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自作の詩をまとめています。
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記事一覧

『冬の朝』

紅茶から浮かび上がる一本の湯気。 冬の朝の凛とした空気に、一本の柔らかな線を描き出し、い…

Yui
8か月前
48

『朝焼け』 詩と今の私のお話

『朝焼け』 鳥飛んだ まだ青く眠る空の向こう側へと 一羽 夢を見るように弧を描いて 鳥飛ん…

Yui
9か月前
45

『風鈴』 終戦記念日に捧げる詩

『風鈴』 風鈴鳴った まどろむように流れる 夏の空気をくぐりぬけ 砂利道を走る自転車の中…

Yui
1年前
56

『花火』 詩と今の季節に思うこと

『花火』 夜空に咲いた大きな花火 一瞬にして闇の中へ 天高く花開くと たちまち火の花びらは…

Yui
1年前
50

『川の輝き』 詩とちいさなお話

『川の輝き』 橋を渡ると 車の窓から川が見えた 緩やかな曲線を描いて 美しく輝く川が はじ…

Yui
1年前
30

『立夏』 詩と初夏に思うこと

『立夏』 立夏の風にカーテンが揺れる 春の足跡を吹き消すかの如く 見上げた空は 目が覚める…

Yui
1年前
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『春の宵』 季節の詩

『春の宵』 桜は眠る 春のもやに包まれて 柔らかな絹を広げたような春の宵 空と桜が溶け合って 薄紫の夕闇は 滑らかに流れ行く 刻一刻と暮れる空 木々も葉も夕暮れの向こうへと姿隠して 桜は夢見る 春の夜空に身をまかせ 2023.3.31 いつものように車から外を眺めていると、夕暮れの空と桜がとても美しく、しばし見入ってしまった私がいました。 昼間、あんなに生き生きと輝いていた桜たちは、うとうとと黄昏の空に溶け込んでいくような、不思議な感覚に包まれたのです。 その時

『風の中へ』 詩と季節のお話

『風の中へ』 気持ちのよい青空の下 木々がさわさわ揺れている ひとつ 風が吹いた 葉っぱの…

Yui
1年前
35

『春時雨』 

『春時雨』 花びらの上の雨雫 ぽつりぽつり またぽつり 日が差し込めばきらりと光り 風が吹…

Yui
1年前
31

『花曇り』

甘く明るく踊るように 鼻歌を口ずさんでは通り過ぎる風 長い眠りから覚めて 庭を絵画のように…

Yui
1年前
44

『千羽鶴』〜詩と共に新年の抱負を〜

『千羽鶴』 端と端とをそろえて丁寧に 山折り 谷折り そして広げて…… 心を込めて折りつづ…

Yui
1年前
42

『聞きたくて』 〜川端康成『雪国』を読んで詩を綴る〜

『聞きたくて』 聞こえぬ声が聞きたくて 静寂の中ひとり耳傾ける 音のない部屋の中で いつか…

Yui
1年前
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『四季の味』

いちごって春の味 あまくて ちょっぴりすっぱくて 初めて教室に入ったあの日みたいに 白桃っ…

Yui
1年前
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『影絵』

鎧戸を半分閉めた窓の向こうで 洗濯物が風にはためいていた くるくると 風に誘われて踊るもの からんからんと 風と共に歌うもの 穏やかな昼下がりの光のもと 影絵のように揺らめく彼らの姿は 見るものの目を楽しませてくれた そっと瞼を閉じて横になると 洗濯物に言葉をかけながら 物干しに立つ母の姿が かげろうのように まなこにふわりと浮かび上がった