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納豆の整腸作用がスゴい!腸活効果と最適な食べ方を徹底解説
「腸活」や「腸内フローラ」という言葉が広く知れ渡り、便秘解消のために腸内環境を整えることが良いということは皆さんご存知のことと思います。しかし、「腸内環境を整えるためにはどうすればいいの?」「整腸作用が高い食材を摂りたいけど手間もかけたくない」「ヨーグルトを毎朝食べてるけど、いまいち効果がでてない」そんな悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
そんな腸活迷子の皆さんにおすすめの食材が「納豆」です。
納豆は、納豆菌に加え食物繊維の効果で腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌を抑えてくれます。結果、腸内環境を整えて便通を改善してくれます。
この記事では、納豆が腸内環境を整えるメカニズム、納豆の健康効果を引き出すための効果的な食べ方について解説します。
便通を改善したいと思っている方、腸活を始めたいと思っている方はぜひ読んでください。
納豆の整腸作用とは?腸活に効果的な理由
納豆が腸内環境を整えてくれるのには、大きく2つ理由があります。1つは、納豆菌が腸内環境を整えてくれること、もう1つは、納豆に含まれる食物繊維が腸に作用することです。
それぞれ解説していきましょう。
納豆菌が腸内環境を整えるメカニズム
納豆を作るために必須の納豆菌。この納豆菌は芽胞と呼ばれる殻(胞子)を作るため、熱や胃酸に強く、生きたまま腸に届きます。
腸内で納豆菌は、乳酸菌やビフィズス菌など善玉菌のエサとなるオリゴ糖を作り、善玉菌の増殖を促進します。一方で、悪玉菌の増殖を抑え有害物質を体外に排出する働きもします。
納豆に含まれる食物繊維が便通をサポート
納豆には食物繊維が豊富に含まれており、1パック(40g)あたりの食物繊維は2.7gです。40gあたりの食物繊維の量を他の食材と比較してみましょう。ごぼう2.4g、ぶなしめじ1.6g、しらたき1.2g、海藻(ほしひじき・ゆで)1.5gと、どれも納豆の食物繊維量と同程度かやや少なめでした。このことから、納豆に含まれる食物繊維が比較的多いことがわかります。
食物繊維は、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に分かれます。
水溶性食物繊維は、腸内での栄養素の吸収を緩やかにする働きがあり食後の血糖上昇を緩やかにしてくれます。
不溶性食物繊維は水分を吸着して膨らむ性質を持ち、腸を刺激して排便を促します。
どちらの食物繊維も大腸内の細菌により発酵・分解され、善玉菌を増やしてくれます。
納豆にはこの水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がおよそ1:2の割合で含まれているので、食後血糖の上昇を抑えながら排便も促してくれます。
乳酸菌との相乗効果で腸内フローラを改善
善玉菌の代表格でもある乳酸菌。納豆をこれら乳酸菌を多く含む食品と一緒に摂取すると、相乗効果が得られます。
納豆菌によって作り出された物質が乳酸菌のえさとなり、腸内の乳酸菌が増え、腸内環境が整うのです。
納豆の整腸作用を最大限に引き出す食べ方
納豆には腸内環境を整えて整腸作用をもたらすことがわかりました。
しかし、いつ食べるとか、どのくらい食べるとか、目安があるのはご存知ですか。どんなに体に良いものでも摂りすぎは禁物です。この機会に納豆の最も効果的な食べ方もチェックしていきましょう。
いつ食べるのが効果的?おすすめは”夕食”で!
納豆の健康効果を引き出すためには、夕食で摂るのがおすすめです。
納豆は善玉菌を増やすことで腸内環境を整え、便通を改善してくれます。実は、腸の働きが活発になるのは、起きてから15〜19時間後と言われています。つまり朝7時に起きた場合、22時〜夜中の2時。したがって、その時間に合わせて善玉菌を増やしておけば、腸の働きがより活発になるというわけです。
便通を良くするためには、納豆は夕食に食べることをおすすめします。
また、納豆のもつナットウキナーゼには血栓を溶かす作用があります。
血栓とは血管内にできた血の塊のことです。これが血管を塞いでしまうと、血液の流れがとどこおり脳梗塞や心筋梗塞を引き起こします。血栓は早朝にできやすいと言われているので、血栓を防止するためにも納豆は夕食に摂るのがおすすめです。
1日の適切な摂取量と食べ過ぎのリスク
いくら納豆が体にいいとはいえ、食べ過ぎは禁物です。1日の摂取量は1パック(40g)を目安としましょう。
納豆にはイソフラボンが豊富に含まれています。イソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンと似た構造をもつため、更年期障害の緩和やアンチエイジングなど女性にうれしい成分です。しかし摂りすぎるとホルモンバランスが崩れて体調を崩す恐れがあるので注意しましょう。
イソフラボンの1日摂取量の目安は70~75mgです。納豆1パック(40g)に含まれるイソフラボンの量は29.4mgなので、多くても2パックまでといえます。
また、納豆はプリン体も1パック(40g)あたり45.6mg含有されていますので、アルコールを飲まれる方、尿酸値の高い方は摂りすぎにご注意ください。とはいえ、プリン体の1日摂取量の目安は400mg以下とされていますから、納豆だけで痛風を発症するリスクはないと考えられます。
納豆と相性の良い腸活食材の組み合わせ
さて、納豆が腸内環境を整え便通を改善してくれること、夕食に食べることでより効果が出やすいことがわかりました。
さらにもうひとつ、納豆の効果を高めるために相性の良い食材についてもお伝えします。
・納豆✕キムチ
便通改善目的なら、納豆✕キムチは最強コンビです。キムチの乳酸菌と納豆の納豆菌の相乗効果で腸内環境を整え、便通を改善してくれます。キムチに含まれるカプサイシンが代謝を促進し、ダイエット効果も期待できます。
・納豆✕チーズ
チーズも納豆と同じく発酵食品のため、相性の良い食材です。チーズにはビタミンAが含まれており、納豆と合わせて摂ることで免疫力アップにつながります。
・納豆✕アボカド
アボカドは納豆に不足しているビタミンCを補ってくれます。ビタミンCには抗酸化作用もあり、納豆との相乗効果で美肌効果も期待できるでしょう。
できれば避けたい、納豆✕◯◯の組み合わせ
一方で、納豆の健康効果を弱めてしまう残念な食べ合わせもあるので、ご紹介します。
なお、こちらで紹介する食べ合わせが「健康に悪い」わけではなく、あくまで「納豆の健康効果を弱める恐れがある」という程度ですので、誤解のないようにお願いします。
・納豆✕生卵(卵白)
卵白に含まれるアビジンという成分が、納豆に含まれるビオチンという栄養素の吸収を抑えます。ビオチンとはビタミンB群に属する水溶性ビタミンの一種で、皮膚や粘膜、髪や爪を健康に保つために重要な栄養素です。納豆と卵を一緒に召し上がるなら、卵黄だけにするか、卵を加熱調理するのがおすすめです。
・納豆✕熱々ごはん
あつあつご飯に納豆、おいしそうですよね。しかし、納豆に含まれるナットウキナーゼは熱に弱く、50℃以上の熱で壊れてしまいます。炊きたてご飯の温度は65℃〜80℃なので、納豆とは別に召し上がるか、少し冷ましてから納豆ご飯にすることをおすすめします。そうすれば、ナットウキナーゼの血液サラサラ効果を損ねる心配がなくなります。
まとめ 納豆で簡単腸活をはじめよう
納豆は、納豆菌の働きで腸内の善玉菌を増やすだけでなく、食物繊維も豊富なため、便通改善が期待できる食材です。さらにキムチやチーズなどの発酵食品と一緒に摂ることで相乗効果を発揮してくれます。
納豆は腸内環境を整えてくれるのはもちろん、血栓を溶かす作用があり、血管が詰まることで生じる病気の予防も期待できます。
食材の値上げラッシュが続く昨今、3パック100円〜150円程度で手に入る納豆は、家計にも優しい健康食材と言えるでしょう。
夕食のおかずの一品として、ぜひ納豆を取り入れてみてください。
腸内環境を整えて、健康的な生活を!