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営業のヒアリングとは何か?

どうも!とっくんです!

現在、人事労務系のSaasを提供している会社で、エンタープライズ領域のフィールドセールスをしています。

法人営業はかれこれ4年目に突入するのですが、日々営業とは難しいなと葛藤しております(笑)

さて、同じ営業を生業としている方にとっては、「ヒアリング」という言葉はよく耳にすると思います。

ただ、僕が法人営業を始めた時は、『ヒアリングができた』とはどういう状態なのか、が疑問でした。

自分ではヒアリングができていると思っていても、成果の出ている諸先輩方から「ヒアリングが十分ではない」と指摘いただくこともありました。

今回はそんな「ヒアリング」について僕らなりの考えを書いていこうと思います。

なお、結論としては、「誰のどんな問題を解決するのか?」を把握できた状態だと考えています。


1. ヒアリングはインタビューではない

4年目にもなると、「商談のヒアリング内容についてフィードバックください!」と後輩からお願いされることも増えてきます。

そこで、実際の商談録画を見てみると、確かにヒアリングはしているのですが、インタビューのようなヒアリングをしていることがあるのです。

僕はこれを「ヒアリングができている」とは言えないと考えています。

インタビューのようなヒアリングとは、基本的に一問一答形式で顧客に質問をしているだけで、会話になっていないヒアリングのことです。

もちろん、顧客は質問に対してしっかりと答えてくれるのですが、一問一答では質問の意図を汲み取れずに回答がずれてしまったり、本来知りたい情報が引き出せなかったりします。
加えて、人によってはインタビューのようなヒアリングはイライラすることもあります。これは何の時間なんだろう?と思ってしまうのです。
(僕はこのタイプです笑)

ヒアリングとは「顧客の課題解決のために必要な情報を引き出すこと」なので相手が気持ちよく答えてくれるようにすることや、質問の意図も伝えて答えやすいようにすることが重要です。

2. ヒアリングはストーリーにする

おそらく、営業の皆さんであればヒアリングシートのようなものを作成していて、顧客に何を聞くのか?を事前にリストアップされているケースは多いと思います。

これはすごく重要なことだと思うのですが、ヒアリングシートを意識してしまうと、どうしてもインタビューのようなヒアリングになってしまうと僕は考えています。
というのも、ヒアリングシート自体が一問一答形式だからです。

そのため、僕はヒアリンシートを用意はしていますが、ストーリーにしてヒアリングを進めるようにしています。

例えば、経費精算を紙の領収書で実施している顧客に対して、ヒアリングをするとします。

【インタビューのようなヒアリング】
Q. 紙の領収書で経費精算することで、困っていることは何ですか?
A. 経費処理に手間がかかることです。

【ストーリーのようなヒアリング】
Q. 紙の領収書で経費精算をすると、領収書の内容を経理システムに転記する手間だったり、従業員から領収書を紛失したという問い合わせがあったり、とすごく大変じゃないですか?
A. まさにそうなんです。他にもこんな問題があります。

上記のような感じで、ストーリーのようなヒアリングでは、顧客の現場で起こっていることを想像しながらヒアリングを進めます。

そうすることで、顧客からは「この人は分かってくれている」という安心感と信頼感が生まれ、しっかりと答えてくれます。
また、ストーリーにしてヒアリングすることで、こんな感じで答えれば良いんだというイメージも湧くので、答えやすくなります。

なお、このヒアリングはある程度、顧客の現場で何が起きているかを知っておく必要があります。

3. ヒアリングには2種類ある

さて、ヒアリングには2種類あります。
この2種類というのが「使い手へのヒアリング」と「買い手へのヒアリング」です。

企業において基本的には、サービスや商品を使う「使い手」と、サービスや商品を買って良いと承認する「買い手」の2つの立場があります。

この2つの立場は考えていることが全く異なる言っても過言ではありません。

「使い手」は基本的には自分たちのメリットを主に考えます。例えば、業務が効率化されて楽になるとかです。
一方で、「買い手」は会社にとって利益があるのか(投資対効果があるのか)を主に考えます。

「使い手のニーズ」と「買い手のニーズ」は往々にして異なるのです。

そのため、「ヒアリングができた」とは、上記の使い手のニーズと買い手のニーズを両方ヒアリングできて初めて、ヒアリングができたという状態になります。(ただし重要度が高いのは「買い手のニーズ」です)

4. ニーズとは何か?

使い手のニーズと買い手のニーズという話をしましたが、一体全体「ニーズ」とは何でしょうか。

これは一言でいうと「誰のどんな問題を解決するのか?」です。

先の紙の領収書で経費精算している企業の例で話を進めてみます。

現場としては、紙の領収書を処理する手間が大変なわけですから、システム化して効率化したいと考えています。特に年末年始の挨拶回りで営業の出張が増えたり、顧客との接待が増えたりすると、それこそてんやわんやです。

ただ、経営層としては、業務が大変なこと自体は「仕事なので頑張ってくれ」でしかないのです。

一方で、紙の領収書を処理することによって、経費の支払いミスが多発していたり、経理部の残業時間が増えて残業代がすごいことになっていたりすると、これは経営側のニーズに該当します。
なぜなら会社全体の従業員満足度の低下や、人件費の増加につながるからです。

このように、この提案は「誰のどんな課題を解決するのか?」をしっかり把握する必要があります。

この把握が不十分であれば提案自体ができないですし、提案しても課題解決につながらない提案になってしまいます。

まとめ

ということで、長々と書いてきましたが、
『ヒアリングができた』とは、この提案で「誰のどんな問題を解決するのか?」を正しく把握できた状態だと、僕は考えています。

もちろんいろんな意見があるとは思いますが、上記をしっかり把握できていれば、顧客の課題解決につながる正しい提案ができますし、社内の他部署にも提案の協力をお願いするときに、この提案を一言で伝えることができます。

ヒアリングって何なの?と困っている方のお役に立てば嬉しいです!
それでは、また!

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