旅のZINE制作について 〜日常の美しさを切り取る〜
先日のお仕事報告の際にも、お伝えしていましたが、私が年末年始に行ったスペイン旅について、ZINEを作ることにしました。
今回は、ZINEを作って伝えたいことについて、記事を書きました。
私が旅を愛する理由
突然ですが、私は旅が大好きです。小学生や中学生の頃から、旅や遠方に行くことに興味がありました。
その理由は、家族で旅行をした経験があることも、もちろん一つに挙げられると思います。しかし、それだけではなく、私自身は幼少期に自分の世界を本で広げてもらえた経験が、大きく作用しているように感じています。
幼少期に、私は本で古代遺跡の存在を知りました。
幼心ではあるものの、あれほどまで存在感のある大きなものを、古代の人々が作ったこと。そして、今とはどこか違うものの秩序を持った人々の社会のシステム。そういったものに、大きく感動していったのではないか、と私自身は思っています。
自分の生きている世界とは違う、でも同じ星のもとで繰り広げられた世界。いつか行ってみたい場所ができ始めたのは、この頃からでした。
中学生になってからは、友人と遊ぶときに乗り回していたママチャリで、帰りを気にしないで漕ぎ続けられるなら、自分は一体どこまで行くことができるだろうと考えました。
大学生になり、自分でお金を稼いで、世界を歩けるようになったとき。それは旅において、親が引いたレールの外に初めて出たときでした。
現地の人と交流をすることで、古代遺跡のある時代ではなくても、自分とは異なる生活スタイルの世界があることを知っていきます。
そして交流をする中で、時間もルートもめちゃくちゃな冗談ばかりの現地ガイドが、一戦力として、戦争に出ていたことを知りました。
どこまでも自由に見えた。
いつも幸せそうに見えた。
そんな人が約10年前までは、武器を背負い戦っていた事実。
きっとたくさんの仲間が傷つくのを見てきたことでしょう。
しかし、それすら受け入れて、彼は真っ直ぐに未来に向かっていました。
彼には幼い娘がいます。
出会ったとき、彼は愛娘のために現地のガイドとして、中国語も日本語もマスターし、韓国語もできるようになろうと励んでいました。
現地ガイドの給料は、何ヶ国語話せるかという点に依存するらしいのです。
戦争を経験したことのない私にとって、彼の過去の傷の大きさは、想像の域を出ません。
それでもカンボジアについて、明るく教えてくれる彼のことを忘れられないまま、約10年が経とうとしています。
同様に、カンボジアで私の先入観がぶち壊された経験があります。
それは、いわゆる貧民、物乞いに対する意識でした。
日本のテレビなどでも知っていた、物乞いという人たち。貧しく、労働ができる環境にもなく、お恵みで生きている人たち。
お腹が空いた。
喉が渇いた。
着る服がない。
だから、彼らは観光地に巣食うように座り込み、私たちの前で手を揺らす。
そう、思っていました。
実際、観光地の両脇をアーチのように埋め尽くしていた彼ら。
右からも左からも、恵んでほしいというように、手を揺らす。
その様子を見て、イメージ通りだと思っていたのに、老人の後ろで子供と一緒に母親が笑い合っているのを見たとき。
私の中で、驚きがありました。
笑っている余裕なんて、ない人たちだと思っていたから。
子供たちは、ズボンも履かずに裸足で辺りを走っていました。
でもその笑顔は、日本の公園を走り回る子供たちと何も変わらない。
そのときに、私は初めて貧富の差があれど、生きる世界が違えど、それぞれに日常があることを知りました。
私の中の乏しい想像力では、貧しい助けないといけない人というあまりにも傲慢なイメージだったのです。
幼少期に読んだ本のように、私の中の想像でしかなかった世界が、旅によって大きく広がった瞬間でもありました。
過去にも、この旅のことを記事にしていますので、興味がありましたらぜひ。
旅を重ねて
たくさんの衝撃を与えたカンボジアの旅。あれから約10年が経過しました。
カンボジアは、私の海外旅としては、3か国目の場所。これまで旅を重ねて、通算17カ国を旅してきました。
アジア、北アメリカ、アフリカ、ヨーロッパ、オセアニア。
それぞれ特色が異なる国々を渡り歩いてきた私は、16カ国目に訪れた国、スペインの旅のZINEを作ることにしました。
そこで表現したいことは、下記のとおりです。
旅先の日常
旅先の美しい景色
今の私たちの日常の愛おしさ
それぞれ説明していきます。
旅先の日常
これまで伝えてきたとおり、旅先にはさまざまな生活スタイルがあり、私たちが生まれ育ってきた日本とは異なる文化にあふれています。
日本の文化と同様に、各国の文化も長い歴史の中で、移り変わりつつも受け継がれてきました。
そういった異なる文化について、伝えたい。
各国の文化に触れることで、これまでの私たちの価値観が壊れることもあるかもしれません。
でも、彼らが日常として過ごす中にある文化は、なぜかそこにあるだけでとても美しく、興味深い。
故に、私たちをどこまでも魅了してくれるものだと感じています。
日本文化を大切にしてもらえたら、嬉しいのと同じように。
私も彼らの文化を大切に誰かに伝えて、その面白さを感じてもらえたら嬉しく思います。
旅先の美しい景色
みなさんは、これまでどのような場所で時を過ごしてきましたか。
学生時代から同じ街に住んでいる人もいれば、大学で親元を離れたり、社会人になるタイミングで引越しをした人もいるかもしれません。
人の住む場所。
そこには、誰かの思い出が必ずと言っていいほど、存在していると思うのです。
何気ない河原の道も、誰かにとっては部活帰りに友人とアイスを食べて帰った道かもしれません。
遺跡なども、太古の昔に、私たちと同じように家族でご飯を食べた場所を教えてくれるかもしれません。
絶景ポイント、インスタ映えスポット。
色々な景色がありますが、誰かにとっての日常を彩った場所。
そういった意識のもと、撮った写真を届けていきたいと思います。
私たちの日常の愛おしさ
これまで紹介してきたとおり、私たちとは異なる環境に身を置く人々にも、私たちと同様の日常があります。
世界各国に息づく日常。
同じような中にも違う側面があったり、違うように見えて本質は似ていたり。
そうやって、誰かの日常を見ることで、自分たちの毎日を省みるきっかけになったら。
そんなことを思って、伝えたいことの一つに私たちの日常の愛おしさを挙げました。
ただ1点ここで大事にしたいと思っているのは、異文化に対して理解できるかどうかで白黒つけるわけではないこと。
ここは違うんだ、ここは一緒だね、とひとつひとつを丁寧に見ていくこと。
ぱっと見で受け入れの可否を判断するのではなく、相手の文化を、一度受け止めてみることを大事にしたいと考えています。
そのうえで、私たちの生活を省みる。
日本と海外ではこんな違いがあるなんて、面白いねとボーダーレスに話ができるようなものを作りたいと考えています。
まとめ
今回は、作成するZINEのテーマについて、書いてきました。
まだZINEの作成を始めたばかりで、いつ頃詳細のご案内ができるかは未定ですが、遅くとも今年中に印刷をかける予定です。
これからもnoteなどで、制作について進捗のお話ができればと思っております。
何卒、お付き合いいただけたら嬉しく思います。
どうかあなたの日常にも、一輪でも花が咲くような心添えができていたら幸いです。