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(再掲載)私は誰⁉️パラレル版(13)記憶が戻る(3分で読める小説)



私は刑事から呼び出しを受けた。

「本件の重要参考人が見つかったと、直ぐに来て欲しい」と催促された。

私は、取るものも取り敢えず警察署に向かう
出迎えてくれたのは、女の刑事であった。
岡光子と名乗られて、私も名を告げる。

「初めまして、水原学と言います。よろしくお願いします。
今日、田中刑事からお聞きしたのですが、
小山内教授を殺したと思われる人がいるみたいで、、、。」

「まだ、犯人と決まった訳では無いのですが、、、、、。
 しっかりとした、証拠も有りませんし。
 ただ、水原さんの記憶が回復するかも知れません。
 もしかすると、水原さんの記憶に犯人の手掛かりになる情報が有るかも知れないと思い、今日水原さんに来て頂いたのです。」

 「私の記憶が回復するのですか?。
  本当に、そんな事出来るのですか?」

 「小山内教授の作ったマシーンは記憶の伝達以外に、
  その人の記憶を蘇らせる事も出来るということです。」

「誰がマシーンを動かせるのですか?」

「それは、貴方と一緒に研究していた人が、
あの資料の意味を解読し、マシーンを操作できるのが分かったのです。」

「でも、その人が小山内教授を殺した人でしょ。
私の記憶を戻す事を承知したのですか?」

「それが、その人痴呆症でして、
記憶が、あまり無いのです。貴方の場合は、衝撃を受けた物ですが、
あちらは病気か、先天的な物です。」

信じがたい話であったが、自分の記憶が戻るので有れば、
断る理由も無い。
私の記憶が戻れば、
家族への疑いの事も全て解決するし小山内教授を殺した犯人も分かる。
良い事ばかりである。

私と岡刑事は、以前訪れた研究所に向かった。
運転したのは佐々木と名乗る刑事だった。

研究所に着くとそこには見知らぬ男と、田中・竹中刑事の計三名いた。

「こちらが、沖田総太郎さんです。」
と田中刑事が紹介してくれた。

私は彼を思い出そうと努力したのだが、思い出せない。

「お久しぶりです。水原君、私を覚えていませんか?」
と嫌な感じで聞いてきた。

「申し訳無いです。記憶を喪失したので、憶えてません。」

「それは、お気の毒ですね。
でも今日で記憶も戻りますよ。」

と、薄笑みが不気味であった。

「この、椅子に座って下さい。
今から貴方の記憶を呼び戻します。
 頭にこれを付けます。怖く無いです。
 しばらくの間で記憶が回復しますよ」

 と、意味深な言い方である。
 私の記憶が回復したならば、困るのは沖田君では無いのかと思いながら、
私はその時を待った。

 私はヘッドギアみたいな物を被せられ、
まるで電気椅子で処刑される気持ちに襲われたが、
刑事もいるのでその様な事は無いと、信じていた。

 頭に衝撃を受けた。色んな映像が蘇る。
 両親の顔もハッキリ見えた。
 妹の可愛い顔も。
 大林さんと将棋をしている場面も見えた。
 小山内教授と一緒に研究し、
 笑いあってる顔も映っていた。
 今までの経験した事が、
瞼の裏で蘇り懐かしい思いに耽った。


 そして、終わりかけに見たものは、、、、。
 信じる事が出来ない映像だった。

 そして私は、自動車に撥ねられた。

今、見たものは本当の事であろうか?
信じる事が出来ない。

気がついた時に最初に見たものは、
沖田総太郎の顔だった。

彼は、私を見ている。

「水原学君、この小山内教授の書いた日記に全て書かれてあったよ。
暗号で書いてあるのは、君に読まれたく無かったからだ。」

「何て書いてあるんだ?」
と沖田総太郎に聞いた。

「読んで聞かせてやるよ。」

彼の勝ち誇った顔は、今までの私への恨みのものなのか!

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