変身スーツ(1) ユニシロシリーズ(2分で読める小説)
変身スーツ(1)
「今日はすごい物が入荷したよ。これはすごいよ。」
と、店主が嬉しさを隠せないのか、独り言なのに
声が弾んでいる。
この店は、[知る人ぞ知る知る、だが知らない人は全く知らない店。
そう、あのユニシロだ。]
この店の店主はお客様には、にこやかに接して来るとの評判である。
店主の歳の頃は30過ぎであろうか?
身長は男性にしては低く160cmも無いみたいで、
少し小太りの、丸顔で眼鏡を掛けている。
顔は、イケメンにはほど遠く
憎めない顔である。
だが、モテる顔ではなく
恋人も居ない独り者である。
この店には女店員がいるのだが、
彼女は店主よりも背が高く165cm以上ある様に見える。
細身の身体であり
スタイルも顔も良いのだが、
ただ、無愛想で表情も暗い。
いわゆる、可愛げの無い女性だ。
そう、女優で例えるならば、
エラの取れた小雪に似ている。
そんな事はさて置き、一体何が入荷したのか気になる。
「お〜い、松原くん。ちょっとこっちに来てくれ。」
と、店主は女店員を呼びつける。
ゆっくりと近づき歩き
表情も変えずに、言う女店員。
「何でしょうか?・・・・」
「この商品を見たまえ、凄いぞこれは、
世界初の商品が手に入ったぞ!」
と、興奮を抑えられないのか、声に力がある。
だが、女店員松原千恵子は冷静に見つめていた。
「これが、どの様に凄いのでしょうか?」
「これは、何を隠そう、隠しはしないのだが、・・・」
と、笑みを浮かべ女店員を見つめて言う。
「隠しはしないのなら、早く言ってください。
もうすぐお店を開けなければいけませんので・・・」
その声はまるでAIの音の様に声には愛が無い。
「これはね。ある宇宙人が私にプレゼントしてくれたんだ。
解るかね、宇宙人から貰ったのだ、いくら君でもこの事を聴いたら
驚くだろう。なあ、君びっくりするだろう🫨‼️」
「宇宙人からのプレゼントですか?それはびっくり‼️です。」
と、驚きの表情も無く、音程も変えず一本調子で話してくる。
「もっと驚いてくれよ。宇宙人から貰ったんだよ」
「そうですか、それでそれをどうなさるのですか?
売るのですか?どの様な商品なのですか?」
と、一切表情も変えずに
一方的に質問を浴びせてきた。
次回に続く