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変身スーツのその後(6)(一分で読める小説)

憎き上司は、私を目敵にしているのか?と思うぐらい虐めてくる。
女性社員には色目を使い、男性社員には厳しく接する。
私は上司よりも歳上だが、彼は一流大学、
僕は高卒。
学歴も歴然の差がある。
パワハラで訴えたいが、それも事情が許さない。
彼の弱点は、結婚している事である。
しかも、社長令嬢との結婚。
彼は、女好きで独身の時は、
多くの女性と関係があったと聞いている。
結婚した今でも女好きの彼は、
妻の目を盗みアバンチュールを楽しんでいる。
彼の妻は、頭が弱くおまけに病弱で
外に出掛ける事は少ない。
それを良い事に、彼は不倫を楽しんでいるのだ。

私は美女となった今、彼にハニートラップを仕掛ける。
そして不倫の現場の写真を、彼の妻に送ってやるのだ!
これで彼は終わりだ。
私は、上司がいつもいる「バー・テキーラ」を目指してタクシーを飛ばした。

時刻は20:00を過ぎていた。
上司は毎夜の如くこの「バー・テキーラ」に訪れている。
ここに来る女性目当てである。
此処に来る女性は、さほどの美女は来ないのだが、
男を求めて簡単に男の誘いに乗る女性ばかりで
男達の中では「入れ食いの店」と揶揄されている。

以前、私もこの店に来たのだが女性達から
相手にされなかった。
上司から「いくら『入れ食いの店』でも餌が悪いと釣れない」
と、からかわれ、虐められた。
今宵も彼は獲物を狙いに店に居るのか?

店に入ると、私は何人かの男達の視線を感じた。
上司はカウンターで一人でグラスを傾けている。
私は上司を誘惑するかの様に見つめた。

…必ず仕留める…
私は獲物を狙う冷酷なオオカミの心になっていた。

次に続く



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