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エッセイ

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エッセイという日々の気持ち。
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2023年7月の記事一覧

【エッセイ】夏の日に小説を書いていた

 10年ほど前の夏、腕にタオルを巻いて小説を書いていた。  まだパソコンを持っていなかった私の執筆道具は、ノートと鉛筆だった。扇風機を回したとしても、夏の涼を感じることはできないほどの暑さ。まだエアコンが無かった部屋では、扇風機と部屋に入り込む風で暑さをしのぐしかなかった。  保冷剤を握って過ごす日もあった。眠る前に握っていた保冷剤は、朝になるとぬるくなっていて、なんとか眠って夜を過ごせたことに安堵した記憶がある。  当然そんな部屋の中にいれば、じんわりと汗が滲んでくる。

【エッセイ】愛車に変わった瞬間

 社会人祝いとして父から貰った車は、今年で5年目になる。  走行距離の少ない中古の車ではあったが、おそらく10年ほど落ちている。初めて持つ車はそれくらいで十分だろう。当時の私はそんなこと1ミリを考えていなかったが。  今日、その車に不調を感じて車屋さんを訪れた。先日、ブレーキを踏んだ時に急にブレーキが軽くなって、あまり効いていないように感じたからだ。踏んでも踏んでいる感覚があまりなくて、強く踏み込まないと不安になる。ブレーキが効いていないということは無いのだが、いつか効かな