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大人になると、青空を見る機会は減るのかもしれない。 太陽がちゃんと昇り切る前の朝。まだ淡い白の多く混じった色をした空。意識して顔を上げることもなく車に乗り込み、ハンドルを握る。雨が降っていたら今日は少し気分が上がらないな、なんてことは思っても、わざわざ灰色の空を見上げるようなことはしない。フロントガラスに落ちる水滴とその音で、憂鬱な一日は始まる。 運転免許を取ってから、私の移動手段は車が常になった。徒歩十分の距離にあるスーパーにも車を使う。だって荷物を持って歩くの疲