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1分で読める三題噺(ショートショート) | 『中華料理屋』『サイコロ』『読む』

3つの題目で500字程度の物語を綴ろうと思います。お題目は以下サイト様にて、ランダムに生成しました。


1つ目は『中華料理屋』
2つ目は『サイコロ』
3つ目は『読む』

三題噺ガチャ(https://odaibako.net/gacha/293)

『中華料理屋』『サイコロ』『読む』

須藤は会社の上司に連れられて東京新宿の某所にある、本格中華料理屋にやって来ていた。

単なる飲み会なら普通の居酒屋で開催してほしいものだが、この上司は好みがうるさい。

「ここの揚げ蚕は絶品なんだ。俺のお気に入りの店でな」

そう言って、上司は須藤の好みも確認せずに勝手に料理を注文した。

メニューを見ると、どれもビールや紹興酒に合いそうなものばかり。酒が苦手な須藤は内心げんなりする。

そんな須藤とは対照的に上司は酒豪だ。聞いたことのない銘柄のビールをあっという間に飲み干すとおかわりを要求する。

すると店員は何故か2つのサイコロと小さな器を持ってきた。

「なんだこれ?」

上司は店員に問いかける。

サイコロを振ってゾロ目が出たら無料でおかわりできます――そうでない場合は料金が1.5倍になるチャレンジ企画をやっていますが……いかがでしょうか?」
「面白そうだな。やってみよう」

上司は即答するとサイコロを振った。目は1と6――はずれだった。

「ちくしょうっ――!」

その後上司は文句を垂れながら何度も挑戦するが一度もゾロ目が出ない。

そんな様子を見た須藤は以前たまたま読んだ賭博系の漫画を思い出した。

「そういえば漫画でも、こんな感じで破産してたっけか――確率的に見たらやめとく方が賢明なのに……事実は小説より奇なりってやつかね」

【おわり(550文字)】

あとがき

ここまでご覧いただきありがとうございます。
少しオチが弱くなってしまいました……。
別のお題ではもう少しオチにこだわりたいと思います。
それではまた次の記事でお会いできましたら幸いです。

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