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(再掲載)私は誰⁉️パラレル版(12)ひょっとして阿保な人(2分で読める小説)
沖田は、またも念を押して言った。
「小山内教授には黙っていて下さいよ。内緒の話しですから。
ある日突然、小山内教授が、私に言うんですよ。
『パスポートもっているか?。』と聞いてきたので、
『持ってますよ』と言ったら、
『今から君に夢を見させてあげる』と教授が言うのです。
『まだ夜では無いです』と私が言ったんですよ。」
(何の話!)と岡光子は思った。
「そうしたらね、小山内教授が
『此の椅子に座りなさい』と言うので座ったんです。
そして、
『これから私が君にする事は、絶対に人に言ってはいけない』
と教授が言うのです。」
(なるほど、ここで小山内教授と秘密の約束をしたのか)
と岡光子は思った。
「私の頭にヘッドギアを被せて、
小山内教授は、言ったのです。
『少しショックはあるけれど、我慢して。君の記憶に残った事は忘れたりはしないから』と
訳の分からない事を言われたんです。
殺されたりは、しないだろうと思っていたので
恐怖心は無かったのですが、
急に衝撃を受けて、それからは、私の知らない事ばかりで
なんだか、訳が分からないです。」
「どの様な記憶を転送されたのですか?」
と岡光子刑事が沖田に聞いた。
突然の女の人の声に、沖田は戸惑いを隠せない様子であったが、
「どの様な内容かは、言葉では説明出来ません。
実際にマシーンを使わないと、、。。
これ以上は約束があるので言えません。」
と急に人格が変わった様なトーンで言葉を発してきた。
「ところで、アメリカで貴方は何をしているのですか?」
と田中刑事は聞いた。
「小山内教授を待っているのですが、
困った事に、まだ来ないのです。」
(人格は変わっていなかった。
もしかしてこの人は、阿保なの?)
と岡光子刑事は思った。
「小山内教授は来ませんよ。
小山内さんは、殺されたのですから」
と岡光子刑事は冷静に伝えた。
「小山内教授が殺された⁉️」
またもや驚いている。
(もしかして、痴呆症)と岡光子刑事は思った。
「私、犯人では無いです。殺ったのは誰ですか?」
と、沖田の質問はまた最初に戻ってしまった。
岡刑事は、この言葉は無視して、
最後に重要な事を沖田に伝えた。
そして数日後、沖田総太郎は日本に帰って来た。
警察署に訪れて来た沖田に
小山内の暗号の日記を見せた。
沖田は、言葉も発する事が出来ないぐらいに
動揺している。
(ハメやがって)