神宮輝夫先生、巨星墜つ
わが尊崇する天沢退二郎先生が「巌谷小波文芸賞」を2014年に受賞なさった日に、天沢先生のご厚意で授賞式に出席させて頂いた。その時に憧れの方とお会いすることができた。審査員の先生の中に、憧れの神宮輝夫先生がいらしたのだ。天沢退二郎先生のご紹介で、パーティの席でじっくりお話し出来たのは、私にとって何よりも感激だった。神宮輝夫先生の翻訳なさった「プリデイン物語」「ウォーターシップダウンのうさぎたち」などを貪り読んだものだった。自分の中では「指輪物語」「ナルニア国物語」を翻訳された故瀬田貞二先生と並ぶ二大憧れの方。そういう意味では、復刊の仕事を始めて、お会いする前には、どんな有名な漫画家の先生や芸能人と会うより緊張した。そんなご縁で「コルとしろぶた」などの神宮輝夫先生の翻訳書を数点復刻することができた。そんな神宮輝夫先生が8月4日にお亡くなりになられたと知る。岩波書店と青山学院大学から発表になった。復刊の仕事を離れてからはお会いすることもなかったが、まさに巨星墜つが実感である。この写真は式典の際に偶然写していた神宮輝夫先生が、向かって右から2番目に写っている写真。忘れられない思い出である。
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