右側に気をつけろ(remix)

どっちから見て右?おれ?あなた?おれたち?

夜ってやつは、ここ何十億年も、一度も、遅れることなく、絶対に、やってきています。
朝は、よく遅れてくるんだよね。
夜に、離れたくない人がいるなら、
今、俺たちはどうしたいのかを聞いてみればいいのさ。
weの理論。ロードムービーの流儀。夜の掟。

つまりさ、これ以上落ちようのない、疑いのない地上に立っている我々は、
古い時の層から立ち上るものに目を向ける必要がある、その必要に必要なものは、死か死に近い経験をすることとある。
なぜ必要か、人は常に考えるべきだからだ。
何が違うのか、違いはどこにあるのか。
例えば白痴と男と人の違いはどこにあるのか。
この音楽は、この食事は、この文章は。
じっくり聞いて、じっくり見て、じっくり生きていてほしい。

言葉は便利なもので、装飾や解説に使えてしまう。仕えてもしまう。
南米の作家曰く、本はすでに書かれている。我々は解説を加えればいいと。
だから、私は付け加える。
こんな段階でそうせざるをえないその、途方もない自信のなさが伺えてくれたまえよ。

ゲーテの最期の言葉は、なに?
「いい加減にしろ」
君が神はどこにと聞いたとのならば
あの人は君の足元に転がっている死体を指差して言った
いつ殺したか覚えてないの?
多分、200年前。それか、よりももっと最近か。

時の層とは、なんの層?地層?地層があるなら、
地球はいつか、僕達の生活の跡や、東京やニューヨークや高田馬場を飲み込んで、大きくなるのかな。それとも、沈んでしまうのかな。
地層があるなら、空層はどうだろう。
空の先には、古い空の、古い生活が出土するかもしれない。出空か。それが、UFOなんだって。
宇宙が広がっているのではなくて、地球から、古い宇宙に、空に潜っていっているだけなのだ。
もしくは、空の層の中の石ころが地球で、あるのか。
どっちが傲慢かは、どっちもだと思う。
さて、時の層だけど、僕が思うに、脳みそである。
脳味噌は、脳み層から来ているらしい。
ぼくたちは堆積していく、古くなっていけばいい。
もう忘れているから、今覚えているのは、あの頃知らなかったこと。僕はもう違う人間なのだ。
ぐちゃぐちゃになって解けてない記憶や言葉や体験だけが残ってる。
あなたのぐちゃぐちゃを知りたいけれど、それを解くと、あなたから、消えてしまうかもしれない。

今の日本の、憧れのセレブ生活ってなに。
例えば、1987年のフランスの憧れのセレブ生活は、
パリへ高級車で向かい、パーティーに出て、コッポラなんかと話しちゃったりするんだって。
今の日本の、憧れのセレブ生活ってなんだろう。
お金の心配がないことだけが、心配で、金を持つことを勝手に不幸みたいにして、持ってないことを幸福に当てはめて、憧れずに、蔑み合う流れの方が多いのだ。他人の幸福にコメントして、貶して、他人の不幸にコメントして、慰める。
偽善者なんか、可愛いもんだ。
ぼくはもっと問題だと思うのは、偽幸者。
偽善者は、他人を騙すものだけど、
偽幸者は、自分を騙すだけなのだ。
これは何よりも悪ではないか。

光は背後から夜を襲う。映画のようだ。
洞窟の寓話ですか?
さあ、ここまで、登場した人物、今何人目?
正解は、あの人が1人、君が1人、あなたが1人、俺が6人いたから、9人でした。

ゴルフは荷物が多い。奴隷のためのスポーツだ。

宇宙に織り込まれた人間であるかのように
ゴダールに織り込まれていく思考があった。

フランスの映画監督曰く、
(沈黙は続かない。永遠に終わる沈黙は、膨張し、人の秘密は現れる。)
音楽は、常に存在する。
人が生まれる前からあるささやきとは。

『soigne ta droite』(Jean-Luc Godard,1987)



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