ひまわり学生運動から10年、“ヘビメタ国会議員”フレディ・リム(林昶佐)が引退
2014年3月18日に起こった「ひまわり学生運動」から、今年で10年ということで、いくつかnoteを書いています。
↓ そもそも「ひまわり学生運動」とは? そこでオードリー・タンさんはどんな貢献をした結果、政府に入るきっかけとなった?
↓「ひまわり学生運動」で頭角を表した若者たちが、チームを組んで連帯しながら今年の立法委員(国会議員に相当)選挙に立候補した件
「ひまわり学生運動」を機に政府に入った人物、フレディ・リム(林昶佐)
そんな「ひまわり学生運動」を機に、オードリー・タンさんも参加するシビックハッカーコミュニティ「ガヴ・ゼロ」と交流し、参加するようになったのがヘヴィメタルバンド「ソニック(閃靈 CHTHONIC)」のボーカル、フレディ・リム(林昶佐)さんです。
フレディさんはその後2015年に、仲間たちと新党「時代力量」を設立し(現在は離党)、翌2016年には立法委員(国会議員に相当)選挙で当選されました。
オードリー・タンさんを追い続けている私からすると、オードリーさんが政務委員として台湾の行政院(内閣)に入った2016年に、フレディさんは立法委員として立法院(国会)に入ったということになります。
しかも、お二人どちらにとっても、大きなきっかけが「ひまわり学生運動」だったということです。
オードリーさんは内閣で、フレディさんは国会で、それぞれ「オープンガバメント」を推進
「ひまわり学生運動」は、政府がブラックボックスのうちに物事を進めてしまったことに対してまず学生たちが声を上げ、それから多くの大人たちが加わり広がったデモでした。
「ひまわり学生運動」後に政府に入ったオードリーさんとフレディさんはそれぞれ、政府内の「オープンガバメント(開かれた政府)」を推進されたのです。
オードリーさんは2020年5月に行政院(内閣)内で「オープンガバメント・国家アクションプラン」を通しており、それと同じタイミングで立法院(国会)にもオープンガバメントを推進するタスクフォースが結成され、フレディさんもその主要メンバーの一人として「国会オープンアクションプラン」を通しました。
詳しくは拙著『オードリー・タンの思考』に書いていますが、世界75カ国と104の地域が加盟するオープン・ガバメント推進組織「オープンガバメント・パートナーシップ(Open Government Partnership)」に、会員国にはなれずとも(台湾は、中国の圧力で様々な国際機関に参加できずにいる)、サミットへの参加といった形で交流を続けています。
ちなみに、日本は加盟していません。
↓2020年5月に掲げた20の目標を、3年ちょっとで17項目達成するところまで来たとのこと。
オードリーさんとも仲良し
↓ 台湾版の雑誌『ELLE』の企画で、オードリーさんと、ご自身の妻ドリスさん(同じく、バンド「ソニック」のベーシストでかっこいい)と一緒に朝ごはんを食べるフレディさん。
↓ソニックのステージにオードリーさんがオンライン出演するなどw
2024年1月の立法委員選には立候補しない意思を表明していたフレディさん
活躍を続けてきたフレディさんですが、2024年1月に行われる立法委員選には立候補しない旨、前年2023年3月のうちに声明を発表されていました。
主な理由はご家族の健康(細かくは公にしたくない)と、次の世代に交代していきたいというお話でした。
そう決意されてからのフレディさんは、次の世代への応援に全振りしていかれました。
↓ 選挙前に若者たちに付き添い、選挙活動を支援するフレディさん
↓ 最後の国会を終えた日の投稿「正式にログアウト、さようなら(また会おう、のニュアンス)」
↓ 8年間を振り返る動画。最後まで本当にかっこいい国会議員さんでした。
↓ 引退した後のフレディさんがバンド「ソニック」として出演した高雄で開催された音楽祭「大港開唱」を、まさかの蔡英文総統が訪問!というのも台湾でニュースになりました。
↓ うまく表示されるか…フレディさんのInstagramもおすすめ! 見事なシックスパックでステージでガンガン暴れ回るフレディさんの姿が見れます
↓ 激務のなか、娘さんを育てている姿も最高です
↓ ソニックの歌もぜひ!
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