(再掲載)私は誰⁉️(17)(失踪届?)二分で読める小説
気になるのは、自分の職場だ。
職場は私の失踪届を出していないのか?
何故職場の人達は、私の捜索をしないのだろう。
失踪届が出して無い以上、職場に「私が発見された」言う報告はされてはいないはずである。
私が失踪してから十日以上過ぎている。
どの様な、職場なのか分からないが、私は無断欠勤になっていないのか?
普通は、捜索するであろう。 不思議である。
もしかすると、警察に捜索願いを出しているのかも知れない。
一度、警察に行って、この前の刑事に私の捜索願いが、
職場から出ているかどうか?を聞きに行こう。
自分の職場やどの様な仕事をしていたか、
分かるかも知れない。
病院からの帰り道の間、僕はその様な事を考えていた。
時間が経つの早いもので、部屋に着いた時は、午後の7時だった。
途中で妹と食事をしたのだが、
気にかかる事が多すぎて、
何を食べたのかすらも覚えていない。
もしかすると、頭に損傷が有り、記憶が飛ぶのだろうか?
今日も妹は私の部屋に泊まる。
嬉しい様な、嬉しく無い様な、
変な気持ちだ。
妹に聞いた。
「ケイコは友達とか、付き合っている人とか居ないの?」
「女友達はいるけど、ボーイフレンドは居ないわ。
どうしてそんな事聞くの?」
「ケイコは美人だから、ボーイフレンドが一杯いるのかな?と
思って聞いただけだよ。居ないのなんて、信じられないよ。」
ケイコは嬉しそうに答えてくれた。
「会社の男の人達に、私ね、人気あるのよ。
いつも、可愛いって言ってくれるの」
その仕草が可愛かった。此の子なら、男子にモテるかも知れないと
思ったが、妹だったら僕の彼女には成れない。
本当に、複雑な気持ちだ。
今日も、一緒の部屋で寝るのだ。場所は違うけど、、、。
妹に僕の事を詳しく聞こうと思って質問を考えていたのだが、
思いつかない。仕方がないので、妹の事を聞いた
「あのーーー。ご趣味は何でしょうか?」
(お見合いか!)と心で叫んだが、いい質問かも知れない。
「趣味、、、?そうね、カラオケで歌う事かな。
それと、、、。あんまり無いな、、。」
「僕の趣味って何だったか?知っている?。」
「お兄ちゃんは、将棋をやっていたよ。
それと、麻雀も。将棋は強かったみたいよ。
大会で優勝していたよ」
此の言葉が本当なら、僕は将棋の有段者かも知れない。
でも、将棋の記憶は残っているのだろうか?
そういえば、本箱に将棋の本が何冊もあった。
少しは、自分が見えてくるかも知れない。
此の様な事を、知っているのは、本物の妹か?
それとも、僕の調査をして知った事なのか?
将棋の本をみて、僕が理解できるかどうかを試そう。
話は、それからだ、、。
将棋の本を手にとってみた。
何となく分かる。
次に詰め将棋をやってみた。将棋の記憶は飛んではいなかった。
駒の動き方も覚えているし、ルールも知っている。
不思議としか、言いようが無い。
将棋は覚えいるのに、何故 他の事が思い出せないのか?
でも、一つ一つを根気よく思い出していけば、全て思い出す日が
来るのかも知れない。
しかし、僕の全ての記憶が戻った時どの様な状況になるのだろ?
不安と恐怖を僕は、強く感じた。
思い出さない方が、幸せなのか?
一体、私は誰なんだ⁉️
このままの方が、良いのか。
妹の為にも。