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ホスピタリティケア②ホスピタリティとは

 The Harmony Inc.の認知症ケア『ホスピタリティケア』のご紹介・第二章です。
 前回の記事「ホスピタリティケア①起源」で、当社代表の高橋がご利用者様をちゃんとお客(ゲスト)様として接遇しない介護現場に衝撃を受けて、ホスピタリティを導入したと書きました。
 これからの記事ではそのホスピタリティの視点と技術についてご紹介したいと思いますが、まずは今回の記事で「ホスピタリティとは」についてお伝えしたいと思います。


ホスピタリティとは

 ホスピタリティとは、一般的に「おもてなし」と訳され、お客様を歓待する心や態度を表します。
 「おもてなし」の文化は茶道から始まったと言われており、細やかな気配り・心配りでお客様に喜んでもらおうとする日本のホスピタリティサービスは海外からも高い評価を受けています。今年の東京オリンピックでも海外から来られたメディアやアスリートの方々が日本のおもてなしに感動したといったエピソードが数多く紹介されてましたね。

 髙橋が大手飲食企業でサービスリーダーをしていたときに学んだホスピタリティの真髄は2つあります。

 1つは、「ゲスト様に気を使わせないこと」であり、代わりにサービス提供者側が「気を遣う」ことです。
 もう1つは、「ゲスト様を特別扱いせず、ゲスト様に特別扱いしてもらったと感じてもらうこと」です。

 まず1つの目の「ゲスト様に気を使わせない」「サービス提供者側が気を遣う」ですが、ここで「使う」と「遣う」の違いに気が付いたでしょうか?  
 「使う」は使用のことで、ゲスト様が気を使うとエネルギーを消費してしまいます。せっかく対価を払ってサービスを受けに来てくれているゲスト様にエネルギーを消費させるようなことをしていてはホスピタリティのあるサービスとは言えないでしょう。だからゲスト様に気を使わせてはいけません。
 一方で「遣う」は派遣などの意味合いで用いられます。つまりサービス提供者側は自分の気持ちをゲスト様の方へ送り込むのです。そしてゲスト様側の気持ちに立って、ゲスト様のしてほしいこと・ためになることを考えるのです。他にも「思い遣り」という言葉も「遣」が入っていますよね。人を思いやるという行為は、自分の思いを相手側に送り込む(遣る)ことによって、相手の気持ちを慮ろうとすることなんです。

 まとめると、サービス提供者は自分の気持ちをゲスト様側に送り込み、ゲスト様の気持ちになって、ゲスト様のしてほしいこと・ためになることを考え、実行する。そうすることでゲスト様に気を使わせることなくサービスの提供ができる、ということです。
 
 これが1つ目のホスピタリティです。

 もう1つの「特別扱いせずに、特別扱いしてもらったと感じてもらう」ですが、これだけ聞くと中々難しいように感じるかもしれません。しかし、実はとてもシンプルなことなのです。

 まず、一括りに「ゲスト様」といっても全員が同じ人間じゃないことは言うまでもありません。ゲスト様お一人お一人が個性と尊厳を持った人間であり、価値観や考え方、そしてニーズもお一人お一人で違います。特にケアにおいては、身体状況・家族状況・生活状況・成育歴・経済状況等によって必要なケアの内容や提供方法について大きく変わってきます。その要点を押さえたケアを行うことが重要なのです。

 つまりゲスト様お一人お一人によってケアを個別化し、全員一律のケアではなくパーソナライズされたケアを提供する。それは全ゲスト様について行うので、誰かを特別扱いすることではありません。しかし、ゲスト様にとっては自分にとって最適なケアを考え、提供してくれるので特別扱いしてもらえたと感じることが出来るのです。

 それは型どおりに通所介護計画書を一人ひとりについて立案しておくという意味ではありません。メンバー全員が、そしてチーム全体が、ゲスト様お一人お一人についてのバックボーンを把握・共有し、そしてケア方針について認識が統一されていてこそ発揮できる、もう1つのホスピタリティです。

 The Harmony Inc.では認知症ケアに上に述べたようなホスピタリティの精神や視点・技術をミックスしています。それは次に示す4つのステップを踏みますが、長くなりそうなので「4つのステップ」は次回ご紹介します。

デイサービスの風景


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