターの驚きの声。

「これを着れば、自分の想い通りの姿になれるだな。
これを僕にくれのか?報酬の代わりに・_・」

と、瞳を輝かせ頬を緩ませ、松原千恵子を見ている。

「いえ、これはお貸しするだけです。譲る事は出来ません。
これは私の物では有りませんので・・・」
と、冷めた言い方である。

「貸すだけ?・・・・」

と、不満な表情で松原千恵子を見つめる、
ブラックドクター。

それはまるで、子供がおもちゃを取り上げられたかの様な仕草だった。
次に続く



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