幻のメンター
自分の今を考えたとき、ターニングポイントはいくつかありました。
シューメーカー・レヴィの木星衝突もありますが、もう一つ、有りました。
そして、今考えてみるに、私にとっての「のだめのおばあちゃん」的存在。
それは、将来を見据えての、なすべきことを示唆した、メンターとの出会い。
何故か、ふと思い浮かんだので、書いてみようと思います。
そう、これが、直観です。
いや、直感かも…。
横で、カーライルがにやにやしているのが、すごく気になる…。
―――――――――― ここから ――――――――――
むかしむかしのお話。
幼馴染が横浜に住んでいて、横浜の街で遊ぼうということになり、横浜駅で待ち合わせしていました。
待ち合わせ時間よりかなり早く着いたので、駅ビルの中でも見て回ろうと思い、あちこちうろうろと歩いていました。
ドトールを見つけたので、ホットコーヒーを飲んでいたのですが、持ってきた本を読むにも飽きてしまいました。
まだかなり時間があったので、面白い店でもないかとふらついていた時、「占い通り」というところに行きつきました。
「どんな占いがあるんだ?」
いたずら心を起こして、その通りに入っていきました。
タロットや水晶、四柱推命など、よく知る占いが立ち並ぶ中、通りの一番外れに『易占』と看板を出していた、一軒の占いのコーナーがありました。
齢60歳くらいで白髪の老人が、おいでおいでと、手招きしていたのです。
夜なら、恐怖映画の一場面というところでしょう。
周りに人がいなかったので、人差し指で自分自身を指し「私?」とゼスチャで示したところ、首肯されたので、恐る恐る、近づいていきました。
私 :「何でしょうか?」
老師:「ちょっと座らんかね?」
私 :「は?」
不思議な縁
老師:「まあまあ、ちょっと座らんか」
こうして、私は導かれるように、老師の前に座っていました。
私 :「何でしょう?」
老師:「ちょっと、手を見せてごらん」
私 :「私、お金は余り持っていませんけど…」
老師:「心配は、せんでいいから」
老師は、押し抱くように、私の右手を老師の両手で包むように取り、私の手の気の流れをチェックしていました。
老師:「ほうほう」
私の手から出ている気をチェックした後は、手相をチェックしていました。
老師:「ほお、ちゃんと止まっているか…」
気の流れ、手相等、一通りチェックが終わった後、おもむろに老師が口を開きました。
老師:「本は、読んでおるか」
私 :「はあ、今は、老子を読んでいますが」
老師:「そうか。それもいいが、四書五経を読みなさい」
私 :「四書五経ですか?でも、何で?」
老師:「お前さんは、将来、多くの人の上に立つことになる。そのために、帝王学が必要なんじゃよ。四書五経は、そのための導入となるものじゃ。後は、必要に応じて出会うじゃろう」
私 :「わかりました。でも、何故、そんなアドバイスをくださるんですか?」
老師:「さてな。何故じゃろうな。じゃが、そうしたアドバイスは、もらったことは、ないじゃろ?この先、必要な時に、必要な人や、物や、本などと巡り合うじゃろうから、それを大切にすることじゃな」
それからの展開と進化
お代はいらないということで、老師のやさしい目に見送られ、その場から立ち去りました。
その後、四書五経の他、孫呉の兵法書などなど、古典を買って読むようになりました。
とはいっても、この頃は未だ、意味が連鎖的に繋がるほどの経験値もなく、字面を追うだけではありましたが。
法の書も、キバリオンも、エメラルドタブレットも、タロットも、全部、それぞれが時期を選んで手許に来ました。
衝撃の出会いの後、また、あの老師に会いたいと思い、横浜駅に何度か足を運んだのですが、あの老師には、全く会うことができませんでした。
占い通りに店を開いていた占い師の方に、消息を尋ねたところ「そんな老人の占い師は、見たことないけどね」…。
「え…」
それから、それこそいろいろありましたが、四書五経の中でも易経を深く追及するとともに、タロットリーディングを使って、人の自己選択と自己実現をお手伝いすることが、使命の一つとなりました。
老師の言葉通り、未だに、必要な時に必要な、物、事、人に出会います。
そして、磨かれた直観は、少し先の時間を視通します。
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