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小説VS漫画リレー作品#01

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小説と漫画で交互に続きを書きながら作品として完成するのか、というゆる~い実験作品です。
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記事一覧

小説VS漫画 リレー作品:第22話(小説)

「あんたは最初から自由じゃないか」  俺の最初とは「いつ」からだろうか? 俺が偽物として生まれた時か、それともソウイチとして生まれた時か。仮にソウイチとして生まれた時だとして、思い返すと自由ではあったかもしれない。大学や家族、周りの評価など面倒な事柄に縛られていたようにも感じるが、結局は死ぬ程深刻な状況でもなかったし、やろうと思えばある程度の事は出来たと思う。けれどもし俺の最初が偽物だとしたらどうだろう? 俺はソウイチを殺して自分を本物にしなければいけない。そんな自分で定め

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小説VS漫画 リレー作品:第21話(漫画)

小説VS漫画 リレー作品:第20話(小説)

 タイヘイの言葉を聞き科学者の死体を見ると、確かに獣にでも荒らされたかのように見えた。実際に獣に荒らされた死体を見た事はないが、イメージで言えば一番近い。 「ボク達化け物は危害を加えられないから違うとして、他にこんな事が出来る生物に覚えがないなぁ。一応野生の生き物もいるけど、ほとんど駆逐されてるし化け物達を振り切って科学者を殺せる生き物なんていたかな……」  クサリがペンギンの死体を見つめながら呟く。それに対してタイヘイがクサリに対して指を突きつけた。 「クサリって化け物にも

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小説VS漫画 リレー作品:第19話(漫画)

小説VS漫画 リレー作品:第18話(小説)

 ポケットから携帯を取り出すと、一件の新着メール。ついでに電源が残り少ない事にも気づいた。 「新しいメールだ……」  クサリが画面を覗き込みながら「なんて書いてるの?」と、興味深そうに尋ねてくる。携帯が存在しなかった時代に生まれたというクサリにはメールの事を手紙に例えて簡単に説明している。実際にメールを見るのは初めてのはずなので、気になるのだろう。 「あれ? この世界ってケータイ使えるの?」  タイヘイが疑問を口に出しながらクサリにつられて画面を覗き込む。 「相手は誰からなの

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小説VS漫画 リレー作品:第17話(漫画)

小説VS漫画 リレー作品:第16話 癌口(小説)

   殺した人間が再び目の前に立つ。ありえない話だった。この世界に来るまでは。あいつは俺を見た時、「コワイ」と言った。突き刺さる、言葉が、心臓を抉る。  俺に抱くのは憎しみではなく、恐怖だとでもいうのか。俺を殺そうとした人間が俺に恐怖するというのか。  言いようのない不安を孕んだ怒りが湧いてくる。だからといって動けもしない。何もできない。目の前にある現実を受け入れるには、あまりに混乱していた。  その現実をタイヘイが殺す。正直、ありがたかった。  受け入れられない事をタイヘイ

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小説VS漫画 リレー作品:第15話 (漫画)

小説VS漫画 リレー作品:第14話 癌口(小説)

「自分だって人殺しのくせに」  その言葉の衝撃に脳が麻痺し、時が止まったかのように感じた。思い出すのはしばらく自分の中でも薄れていた記憶、紛れもなく俺が殺人をしたという事実。 「一人殺そうが何十人殺そうが大して変わらないよ?」  受け入れ難いのはタイヘイの言葉ではない、自分の中で殺人の記憶が薄れかけていた事だ。そして他人が殺人を犯す事に対しては嫌悪を示す自分の中の矛盾。 「何で俺が人殺しだなんて……」  咄嗟に否定しようと言葉を発する。だがタイヘイは俺を見て優しく微笑んだ。

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小説VS漫画 リレー作品:第13話 (漫画)

小説VS漫画 リレー作品:第12話 癌口(小説)

 瞬間、身体が浮いた。と、感じた時にはひっぱられるかのように、底の見えない闇の中へ吸い込まれた。 「……ッ」  悲鳴をあげようにも声がでない。遠くからクサリの声がしたが、聞き取る間もなく落ちていく。上も下も分からぬ中、タイヘイと名乗った男とチェーンソーが先に落ちていくのが見えた。  頭から落ちては死ぬ。頭の中でそれだけを考え、身体を丸めながら両手を後頭部に持っていく。  ――ドプンッ、ドポンッ  粘着性の強い水音が二つ聞こえたと認識できた瞬間、右側頭部から地面……ではなく水の

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小説VS漫画 リレー作品:第11話 (漫画)

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小説VS漫画 リレー作品:第10話(の補足)

小説VS漫画 リレー作品:第10話 癌口(小説)

「こんなものがあったのか……ハハハ……」  ガラス一枚、その向こうに、「空っぽのボク」がいた。もう二度と見る事は出来ないと思っていた。気が付けば涙が溢れだしていた。その涙は歓喜、後悔、怒り、様々な感情が入り混じって濁っているかのようだった。実際流れてきた涙を右手で救いあげ、目の周りを覆っている包帯をずらして良く見ると、灰のような粒子が混じっていた。 「ハハ……久しぶりに見たな……そっかこの涙は……」  ――ボクは勘違いしてたんだな……。 「ねえ、ちょっと僕の左側のポケットを漁